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戦えない庭師ですが、星の花のバフが強すぎて最強プレイヤー10人に守られることになりました 〜星詠みの庭師と10人の守護騎士〜  作者: あめとおと


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第4話 掲示板がざわつく庭


 草原の中央。


 小さな星の庭には、今――


 二本の星花が咲いていた。


 きらきらと星屑のような光を放つ、不思議な植物。

 その周囲には柔らかな光が漂い、空気まで澄んでいるように感じる。


 


《星花の祝福》

《星花の祝福》


 


 二つ並んだバフアイコンを見ながら、レオンが呟いた。


 


「……やっぱり重なってるな」


 


 カイルは腕を組んで星花を眺めている。


 


「完全にスタックしてる」


 


「スタック?」


 


 ユイが首を傾げる。


 


「同じ効果が重なるって意味」


 


 カイルはさらっと説明した。


 


「つまり」


 


 星花を指差す。


 


「これが十本あったら、バフも十個になる」


 


「じゅ、十個!?」


 


 ユイの声が裏返った。


 


「そんな……」


 


「ゲームバランス壊れるな」


 


 レオンが苦笑する。


 


「たぶんな」


 


 カイルも同意した。


 


 


 ユイは、二人の会話を聞きながら星花を見つめた。


 


「そんなにすごいのかな……」


 


 自分にはまだ実感がない。


 ただ綺麗な花を植えただけ、という感覚だった。


 


 するとレオンが言った。


 


「ちょっと狩りしてくる」


 


「ここで?」


 


「バフの効果、試したい」


 


 レオンはそう言って、近くの森へ向かった。


 


 数分後。


 


 森の奥から――


 


 ズドン!!


 


 大きな音が響いた。


 


「早っ!?」


 


 ユイがびっくりする。


 


 すぐにレオンが戻ってきた。


 


「どうでした?」


 


「ダスクウルフ」


 


「え?」


 


「さっき倒したやつ」


 


 つまり、あの三メートルの狼。


 


「一発だった」


 


「えぇ!?」


 


 ユイは目を丸くする。


 


「二本でこれか……」


 


 レオンは星花を見た。


 


「十本あったら、ボス戦でも使える」


 


 


 そのときだった。


 


 カイルが急に空を見上げる。


 


「……来たな」


 


「え?」


 


 


 ユイの耳にも、遠くから声が聞こえてきた。


 


「こっちじゃないか?」


「いや、座標はこの辺だろ」


「バフ出てるぞ」


 


「えっ」


 


 ユイが慌てて振り向く。


 


 森の入口から――


 


 三人のプレイヤーが歩いてきた。


 


 軽装の剣士。


 弓使い。


 神官。


 


「いた」


 


 剣士が言った。


 


「レオンじゃん」


 


「ギルドチャット見て来た」


 


 弓使いも続く。


 


「何やってんの?」


 


 レオンはため息をついた。


 


「カイル」


 


「なに」


 


「お前だな」


 


 カイルは平然と言った。


 


「情報共有」


 


「掲示板に書いたのか!?」


 


「座標は書いてない」


 


「時間の問題だ!」


 


 


 ユイは混乱していた。


 


「掲示板……?」


 


 


 そのとき。


 


 カイルがウィンドウを開き、ユイに見せた。


 


 


《アストラル・ガーデン掲示板》


 


 


 そこには、今まさに書き込みが増えていた。


 


 


【スレ】謎のバフエリア発見


 


 


1:名無しプレイヤー

森の西で謎バフ


 


4:名無しプレイヤー

攻撃上がってる


 


7:名無しプレイヤー

なにこれ?


 


11:名無しプレイヤー

星花の祝福って出た


 


18:名無しプレイヤー

レオンいるってマジ?


 


 


「……」


 


 ユイは固まった。


 


 


「え、えぇぇ……」


 


 


 カイルが言う。


 


 


「もうバレてる」


 


 


 レオンが頭を抱えた。


 


 


「お前……」


 


 


 そのとき。


 


 


「うおっ」


 


 剣士が驚いた声を出す。


 


「これか」


 


 


 星花を見ていた。


 


 


「なんだこの花」


 


 


 弓使いもしゃがみ込む。


 


 


「綺麗だな」


 


 


 神官はバフアイコンを見て目を見開いた。


 


 


「ちょっと待って」


 


 


「これ」


 


 


「二重バフなんだけど」


 


 


「……」


 


「……」


 


「……」


 


 


 三人が同時にレオンを見る。


 


 


「お前の?」


 


 


「違う」


 


 


 レオンはユイを指差した。


 


 


「この子」


 


 


「え?」


 


 


 三人の視線が一斉にユイへ向く。


 


 


「初心者?」


 


 


「はい……」


 


 


「レベル1?」


 


 


「はい……」


 


 


 沈黙。


 


 


 そして剣士が笑った。


 


 


「面白いじゃん」


 


 


 弓使いも頷く。


 


 


「この庭、拠点にする?」


 


 


 神官が言う。


 


 


「回復も楽になりそう」


 


 


 レオンはため息をついた。


 


 


「ほらな」


 


 


 カイルに言う。


 


 


「こうなる」


 


 


 カイルは肩をすくめた。


 


 


「いいじゃん」


 


 


 そしてユイを見る。


 


 


「庭師」


 


 


「は、はい」


 


 


「これから忙しくなるよ」


 


 


「え?」


 


 


 カイルは空を見上げた。


 


 


 遠くの森の向こう。


 


 ちらほらとプレイヤーが見える。


 


 


「掲示板は広まるの早い」


 


 


 そして言った。


 


 


「この庭」


 


 


「たぶん今日中に」


 


 


 少し笑う。


 


 


「人だらけになる」


 


 


 


 星花が光る。


 


 


 その小さな庭は。


 


 


 今まさに。


 


 


プレイヤーたちの注目を集め始めていた。


 


 


 そして。


 


 


 ここに――


 


 


10人の守護騎士が集まる日も、そう遠くない。


 


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