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第三十一話(閑話) 乗り物が欲しいなぁ②

 「ただいま~……」


 俺は人間の姿に化けて家に帰宅。ぐったりと玄関に倒れるように横たわる。


 「おかえり~……って、どうしたの!? ポチ!! 泥だらけじゃないか!」


 家で留守番していたケンジが俺のボロボロな姿を見て驚く。


 「あー、ちょっと鉱石を採りに洞窟に行ってきてな。そこででかいモンスターと遭遇しちまって……」

 「えっ、怪我とかしなかった?」

 「いや、それは全く問題なく倒したは倒したんだけども……」


 俺はその先はできるだけケンジに言いたくなくモゴモゴと口ごもる。


 「えっ? なに? なにがあったの?ポチ!」

 「実は倒した後、そのモンスターに変に気に入られたみたいで……。求婚された」

 「きゅ、きゅうこん!?」

 「おう」

 「植物の球根の間違いじゃなくて……?」

 「違う」

 ぴしゃりと俺はケンに言う。どんな間違いだ、それ。

 「え、えっと……じゃあ、おめでとう?」


 ケンジは頭をひねりながら言う。


 「全然おめでたくね!! マジであいつ撒くの大変だったんだからな!」


 あの女王蟻、本当にしつこかった!どんなに逃げても逃げても追ってくるし、挙げ句の果てには鋼鉄働き蟻(アント・アイアント)も一緒になって俺を捕まえようとしてくるし!洞窟を出ても追ってくるので仕方ないから俺は人間に化けてバレないよう必死の思いで逃げてきたのである。


 俺がこんな泥まみれになったのもそのせい。


 「あ。でも、なんで洞窟なんかにポチ行ってたの?」

 「あぁー、それな。ちょっと作りたいものがあってな」


 にかりと俺はケンジに笑う。そう、全てはあれを作るための準備であった。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 カッコン! カッコン!!


 「よっしゃ! 完成だ!!」


 俺のスキル【鍛冶】を最大限に利用して作った物はというと……。


 【原付二種バイク

 異世界の乗り物。

 総排気量125cc。二人乗り可能。


 無意識に俺の好みが反映されてしまったのか、フォルムは完全俺が好きなバイクのメーカーPONDAのフロスハブ似になってしまった。このバイクのいいところは小回りがよく効き燃費もいいところだ。特に山道、アウトドアなどレジャーなどに最適なバイクなのだ。それにこのスタイリングが一番格好いいのである。色はちょっと派手かな? と思ったけど黄色にしてみた。


 「? ポチ、何これ?」

 「ケン、これはなバイクっていう乗り物で男のロマンの塊なんだぞー」

 「バイク? ロマン??」

 「んー、今のお前にはちょっと難しかったかな? まぁ、俺の後ろに乗ってみろって」


 燃費も植物から作った疑似ガソリンを入れ、俺はケンジをバイクの後ろに乗せた。


 「あっ、ケン。これ、頭に被れよな」


 俺は作っておいた子供用のヘルメットを渡す。ちゃんとケンジがヘルメットを被ったのを確認してから俺もヘルメットを被る。

 ブルンブルンブルルルルンッ……!!

 エンジンがかかり、全身に振動が伝わる。久しぶりだな、この感覚。


 「ぽ、ポチ! 動いたよッ! この鉄の塊!!」

 「まだまだ驚くのはこれからだぞ!ケン!!ちゃんと俺のお腹に捕まっておけよ」

 「えっ! うわぁ!」


 俺は久しぶりにバイクのアクセルを回す。すると、バイクは無事に走り出す。ケンジはこの鉄の塊が急に走り出したのが信じられなかったのか、俺の腹に必死にしがみつく。俺は感覚を取り戻すため軽く練習がてらケンジを後ろに乗せ、森の中でも道が広がっている部分だけを選び、ツーリングする。最初はびびっていたケンジも段々と慣れてきたのか風景を楽しんでいた。


 「すごいっ……! ポチ、僕たち走ってるよ!」


 興奮しながらケンジは俺に話しかけてくる。喜んでくれているようで何よりだ。俺たちの体を優しい風が撫ぜる。時速は約30キロぐらいの速さで俺たちは暫し、森のツーリングを楽しんだ。

作者はバイクは好きなんですが、バイクは持っていないのでバイクのことでなんか変なところがあったら感想下さい。

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本日はこの小説をお読み頂きありがとうございました (*´ω`*) 『評価』『感想』『レビュー』等、頂けると定期的に執筆をする際、大変モチベーションが上がり、作者は踊り狂って喜びます。お時間があればお願いいたします(笑)。
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