第十八話 あれ?俺……??
他の方の作品が素晴らしすぎて時々、自分の文才が不安になります……(;・∀・)
書いてて、あれ、おかしくないかな?この表現?とかで出勤中に日本語の難しさに混乱する作者。
風呂を上がり今度は食事の支度をすることにした。俺はケンジを椅子に座らせ、机の上にこれも俺が作った木製の食器類を並べる。
家には食材は親分が朝一に取ってきた内臓の下処理済みの池面鯉という鰤に似た魚にキーちゃんとバニーちゃんが分けてくれた果物と木の実があったが、俺はケンジに精力をつけて貰いたかったため、まずは新鮮な肉を探しにいくことにした。
俺は「ちょくら待ってろ、10分位で直ぐ戻る」とケンジに言い残し、少し距離があるがここの森のモンスターより大きめのモンスターが出る森へ急いで走った。
その間、ケンジというと俺の言った通りに椅子から動かず背筋を伸ばし礼儀正しく待った。すると、暫くした後に……。
――ズドーーーンッ!!
「な、何!? じ、地震!?」
巨大な爆音と地震が共に森の中を駆け巡る。宿り木に止まっていた鳥たちも一斉に空へと羽ばたく。ビリビリと家の中にも振動が伝わり一瞬だけ空中に食器たちが宙を舞う。
突然の地震が怖かったのかケンジは急に心細くなりポチに会いたくなった。森へ出掛けに行ったポチを探そうと椅子をそっと下り、リビングのドアに近づくとそこにはケロッとしたようで大きな肉の塊を片手にポチの姿が立っていた。
『ただいまー』と呑気に帰ってきた俺の姿を見て安心したのか急にケンジは安心したのか涙目で黙って俺を抱き締める。俺は状況が分からず『え? えっ??』と頭に?を浮かべるばかりであった。
その後、ケンジから大きな衝撃音の話しを聞くと「ごめん、ケン。多分その爆音俺が原因だわ」と俺は謝った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
時は遡りその同時刻、俺は違うエリアの森についていた。すぐにでかい猪型のモンスターを見つけた。
俺は獲物を決めた後、どうやってあのでかいのを仕留めるかと近くの茂みに隠れモンスターの背後で考えていたその時――。
俺はくしゃみが出そうになってしまったのである。いや、もちろん頑張ってギリギリまで耐えたよ?でも獲物が体を動かした時、茂みの葉が油断した俺の鼻辺りを掠めた。そして、俺はついうっかり思いっきり……。
『ぶっえくしょん!!!』
――ズドーーーンッ!!
っと爆音と爆風がその場に巻き起こる。それは一種の竜巻のような形となり巨大猪に襲いかかる。
爆風に飛ばされた猪はそのまま目の前の太い木の幹に頭を思いっきりぶつけ『ブヒッイーッ!!!』という猪の断末魔も虚しく猪は気絶した。
そんなことが起きてるとは知らない俺はふと顔をあげると何故か獲物の猪モンスターが倒れていたので『おっ、ラッキー!』とそのまま気絶した猪を引き摺ってきたのである。
「うわっ……! ポチ、この肉ってもしかして怒れる大猪!? 捕獲ランクCの高級食材じゃないか!」
捕獲ランクCは並の勇者や冒険家やハンターが複数人で相手して仕留めらるかどうか位のレベルであった。しかも、怒れる大猪はピンチになる仲間を呼べる習性もあるので熟練の者でも厄介としているモンスターの一匹であった。
―――まぁ、俺のくしゃみで一発KOだったけども。
よし、ケンジのために久々に料理の腕をふるうか! と意気込む俺はだったがここに来て俺は大事なこと失念していた。
『俺、このまま姿じゃ料理できないじゃん!』
そう、俺は今スライムなのだったのだ。どうやって包丁を持って握れというのか。
――あぁ、今だけでもいいから人間に戻りたいと元の人間だった俺の姿を想像する。するとピコンッ! と音が鳴りポチは『スキル【変身】を覚えた』と表示されていた。『変身?』と俺は今覚えたスキルを使用してみる。
――すると……。
「ポ、ポチ……!? 君、人間に変身できたの!?」
「えっ?」
俺は慌てて洗面台に行き、鏡を覗いてみるとそこには生前の前より若返った俺が立っていた。
「俺……だな」
頬っぺたを触るが人間の肌とまったく変わらない質感であった。姿を見る限り年齢は約20代位の辺りらへんの頃の俺にそっくり。猫目のような目付きの悪さは変わっていなかったが違う箇所と言えば、瞳は紅く髪も若干紺色みたいな深い青色となっていた。
「ポチ……?」
突然姿が変わった俺を不安そうに見つめてくるケンジ。
「そんな顔すんなって。俺どうやら人間に変身できたみたい」
「ポチって一体何者なの??」
「……ただのおじさんスライムだよ」
異世界から神さまに転生された、ね。そう俺は心で呟きながらケンジを抱っこし台所に戻った。