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第七話 始まりの村ととある汚い少年

 あれから一週間、お家無事完成しましたぁーー!!


 俺の目の前には理想通りの立派な煉瓦と木の家が建っていた。


 ……いやぁー、大変だった。でも、楽しかったなぁ……。


 家が完成したその日は、モンスター皆で飲んで喰って踊ったりの三本だて。もうどんちゃん騒ぎだった。お酒がなかったことが少し残念だったが、あんなに騒いだのは久しぶりだった。


 あっちの世界ではデスクの上でいーっつも、パソコンや書類たちとにらめっこばっかりしてたし……。

 毎日酷い肩こりと腰痛に悩まされたもんよ。


 後、皆でこう何か一つの物を作るってこともしたことなかったから俺は凄く新鮮な経験で嬉しいかった。


 やっぱアウトドアって、最高だね!


 家も出来たことだし、俺は森を出て近くの村に行ってみることにした。その村の名前は『始まりの村』といい、名の通りここは勇者を送り出す村だった。俺は野良モンスターなので村の中には入れないが、やっぱり異世界に棲む人間がどんな人物か見ておきたい。


 小さい村だが、活気はあって賑やかな村だった。うんうん、なんか皆いい人そうだし良かった。


 流石、勇者を送り出す村だ。俺たちの世界の人たちも見習わないとな! っと俺が感心していると、村の近くにある森の茂みから微かに子供の声のようなものが聞こえた。


 『ん?』と俺は気になり、声が聞こえた所に見つからないようこっそりと茂みに隠れ、様子を見てみることにした。

 すると、いかにも意地の悪そうな三人の子供が一人の汚く痩せ細った子供を取り囲んでいた。


 「うわぁ! こいつ今日もこんなところにいるぜぇ!」

 「どんだけ体洗ってねぇんだよ。くっせぇの~!!」

 「俺、知ってるぜぇ? こいつ、もう5歳なのに従獣魔(つかいま)が呼べないから親から捨てられたんだってパパが言ってた」

 「マジかよ、だっせぇ~」


 ごめん、前言撤回。やっぱ異世界でもクソみたいな人間はいるもんだな。しかも、勇者を送り出すはずの始まりの村が虐めって…。世も末だなと俺は溜息をついた。


 ―――なんか夢が思いっきり壊れたぞ、おいどうしてくれんだ悪ガキ共。

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