第一話 俺、死んだみたい
どうも、俺氷室健二40才。あらすじに書いてある通り、突然死んでしまった……。
急性の心臓発作であったのだが、胸が苦しく意識が薄れ手足の感覚がなくなっていったが俺は不思議と死ぬのは怖くなかった。苦しいのや痛いのは嫌いだが、俺は『はぁー、短い人生だったな』というまるで他人事みたいな感じであった。
話は戻るが意識がなくなった後、俺は真っ白な部屋の中にいた。なんだここ? と俺が思っていると突然、俺の前に顔を涙と鼻水で汚しまくった金髪の美男子が現れた。
すると『すびばぁぜぇん!! 間違って貴方をごろじてぇじまいましたー!!』と泣き叫び、俺に土下座。
うん、ちょっと落ち着け少年。
「とりあえずハンカチいるか?」と俺が聞く。するとイケメンは「すびばぁぜぇん……」と言い、俺のハンカチで遠慮なく鼻をチーンッ! とかむ。
「落ち着いたか?」と俺が聞くと、「はぁい……」という美男子。
イケメンは涙と鼻水で顔を汚してもさまになるなぁと、思いいつつ(?)俺は美男子の話しを聞いてやった。
状況を整理すると、どうやら俺が死んでしまったのはこのエルフのような耳をしたイケメン神様がうっかり居眠りをしてしまって俺の人生診断書(その人の寿命とか人生が書かれているらしい)その大事な書類をつい、うっかり涎で汚してしまったらしい……。
もし、この事が上にでもバレしてしまったら神格を剥奪されてしまうらしく、それで恐くなって泣いてしまった。というのが一様の事件の真相であった。
けど、俺は間違って殺されてしまったことにあんまり怒っていていなかった。
「別にそんなに悲観する必要ないんじゃない?」
「え……?」
「俺、別に怒ってないし。上に訴えてやるーッ! とかもないし、つまりさ俺が黙ってりゃ問題ないんでしょ?」
そのセリフを聞いた途端、またわぁっ! と泣き初めてしまったイケメン神様に俺は2枚目のハンカチを渡してやった。
おいおい、これ以上は泣くなよ?俺だってそんなにハンカチを持ってないんだぞ。
「私……貴方の、氷室殿の人生診断書見ました。……大変な人生でしたね……、うっう゛!!」
俺の過去の経歴を見たのか思い出してまた泣き出してしまった。おいおい、だからこれ以上俺はハンカチなんか持ってないんだってばと思いつつズボンのポケットを探ると……あったよ。
俺は大人しく3枚目のハンカチを神様に渡してやった。
「せめてもの御詫びとして、貴方の次の人生は最高のものをお約束させて頂きます」
っと俺に言いきった神様。
おっ! やったね! 流石はイケメン神様!!
俺は少し間違って殺されてしまったことに喜んだ。だってどうせ、あの世界で俺が生きていたとしても仕事をして、飯喰って、寝ての平凡な日常だったろう。
それならいっそ思いきって、異世界ライフをエンジョイした方がいいに決まっている。
「では、よき人生をお楽しみ下さい!!」
俺はそうして第2の人生を歩むこととなった。