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第十三話 今日から俺の名は――

 『よーし。そうと決まったらまず名前を決めよう! もう俺たちは家族なんだからな』


 俺はピコンと元気に跳ね、少年の頭に乗っかった。


 「家族……?」

 『おうよ。これから同じ家で飯食べて寝て生活するんなら、もうそれは家族以外の何ものでもないだろ』

 「そうか……。へへへ」


 なんだか照れ臭そうに指で頬も掻く少年。……そういう反応されると、なんかこっちまで恥ずかしくなるな。


 『それにお互い名無しの権兵衛(ごんべい)の間々じゃ不便だろ』

 「ななしのごんべい?」

 『あー、名前のない人のことね』


 先程まで大泣きしていたのに今はもう青い瞳を輝かせ笑顔だ。子供はコロコロと表情が変化し、面白いなとつくづく思う。


 「ねぇ、スライムのおじちゃんの名前を僕が決めてもいい?」

 『おぉ、俺に名前つけてくれるのか?』


 フフフ、嬉しいこと言ってくれるなぁ~こいつめ。俺としての希望はせっかく異世界にいるんだからRPGにある「戦士(アトラス)」とか「剣豪(スラッシュ)」みたいなちょっと格好いい名前が――。


 「じぁ、『ポチ』で!」

 『へ?』


 ピンポン!

 『スライムの名前【ポチ】で決定いたしました』

 えええッーー!! 俺は慌ててステータスを確認すると。


 【ステータス】

 《モンスター.81 スライム》


 *Lv 999 *名前 ポチ


 HP 999999/999999

 SP 9999/9999

 攻撃力 ??????

 防御力 ??????


 調合レベル MAX

 鍛冶レベル MAX


 捕獲ランク ???

 称号『神々に選ばれた(ゴット)スライム』

 属性 無属性

 耐性 魔による全属性及び撃、斬、突などの物理的攻撃にあり

 性格 もうなんだか色々やばぎてワロタ

 魔法 全属性取得可能 回復魔法

 スキル 【鑑定】【調合】【鍛冶】【隠密】【念話】その他 不明


 見事に俺の名前の欄に『ポチ』という2文字が刻まれていた。

 嘘だろ……。


 『なんで!? なんでよりよってポチなの!? 完全に犬とかにつける名前じゃん!』

 「そんなことないよ! ポチっていうのは――」


 おっ?なんだ?こっちの世界では何か特別な意味を持つのか?『ポチ』という名は。ちょっとだけ期待してしまう俺。


 「ポチっていうのはね、僕の家で飼ってた凄い賢い犬の名前なんだよ!」


 って結局犬じゃねえか!

 俺のつっこみは虚しく、今日から俺の名前は『ポチ』となった。

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本日はこの小説をお読み頂きありがとうございました (*´ω`*) 『評価』『感想』『レビュー』等、頂けると定期的に執筆をする際、大変モチベーションが上がり、作者は踊り狂って喜びます。お時間があればお願いいたします(笑)。
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