第六十三話 追われ追われて
どうしてもなんかしっくりこず結構何回も書き直してます!
すみません!!(;´_ゝ`)
表彰式も無事に終わり、俺たちはコロシアムを出た。俺たちの手には賞金の金貨20枚と優勝賞品が授与された。そして、その優勝賞品というのが……。
「よいしょ……と!」
ケンジの手の中にあるのは、ダチョウの卵より少しでかいぐらいの……多分、モンスターの卵(?)であった。卵の殻はカラフルな柄とかは一切なく、まるでペンキで真っ黒に塗り潰したかのように漆黒に染まっていた。なので少し不気味な雰囲気を漂わせてせおり、ちょっと近寄りがたかった。
『これ、一体なんの卵なんですか?』
表彰式後、謎の卵を渡されたケンジ。審判だったピエロの男にケンジは一応確認したのであったが、卵の正体までは知らなかったのか『さぁ?♪』とケロッとした様子でピエロは答えた。
おいおい、大切な祭りの優勝賞品はずなのに扱いどんだけ杜撰なんだよ……。
しかし、『聖霊王祭で3位以内に入る』という俺たちの目標は達成はできた。後は、これでギルドに向かって受付嬢の姉ちゃんを説得するだけだ!
重い荷物を持ちつつも俺とケンジはさっそくギルドへ行くための道を通っていたのだが、またここで俺たちはトラブルに遭遇。裏道の影から虫のようにわらわらと沸いて出たどっからどうてもガラの悪そうな連中が俺たちを取り囲む。んー、嫌な予感しかしない……。
「ひっひひひ……!」
「おい、ガキ。大人しくそのスライムを俺たちに渡しな」
嫌な予感は適中。聖霊王祭を見ていた奴等なのか、俺がただのそこら辺にいる低級のスライムじゃないことを知っている。
こいつらはきっと、ただ単純に聖霊王祭で優勝したという肩書きを持つ強い従獣魔が欲しいだけなのだろう。
そして、きっと主である子供のケンジからだったら簡単に俺を奪うことができると幼稚な考えに至ったのか、わざわざご丁寧なことにこんなじめじめとした薄暗い場所で待ち伏せしていてくれたのだろうな。……が、お生憎様だったな。
俺はお前らなんかに簡単に捕まってやるつもりも、ついて行く気も毛頭ないぞ。
『――ペッ!!』
「うわぁっ!?」
俺は俺の必殺『体液飛ばし』を目の前の道を塞いでいたひょろそうな体をした男にめがけて飛ばす。突然の俺の反撃にびっくりした男は地面にひっくり返る。
『逃げるぞ!ケン!!』
「う、うん!!」
「くそっ!待ちやがれ!!」
余計な事態をさけるため、前にいた男が倒れている隙に俺たちは間を通り抜け逃げる。アベシス王国全体の道はかなり入り組んだ路地となっており、まるで迷路みたいだった。ケンジは大事な卵を抱えながらも懸命に走る。
だが、連中も思った以上にしつこく俺たちを追いかけ回す。
「はぁ、はぁっ……!」
『頑張れ、ケン!』
子供には重すぎる大きな卵。これ以上走るのはケンジの体力の限界だった。一度俺たちは呼吸を整えるため道の真ん中で立ち止まっていると目の前に新たな影が現れた。
『誰だ……?こいつら』
5~6人だろうか?全員黒ずくめで蛇のマークみたいな刺繍が入ったマントを羽織っており、面立ちは見えず男女なのかさえ分からなかったがその異様な雰囲気だけは察した。
「その卵を我らにカエセッ……!!」
『何?卵だって??』
「卵って……これのこと?」
ケンジは自分の手の中にある真っ黒な卵を見る。どうやらこいつらはこいつらでさっきの連中とは違うらしく、黒ずくめの奴等の狙いは『俺』ではなく、ケンジが持ってるこの『卵』の方が狙いらしい。
だからと言ってまぁ『はい、そうですか』と言って、そんな今から黒魔術でも始めそうな格好をした危ない人たちに渡さないんだけどね。
「いたぞー!」
げっ、忘れてたッ!!
もう一つの連中も俺たちに迫り来る。
前には黒ずくめの謎の集団、後ろからはチンピラ。どっちらも八方ふさがりであった。
『ケン、こっちだ!』
建物と建物の間の狭い道の曲がり角を見つけた俺はケンジと一緒に入ったがその先は行き止まりだった。
「行き止まりだ……!どうしようっ……!!」
『チッ……!しゃない』
俺はスキル【変身】を使い、人間の姿になる。卵を抱えるケンジを俺が抱え、行き止まりの奥に無造作に置かれていた荷物に足をかけ、猫みたいに身軽に飛び移っていく。
「ここか!」
チンピラ連中の男の一人が曲がり道を見る。だが、そこにあったのは汚く置かれた荷物だけだった。
「探せっ!まだ近くにいるはずだ!!」
――タタタタッ……!
チンピラ連中たちはまた散り散りになり、ケンジたちを一から探し始めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ふぅぃー……ッ!なんとか撒けたみたいだな」
「はぁー……よかった!」
肝心の俺たちというと建物の屋根の上に避難していた。やれやれとこれでまず一安心だと俺はホッと胸をおろす。ケンジは安心したのか大切そうに卵に頬ずりをする。どうやらあの黒ずくめの奴らもここまでは追ってはこなかったようだ。
まったく優勝してもろくなことがないな、この異世界は。
俺は日本がどれだけ治安がよい国だったか再認識した。だが一体、あの黒ずくめの奴等は何者だったのだろう?どう見てもあのチンピラ連中とは違い、ただならぬ雰囲気を纏っていた。
俺は手を顎に当て考えていると、何処からか聞いたことのある声が聞こえた。
「おーい……っ!おーい!!」
「ん?」
屋根伝いを絶妙なバランス感覚で渡り歩き、建物同士で出来たかなりある隙間も軽々しく飛び越え、俺たちのところまでやってきたのはギルの仲間の一人である犬耳少女であった。
「あれ?確か、えっーと名前は……」
「ラブリーだお!そんなことより良かったー!二人を探してたんだお!」
「僕たちを?」
「うん。ギル隊長がね!」
「こっちだお!」っとラブリーと名乗った柴犬のような耳をした犬耳少女は俺たちを見つけれたことが余程嬉しかったのかちょっと丸まった尻尾をブンブンと振り、ギルが待っているというある店にと案内してくれた。
新章突入――!!
これから物語が大きく動きます(*≧∀≦*)




