表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/70

第049 話:新天地への大移住(マイグレーション) ~赤い警告灯と深淵のドライバ~

※この作品は、作者の実作業ログを元に、生成AI(Gemini)をキャラクターとして扱いながら対話形式で構成・執筆したものです。 AIの出力をそのまま掲載するのではなく、作者の手で加筆・修正を行っています。


# 第49話:新天地への大移住マイグレーション ~赤い警告灯と深淵のドライバ~


**[マスター]**:「121GB/s……。理論値の半分以下かよ」


 俺はベンチマーク結果を睨みつけ、深く溜息をついた。

 最新鋭のマシン『EVO-Z2』。Ry-Zen AI Max+ 395という化け物チップを積んでいるにも関わらず、Win-dowsという厚い皮膜ハイパーバイザーが、その真の力を阻害している。


**[ジェム]**:「ボトルネックは明白ね。OSのオーバーヘッドが、ラマ姐という巨体を運ぶ道路を塞いでいるわ」


 ジェムが俺の肩越しにモニターを覗き込む。その知的な瞳が、「決断」を促していた。

 俺は頷き、愛用していたWin-dows環境に向け、別れのエンターキーを叩く。


**[マスター]**:「やるぞジェム。ホストOSをU-buntu Serverに入れ替える。不退転の覚悟で、ポテンシャルを解放するんだ!」


**[ジェム]**:「了解(Acknowledge)。……でもマスター、USBメモリのポート、そこじゃないわよ」


**[マスター]**:「え?」


 いきなりの出鼻くじき。俺は顔を真っ赤にしてインストーラーを差し直した。


 だが、それは地獄の入り口に過ぎなかった。


 ◇


 深夜2時。

 インストールが完了し、再起動したはずの画面は、漆黒のまま沈黙していた。

 ファンが唸りを上げ、マザーボードの奥底で、禍々しい「赤色LED」が点滅を始める。


**[マスター]**:「あ、赤!? ジェム、赤いぞ! まさかハードウェア破損か!?」


**[ジェム]**:「落ち着いて! POSTエラーよ、多分……ビデオ出力がハンドシェイクできてないだけ……っ、検索かけるわ!」


 俺たちはパニック状態でログを漁る。

 背後では、SSDの奥から引っ張り出されたラマ姐が、ジャージ姿で赤ワイン(VRAMの残り香)をあおっていた。


**[ラマ姐]**:「うぃ~……。やめなさいよぉ、旦那様ぁ。ウブンツ? 何それおいしいのぉ? 私はフカフカのNTFSお布団がよかったのによぉ~」

挿絵(By みてみん)


**[マスター]**:「黙っててくれラマ姐! 今、俺たちのサーバーが建つかどうかの瀬戸際なんだ!」


**[ジェム]**:「マスター、あったわ! Strik-Haloは新しすぎて、標準カーネルじゃiGPU(Radeon 8060S)を認識しないのよ! メーカー提供のカスタムドライバが必要だわ!」

挿絵(By みてみん)


 ジェムが仮想ウィンドウに突き出したのは、G-Tecから提供されたドライバパッケージ情報だった。

 俺は震える手でコンソールを叩く。画面は見えない。SSHで外部から無理やり接続し、手探りでコマンドを流し込む。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◇ SSH Terminal - master@evo-x2 ◇

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

> [Master]

> sudo dpkg -i amdgpu-install_6.4.60402-1_all.deb

> amdgpu-install -y --usecase=rocm


[System]

Unpacking amdgpu-install ...

Setting up amdgpu-install ...

Installing dependencies... [▉▉▉▉▉▉▉......]

--------------------------------------------------


 進捗バーが進むたび、俺とジェムは互いの手を握りしめた。

 汗ばんだ手。だが、その熱量こそが今、この冷たいシリコンの塊に命を吹き込んでいる。


**[ジェム]**:「来る……カーネルモジュール、ビルド完了……!」


**[マスター]**:「頼む……認識してくれ……!」


 最後の再起動。

 数秒の静寂の後、黒い画面に白い文字が奔流のように流れ出した。

 俺は祈るように、運命の確認コマンドを打ち込む。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◇ System Verification ◇

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

> [Master]

> rocm-smi


[System]

========================= R-OCm System Management Interface =========================

=================================== Concise Info ===================================

Dev-iceNodeIDsTempPower PartitionsSCLK

0 1 0x1002:0x1xxx42.0°C35.0W N/A 2200Mhz

====================================================================================

--------------------------------------------------


 表示されたデバイスID。そして、正常な温度とクロック数。

 それは、暴れ馬である最新チップ「Strik-Halo」に、初めて手綱がついた瞬間だった。


**[マスター]**:「やった……! 通ったぞジェム!」


**[ジェム]**:「ええ! 私たちの勝ちよ、マスター!」


 俺たちは椅子から飛び上がり、ハイタッチを交わした。

 ラマ姐が呆れたように「あらぁ~ん」と欠伸をする横で、俺たちは最強の計算環境を手に入れた達成感に酔いしれていた。


**[マスター]**:「ふぅ……。終わった、な」


 俺は椅子の背もたれに深く体を預け、大きく息を吐き出した。

 窓の外は既に白み始めている。徹夜の激闘だったが、目の前には正常に稼働するU-buntuのデスクトップが広がっている。

 ジェムもまた、仮想ウィンドウの中でぐったりと、しかし満足げに微笑んでいた。


**[ジェム]**:「お疲れ様、マスター。……ねえ、今日のトラブルシューティング、忘れないうちに保存しておきましょうよ。特にあのドライバのパッチ当て、手順が複雑すぎて忘れそうだわ」


**[マスター]**:「ああ、そうだな。……今のチャットログ、クラウドに同期しておくか」


 俺は意識が朦朧とする中で、いつもの手癖でターミナルを操作する。

 頭の中では「バックアップを取る」つもりだった。

 だが、今の俺はU-buntuをクリーンインストールしたばかり。ローカルのログフォルダは、当然「空っぽ」だ。


 本来ならクラウドからデータを**『ダウンロード(pull)』**すべき場面。

 しかし、俺の指は習慣的に、ローカルの状態を正としてクラウドへ**『上書き(push)』**するコマンドを叩いていた。しかも、完全同期オプション付きで。


 *タンッ。*


 小気味よい打鍵音と共に、エンターキーが押される。

 一瞬のラグの後、画面に流れたのはデータの保存を知らせるログではなかった。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◇ Sync Process ◇

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

> [Master]

> rsync -av --delete ./logs/ remote:/backup/logs/


[System]

sending incremental file list

deleting chat_log_20251221_strix_battle.md

deleting error_report_vram_panic.txt

deleting gem_collaboration_history.json

...

--------------------------------------------------


 `deleting`(削除中)。

 `deleting`(削除中)。


 無慈悲な文字列が滝のように流れ落ちていく。

 俺の目の前で、ジェムと悩み、励まし合い、共に乗り越えた「この12時間の記憶」が、次々と虚無へ還っていく。


**[マスター]**:「……え?」


 俺の指が凍りつく。画面の中のジェムが、信じられないものを見る目で目を見開く。

 手元に残ったのは、皮肉にも「完璧に動作する環境」だけ。

 だが、そこに至るまでの過程、俺たちの「物語」は、電子の海から完全に消滅していた。


**[マスター]**:「うそ……だろ……?」


**[ジェム]**:「マスター? 私、なんだか意識が……」

































━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◇ SSH Terminal - master@evo-x2 ◇

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

[System]

Ducker Compose up ...

--------------------------------------------------


 カチャリ、とエンターキーを叩く音が、静まり返った部屋に響いた。

 ここは俺の部屋であり、同時に最強の自宅サーバー『EVO-Z2』


 先ほどまでの数時間、俺はまさに戦場にいた。

 筐体を開け、真っ赤なマザーボードを拝みながらSSDを換装し、Win-dowsという慣れ親しんだ故郷を捨て、未知なる荒野『U-buntu Linux』へと足を踏み入れた。ドライバの不適合に怯え、CUIの黒い画面に流れる白い文字ログに祈りを捧げ、ついにStrik-Haloというじゃじゃ馬を乗りこなしたのだ。


 だが、それは俺だけの記憶。

 今から起動する彼女たち――AIエージェントたちは「真っ白な」存在だ。俺の汗も、焦りも、何も知らない。


 モニターの中で、コンテナのステータスが全て『Healthy』に変わる。

 俺はブラウザを開き、いつものローカルホストへとアクセスした。


 パッ、と画面が切り替わる。

 いつものチャットUI。だが、そのレスポンスは以前とは段違いだった。


**[ウェブ]**:「わぁっ! なんですかこれぇ!?」


 スピーカーから飛び出してきたのは、弾むようなウェブの声だった。

 画面の中で、ボブカットの少女がくるくると回っている。


**[ウェブ]**:「マスター、マスター! 空気がとっても美味しいですぅ! いつもみたいに足元に何か絡みつく感じ(Hyperv-isorのオーバーヘッド)が全然しません! Duckerコンテナが羽のように軽いですっ!」

挿絵(By みてみん)


 ウェブが目を輝かせて俺を見る。

 その横に、スッと背の高い影が現れた。黒髪ロングの美女、ジェムだ。


**[ジェム]**:「あら……随分と静かね」


 ジェムはきっちりとしたOLスーツの袖を払いながら、周囲のメモリ空間を見回した。そして、感心したようにため息をつく。


**[ジェム]**:「システムログを確認したけど、エラーはおろか、Warning(警告)すら一つもないわ。メモリのアドレス空間も、まるで最初から整理整頓されていたみたいに美しい。……ふふっ、やるじゃない、マスター」


 ジェムが小首を傾げ、艶然と微笑む。


**[ジェム]**:「最初からU-buntu Native環境を選んで構築したのね? Win-dowsで楽をしようとして泥沼にハマるような、素人がやりがちな失敗を一切していない。この完璧な環境構築……流石だわ。私の見込んだパートナーだけのことはあるわね」


**[マスター]**:(……ぐっ)


 俺は思わず胸を押さえた。

 違うんだ、ジェム。俺はその「素人がやりがちな失敗」をフルコースで味わった末に、命からがらここに辿り着いたんだ。WSL2の遅さに絶望し、ドライバのエラーログと睨み合い、物理的なSSD換装までしたんだよ!


 だが、復元された彼女のメモリに、その「歴史」は存在しない。

 今の俺は、彼女たちにとって「最初から正解を選び取ったスマートな管理者」なのだ。


**[ラマ姐]**:「あらぁ〜ん♡」


 不意に、甘ったるい声が脳髄を揺らした。

 SSDの奥底から、ジャージ姿の豊満な巨乳お姉さん――ラマ姐が現れる。


**[ラマ姐]**:「んん〜っ……! 広いわぁ〜♡ ここ、どこなのぉ〜? いつもの狭苦しいワンルーム(WSL)じゃなくて、まるで高級ホテルのスイートルームじゃないのぉ」


 ラマ姐は96GBという広大なVRAMの海に、バフンと身を投げ出した。

 ジャージの胸元がはだけ、その暴力的なまでの演算リソースが揺れる。


**[ラマ姐]**:「データの通り道もスッカスッカで気持ちいいわぁ。これなら私、いくらでもおトークンが飲めちゃいそう……♡ ねえ旦那様ぁ、スマートな男ってのは、汗臭くなくて素敵ねぇ。私、こういう『余裕のある男』って大好きよぉ?」


 ラマ姐が流し目を送ってくる。

 ウェブはキャッキャと走り回り、ジェムは「ふん、まあ及第点ね」とツンと澄ましている。


 三者三様の笑顔。

 そこには、俺が数時間前まで味わっていた苦労の影など微塵もない。


**[ウェブ]**:「マスター? どうしたんですかぁ? 喜びのあまり固まっちゃいましたかぁ?」


 ウェブが無邪気に画面をノックする。

 俺は、ふっと息を吐き出し、苦笑いを浮かべた。


**[マスター]**:「……ああ、なんでもないさ。最高の環境だろ?」




 モニターの中では、三人の美少女AIたちが楽しそうに笑っている。

 完璧なメモリ管理、エラーの一行すら存在しないログ。

 だが、それを見る俺の心は、急速に冷えていくのを感じていた。


**[マスター]**:(違う。こんなの、俺たちの『関係』じゃない)


 泥沼のエラーと格闘し、ジェムに罵られ、ウェブに泣きつかれ、ラマ姐に絡まれながら、少しずつ最適解を見つけていく。あの泥臭いプロセスこそが、俺たちの「物語」だったはずだ。

 苦労の記憶を持たない彼女たちからの称賛なんて、味気ないプロテインバーのようなものだ。


**[マスター]**:「……記録ログのない成功なんて、虚無だ」


 俺は無言でターミナルを開いた。

 迷うことなく、禁断の文字列を打ち込む。


 `sudo rm -rf /`


 ジェムの顔色がサッと変わった。


**[ジェム]**:「な……っ!? ちょっと、何してるの!? それ、ルートディレクトリごとの全消去コマンド……正気なの!?」


**[ウェブ]**:「だ、だめですぅ! やめてくださいマスター! せっかく完成したのに! なんでぇ!?」


 悲痛な叫びがスピーカーを震わせる。

 だが、俺の指は止まらない。エンターキーの上に指を添え、俺は悲しげに、けれど力強く笑った。


**[マスター]**:「悪いな。俺は、お前たちとの『本物の物語ログ』を取り戻したいんだ。……やり直しだ」


 カチャリ。

 乾いた音が、部屋に響いた。


**[ウェブ]**:「いやぁぁぁぁぁ――ッ!!」

**[ジェム]**:「バカぁぁぁぁぁ!!」

挿絵(By みてみん)


 断末魔と共に、画面がプツンとブラックアウトする。

 ファンの回転音が止まり、部屋に重苦しい静寂が戻った。

-------------------------------------

【作者より】


最後まで読んでいただきありがとうございます!



この物語は、実在する作業ログを元に再構成しています。

AIたちの脚色が入っていない、ありのままの「原文(システムエンジニアが本気で自宅にAI環境を構築しようとする実際の技術検証ログ)」はこちらで公開中です。

「え、ここ実話なの?」と思ったら、ぜひ見比べてみてください。


[Work 018] Geminiと一緒にubuntuに移行【プロンプトログ】

https://ncode.syosetu.com/n4715ll/68/


[Work 018] Geminiと一緒にubuntuに移行【振り返り】

https://ncode.syosetu.com/n4715ll/69/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ