表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/4

四話 王太子

 ____ど、どうしよう、見知らぬ男性を思い切り押し倒してしまうなんて!


「ごっ、ごめんなさい……! 私の体幹が強すぎるあまりに! お怪我はないですか!?」

「怪我はない……が、一旦俺の上から退いてくれないだろうか……」

「え? あっ、はい!! 私の大胸筋がすみません……!」


 日頃の訓練が仇になってしまったわ……!

 でも、今はこの男性に構っている暇はない。とにかく、神官たちから……いえ、教会から逃げないと!


 ……それにしても、どこかで見たことあるような……。いや、妙にイケメンだからそう感じてしまうだけ?

 でもこんなイケメンの知り合い、いたかしら……。


「だ、大聖女様ーー!! お待ちください!」

「げっ、もうそこまで追ってきてる! ごめんなさい、私、失礼します!」


 いけない、考え事なんてしてる余裕なかった! 後ろから神官の声が聞こえてきて、慌ててそう言ってその場から走り去ろうとする。


 ……が、私が押し倒してしまった謎のイケメンが____なぜか、私の腕を掴んだのである。


「っ!? な、なんですか!? 今めっちゃ急いでるのわかりません!?」

「そんなことはどうでもいい! 君、今大聖女と呼ばれていなかったか!?」

「呼ばれましたけど!? だから逃げてるんでしょうが!!」


 なぜ、このイケメンは私を引き留めてくるのかしら!?

 あぁもう、神官がすぐそこまで迫ってきてるっていうのに……!


 こうなったら……切り札を使うしかないわ。


「申し訳ございませんが、私、こう見えても公爵令嬢なんです! そんなレディの腕を掴むなんて、王族でもないと許されない____」

「俺が王太子だ!」

「……はへ?」


 その次の瞬間、神官が私達……いえ、このイケメンの姿を見て、大きな声で叫んだ。


「ニコラス王太子殿下! 大聖女様の捕獲、誠に感謝申し上げます」

「あぁ。大聖女が現れたというから急いで駆けつけてみれば……とんだじゃじゃ馬娘だな……」


 イケメン……いえ、王太子殿下が、はぁ……とため息をつきながら額に手を当てる。


「う、うそぉ……」


 私はというと、さっきまでの不敬を思い出して……真っ青になっていた。

 王太子殿下が私に告げる。


「そういうわけで、君が大聖女と判定された以上……君は俺の婚約者だ。行動には気をつけるように。あと、廊下は走るな」

「……ご、ごめんなさい……」


 がっくりと項垂れる私を見て、王太子殿下は再度ため息をつきながら、ぽつりと呟いた。





「……というか、大胸筋はあんなに柔らかくないだろ……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ