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よくいる少年が異世界転生した話。  作者: かねしろ
第一章:始まりの世界
4/10

第二話「親バカ達による、姉帰省記念パーティー」

言葉遣いが未だ安定してません…。


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2017/01/26

本文編集

2017/02/10

本文編集

2017/07/30

本文編集

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 まず、姉のことを紹介しよう。

 といっても、ヴィネットさんや母さんから教えてもらった情報だが。


 正しくはシャルリア・レインハルト。

 職業は王都騎士団副団長。結構良い立場の人だった…。

 忙しかったようで、連絡ができなかったらしい。自由人じゃなかった…。


 家に帰ってきたときは薄い服を着ていたから、引き締まった体つきをしているのは一目瞭然。

 容姿は貴族の子女としては逞しい筋肉を除けば、十分可愛い。

 しかし、騎士団団長としての実力者だからか、滲み出るオーラで、子供に近づいたら高確率で泣く。近くにいるだけで威圧がかかるような感じだった。

 特に目元!

 見られているだけで、大人でも心が弱い奴らは確実に逃げ出したくなる鋭さ。

 美人だが、人を寄せ付けない雰囲気だ。

 身長はヴィネットを軽く超える程度。

 声は年頃(?)の女の子にしては若干低かった。


 それが、玄関にいました。


 彼女を見た感想が、『超逃げたい』。

 こっちを見られたときは睨まれたと思った。

 たとえ身長差とかいろいろ仕方ないところもあるんだろうけど。

 でも、彼女は一体何歳なんだろう。見た目からしてすっごい年上のようだが…。

 養子じゃなければ、まだまだ若い方だろう。


 元の世界にも姉はいたが、もうちょっと優しげがあった気がする。

 どうしてこんなに違いがあるのか。


「…ただいま」


 シャルリアが帰ってきたとき、彼女は一言、そういった。

 途端、パーティの準備……というか最終チェック? をしていたヒル達がすごい勢いで玄関へ走ってきた。

 さすが親バカ。

 恐ろしいその行動力。

 ちなみに、俺は玄関で待機することにしていたから、どんな飾りつけかはわからない。

 座ってたし、こっちは赤ちゃんだから見下ろされてビビったぞ。


「おかえり、シャル」


 父さんがそう言う。

 続けて母さんが。


「おかえりなさい、シャル!

 今日はご馳走よ!」


 おい、怒れるんじゃなかったのか。

 笑顔で言う二人に対して、心のなかでそうつっこんだ。


「毎回毎回なんでパーティなんてするのよ……。

 これだから帰りたくないんだ……はぁ」


 …ぼそっとごちるシャルリアの小言を俺は聞き逃さなかった。

 帰って来るたび毎回パーティーやってんのか?

 なるほど。確かに俺も、毎回これを繰り返させられるのは嫌だな。

 姉さんも、いろいろ苦労してんだなぁ。





 パーティが始まった。

 しかし、どうしよう。姉さんが全然楽しそうじゃない。

 それどころかずっとこっちを見てくるのだ、真顔で。

 こ、恐い。


 父さんと母さんは、会話に花を咲かせているものの、いまだ俺の話をしていない。

 だから、


(いい加減俺/私の紹介をしてほしい)


 俺は、ため息をつきながらそんなことを考えていた。

 姉さんも思っていたらしく、


「母さん達。いい加減このちんちくりんのことを紹介してよ。

 王都(あっち)にまだ仕事が残ってるんだから」


 誰がちんちくりんだ!

 しかし、この世界だと赤ん坊の姿だから、なにも言い返せない。

 まだ喋るのもままならないしな。


 しかし、さすが王都騎士団。

 この家が国のどの位置にあるのかは知らないが、忙しいのだろう。

 そんな中来るのは、結構疲れると思う。

 自由人だと思ってました、すいません。

 俺は心の中で謝っておいた。


「あ、そうね、紹介しなきゃ!

 新しい弟の、リディルよ!

 あんた顔恐いんだから、もうちょっと優しくしなさいな」


 俺を抱えて、レイリアが爆弾を落とす。

 シャルリアは、レイリアに指摘されてうぐふっと呻いた。

 顔のことを気にしているのかもしれない。


「わ、私だってちゃんと恐くないように笑顔とか練習してるしっ、それに、王都のみんなは可愛いって言ってくれてるから!」


 ダンッと机を叩き、若干涙目のシャルリアが言い返す。

 一人称”私”なんだ。ていうか口調が意外だった。

 もうちょっとでお茶がこぼれそうだったが、父さんが慌てて抑えていた。


「あうぁー?」

「! ど、どうしたの?」


 シャルリアの服の袖を引っ張ると、ハッとして、俺にぎこちない笑顔で聞いてきた。

 その笑顔でさえ怖い。

 改善しようとしているのか。

 どっち道怖いから真顔でもいいよ。


「うゃあぁ」


 フルフルと顔を横に振り、手を顔に伸ばす。

 笑顔をやめてもらいたいんだよ。

 そうしないと何故か背筋に悪寒が走る。

 ぎこちない笑顔がトラウマになったのか。さすがにないか。

 だけど、取り敢えず笑顔やめてください。


 途端、伸ばした両手からか細い黄緑の光がホヨホヨとでてきて、シャルリアの顔を優しくなでた。

 しかし、少しすると光は空気に溶け込むように薄れ、やがて消え失せた。


「…」


 シャルリアは呆然と俺の両手を見つめた。

 心なしか、表情が柔らかくなった気がする。悪寒がなくなりホッとする。

 一方、両親はというと。


「い、いまの…魔法、よね?」

「それにしては何か…魔力、とも言い難いしなぁ…。

 しかもこの年で…無詠唱?

 詠唱省略でもないし…どこでそんなもの覚えて…」


 ブツブツと……俺には普通に聞こえてるけど、討論をし始めた。

 俺はまだ理解できずに、首をかしげていた。

 魔法が存在することは知っていたが、習ってなかったし、使ったこともない。

 あれ、まさか素質ある? ありますか?



 パーティはいつの間にか議論会となり、シャルリアは笑顔になった。

 うわっ、背筋に悪寒がっ。



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