表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

悪役令嬢の序列社会

作者: ぺいた
掲載日:2026/03/18

展開もオチもバレバレのような気がしますが、せっかく書いたから投稿ー!

「今日も! アラン様と一緒に図書室にいたのよ!」


また始まった…。ジェーンはうんざりした。


ここは王立学園のサロン。

今日のお昼休みも、クラウディアの愚痴を聞くだけで終わりそうだ。


クラウディアは公爵令嬢であり、その婚約者は、王太子であるアランである。

婚約してから3年、クラスは違うけれど、休み時間にはお互いのクラスに

行き来して、それなりに親しくしていたと思う。


しかし最近、マチルダという転入生が来てから、アランは彼女に

つきっきりになってしまい、クラウディアは、自分の婚約者に

話すきっかけさえつかめない毎日を送っているのだ。


「聖女とはいえ、もとは平民なのに…! アラン様がわざわざ直々に、

お世話をする必要があるのかしら?」


「マチルダ様は、貴重な聖魔法の使い手だから…。陛下もおっしゃって

いたじゃない。『この国を見限ってほかの国に行かれたら困るから、

不自由がないよう丁重に取り計らうように』って。殿下はその言葉に

忠実に従っているんだと思いますわ」

きのうも言ったことだが。


「それにしたって…、こう毎日というのは、図々しくはないですかしら?

少しは遠慮してもよくはございません?」


「でしたら、わたくしがマチルダ様に『少しは遠慮なさい』と

忠告してまいりましょうか」


「それはダメですわ! わたくしとジェーン様が仲良しであることは

みなさまがご存じですもの! わたくしが頼んだと思われてしまうわ!

そして『マチルダ様をいじめている』という噂になって、

卒業パーティーの時に断罪されて国外追放になってしまいます!」


「その、卒業パーティーのくだりが、何度聞いても理解できませんが、

わかりましたわ、よけいなことは致しません」


「でもでもやっぱり腹がたつんですのよー!」


このように、何の解決策も進展もないまま、ジェーンの昼休みは今日も

つぶされたのであった。


----------------------------


「ああああああもう、いいかげんにしてよーーーー! このやりとり

何度目!? 毎日毎日ぐずぐずぐずぐず! 自分からは何も行動を

起こす気がないのに、愚痴だけ垂れ流すのやめてよーー!」


お嬢様は今日もストレスMAXだ。

公爵家のクラウディア様が愚痴を垂れ流す相手なんて、侯爵家である

うちのジェーンお嬢様ぐらいしかいないのかもしれないけれど…


「お茶が熱い! 淹れ直して!」カップを壁に投げつけられた。


ガチャーンと音がしてカップが割れる。床はびしゃびしゃだ。


「申し訳ありません! ただちに…!」とぺこぺこと頭を下げ、

割れたカップを拾い床を拭く。


あああもう嫌だ嫌だ。毎日毎日、あのお嬢様の八つ当たり!

紅茶が熱いのはいいことじゃないの! ぬるかったら「ぬるい!」

って怒るくせに!どうしろっていうのよ! 


いらいらしたので、廊下の掃除をしていた下男に「これも

片付けといて!」と割れたカップを投げつけ、窓枠にすっと

指をすべらせ、ほこりで汚れた指を見せつけ、「なにこれ?

これで掃除したつもり? 能無し!」と、ののしってやった。


-------------------------------------------


「お前は嫁いびりの姑かーーーー!」


またか…。マリアはため息をついた。


ここは、マリアが働いている酒場。

学園にほど近いので、職員たちが気軽に立ち寄っていく。

彼は今日も、生徒のお付きの侍女にいびられたらしい。


「いつもいつも俺を見下しやがってー! おまえだって、人に仕える

立場のくせに! しかもたかだか男爵じゃねーか! そんなん、

金さえありゃ俺だってなれるわー!」


「金がないからなれないけどな」


近くにいた顔なじみの客がそう言うと、店がどっとわいた。


「わかってるけど! わかってるけどむかつくんだよー!

マリアちゃんなら、俺の気持ちわかってくれるよねー?!」


わんわん泣き出した。ああうっとおしい。


まだ閉店時間にはちょっと早かったが、面倒だったので

「わかったわかった、さあもう店はおしまい。帰って帰って」と

客を追い出し、片付けをすませ、家に帰る。


帰ると、まっすぐにベッドに向かい、


「うるせーーーーーーーーんだよ! この酔っ払いが!!!

毎日毎日同じ話! そんなに嫌なら転職しろよ! だいたい、

ただの居酒屋の従業員になぐさめてもらおうとすんなよ!

ここはキャバクラじゃねーんだよ!!」


と叫んで、枕元のうさぎのぬいぐるみにボスボスとパンチする。

毎日パンチされているので、外側はぼろぼろで、中の綿もはみ出ている。


----------------------------------------------------------


ぬいぐるみのうさぎは、神に祈った。


「神様、ぼくは何もしていないのに、どうして毎日殴られるのでしょう。

どうかぼくを助けてください。もう殴られないように、原因を元から

断ってください」


----------------------------------------------------------


その純粋な祈りは神に届いた。


神はマリアのもとに現れ、「そなたはどうしてぬいぐるみを殴るのか?」

と尋ねた。


マリアは

「うちのお客さんが毎日毎日酔っぱらって管を巻くので、

ストレスがたまるからです」

と答えた。


そこで酔っ払いのもとに現れ理由を聞くと、


「同じ職場にいる侍女が毎日自分をののしるからです」


侍女「お仕えしてるジェーン様が毎日私に八つ当たりをするからです」


ジェーン「仲良しのクラウディアが、毎日同じことを愚痴るからです」


クラウディア「アラン様とマチルダ聖女の仲が良くて嫉妬するからです」


そしてとうとう、アラン王子と聖女マチルダの前に神が現れて尋ねた。

「どうして君たちは仲良しなのか?」


アラン「聖女の力は貴重だから、大事にしていただけです」


マチルダ「私が…こんな力を持っているせいでしょうか…?」


・・・・・


ということは、神のせい?

神が、特別な力をこの少女に与えたことが、原因?


原因を突き止めた神は、聖女の力を返してもらい、「私が原因の元であった。

悪かった」とうさぎのぬいぐるみに謝った。


聖女はもとの平民に戻り、クラウディアとアランは婚約者同士として

それなりに幸せになり、ジェーンも穏やかに過ごせるようになり、

侍女も、下男も、マリアも、八つ当たりの少ない日常に戻った。


しかし、本来ならば、聖女が救うはずだった、数年後の魔物大発生で、

この国は滅びるのであった。

また滅ぼしてしまってすみません。


ほんとは、「悪役令嬢のバタフライ効果」ってタイトルで、

もっと突拍子もない方向に変わる話を書きたかったのに、

全然変わらなかったのでこうなってしまいました。


続編として、滅びたあとに巻き戻りみたいな形で、いつか挑戦したいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
わかりました、 わらしべ長者的なとか 風が吹けば桶屋が儲かる的なとか そんなストーリーが書きたかったのですね、 バットエンドもなんのそのな展開がおもしろいです。 次回のお話も楽しみにしています。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ