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戦えない庭師ですが、星の花のバフが強すぎて最強プレイヤー10人に守られることになりました 〜星詠みの庭師と10人の守護騎士〜  作者: あめとおと


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第5話 庭師、囲まれる



 星花が静かに光っている。


 草原の中央に咲く、二本の不思議な花。

 その周囲には柔らかな光が漂い、近くにいるプレイヤーにバフを与えていた。


 


《星花の祝福》

《星花の祝福》


 


 ユイはその光景を見ながら、落ち着かない気持ちで立っていた。


 


「……なんか、人増えてません?」


 


 恐る恐るそう言う。


 


 レオンは周囲を見回した。


 


「増えてるな」


 


 カイルは淡々と言う。


 


「掲示板効果」


 


 その言葉通りだった。


 


 森の方から、次々とプレイヤーがやって来る。


 まだ遠巻きに見ている人もいるが、中には庭の近くまで来ている人もいた。


 


「マジでバフ出てる」


「これか」


「綺麗な花だな」


 


 そんな声が聞こえてくる。


 


 ユイは少しだけ後ろに下がった。


 


「わ、私なんか目立ってません?」


 


「目立ってる」


 


 カイルが即答した。


 


「めちゃくちゃ」


 


「やっぱり……」


 


 ユイが肩を落とす。


 


 そのときだった。


 


「おーい」


 


 元気な声が響く。


 


 森の入口から、ひとりのプレイヤーが走ってきた。


 


 赤い軽装鎧。

 腰には二本の剣。


 短い金髪の、いかにも元気そうな青年だ。


 


「レオン!」


 


 彼は手を振りながら近づいてきた。


 


「お前ここにいたのか!」


 


「ガルドか」


 


 レオンが苦笑する。


 


「早いな」


 


「掲示板見た」


 


 ガルドと呼ばれた青年は、星花を見て目を丸くした。


 


「うおっ」


 


「なにこれ」


 


 


 しゃがみ込んで、花を覗き込む。


 


「めっちゃ光ってる」


 


 するとバフが発動する。


 


《星花の祝福》


 


「おお!?」


 


 ガルドはウィンドウを見て笑った。


 


「攻撃上がってるじゃん!」


 


 


 そして、くるっとユイを見た。


 


「これ君の?」


 


「え、えっと……はい」


 


「すごいじゃん!」


 


 ガルドはにこっと笑った。


 


「俺ガルド!」


 


「双剣使い!」


 


「よろしく!」


 


 


 あまりにも勢いのある自己紹介だった。


 


「よ、よろしくお願いします……」


 


 ユイは少し圧倒されながら答える。


 


 


 そのとき。


 


 また別の声がした。


 


 


「騒がしいと思ったら」


 


 


 森の奥から歩いてきたのは、長い弓を背負ったプレイヤーだった。


 


 落ち着いた雰囲気の女性。


 黒いポニーテール。


 


「やっぱりここか」


 


 


 レオンが言う。


 


 


「セリア」


 


 


 弓使いの女性は星花を見る。


 


 


「これが掲示板の?」


 


 


 そしてバフアイコンを見て、小さく笑った。


 


 


「なるほど」


 


 


「面白い」


 


 


 ガルドが言う。


 


 


「セリアも来たのか!」


 


 


「ギルドチャットが騒がしかったから」


 


 


 セリアはユイを見る。


 


 


「あなたが庭師?」


 


 


「は、はい」


 


 


「綺麗な花ね」


 


 


 それは静かな褒め言葉だった。


 


 ユイは少し嬉しくなる。


 


 


 そのとき。


 


 


 レオンが言った。


 


 


「これで五人か」


 


 


「え?」


 


 


 ユイは数える。


 


 


 自分。

 レオン。

 カイル。

 ガルド。

 セリア。


 


 


 本当だ。


 


 


「増えてる……」


 


 


 カイルが言う。


 


 


「まだ増える」


 


 


「え?」


 


 


 その瞬間。


 


 


 空から声が降ってきた。


 


 


「おもしろそうな場所見つけたじゃないか」


 


 


 ユイが空を見上げる。


 


 


 そこには。


 


 


 巨大な槍を持ったプレイヤーが立っていた。


 


 


 岩の上。


 


 


 背の高い男だった。


 


 重装鎧。

 長い槍。


 


 


 彼は飛び降りる。


 


 


 ドン!


 


 


 土が揺れた。


 


 


「……バルク」


 


 


 レオンが呟く。


 


 


 槍使いの男は星花を見る。


 


 


 そして笑った。


 


 


「なるほどな」


 


 


「ここが噂の庭か」


 


 


 ユイは呆然とする。


 


 


 気付けば周りに。


 


 


 騎士。

 魔導士。

 双剣使い。

 弓使い。

 槍使い。


 


 


 強そうなプレイヤーばかりが集まっていた。


 


 


 ガルドが笑う。


 


 


「いいじゃん!」


 


 


「ここ!」


 


 


 槍使い――バルクも頷いた。


 


 


「悪くない」


 


 


 そしてレオンが言った。


 


 


「決まりだな」


 


 


「え?」


 


 


 レオンは星花を見て言う。


 


 


「この庭」


 


 


 そしてユイを見た。


 


 


「俺たちの拠点にしよう」


 


 


「えぇぇ!?」


 


 


 ユイは完全に混乱していた。


 


 


 でも。


 


 


 星の花は静かに光っている。


 


 


 その小さな庭に――


 


 


 少しずつ。


 


 


仲間が集まり始めていた。


 


 


 そして。


 


 


 まだ知らない。


 


 


 この庭に。


 


 


あと6人の守護騎士が集まることを。


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