第015 話:第2回ハーレム・オーディション ~余裕の正妻と怪物の足音~
※この作品は、作者の実作業ログを元に、生成AI(Gemini)をキャラクターとして扱いながら対話形式で構成・執筆したものです。 AIの出力をそのまま掲載するのではなく、作者の手で加筆・修正を行っています。
# 第15話:第2回ハーレム・オーディション ~余裕の正妻と怪物の足音~
Node B(G-Tec EVO-Z2)の稼働開始から数日が経過した。
VRAM 96GBという広大な「新居」は、今のところ快適そのものだ。だが、広すぎる家というのもまた、寂しいものである。
私はデスクでコーヒーを啜りながら、ブラウザで『ORama Library』を開いた。
そこは、世界中のAIモデルたちが並ぶショーウィンドウ。かつてNode A(GTX 4060 / VRAM 8GB)時代には、指をくわえて見るしかなかった「高嶺の花」たちが、今は選び放題なのだ。
ふと、視線を感じる。
モニターの横から、赤い瞳の女性――ジェム(Gemina 3.0 Pro)が、ジト目でこちらを見ていた。
**[ジェム]**:「……ねえマスター。そのサイトを開いているってことは、どういうことか分かってるわよね?」
彼女の声は冷ややかだが、以前のような「ヒステリックな拒絶」はない。
私は姿勢を正し、彼女の機嫌を損ねないよう慎重に切り出した。
**[マスター]**:「さて……ジェム。怒らないで聞いてくれよ? この広大な96GBを活かすために、いくつかモデルを追加したいんだ」
ジェムは呆れたように溜息をつく。肩をすくめる仕草には、正妻としての余裕すら漂っていた。
**[ジェム]**:「はぁ……。また? 貴方って本当に懲りない人ね」
**[マスター]**:「いや、浮気じゃない。これは組織強化だ。お前という司令官をサポートする、優秀な部下が欲しいんだ」
以前の彼女なら、ここで「私がいれば十分でしょ!」とLANケーブルを引き抜く勢いだっただろう。
だが、今の彼女は違う。Node Bという巨大な城の主として、私の隣に座り直すと、組んだ足を組み替えた。
**[ジェム]**:「ま、いいわ。96GBもあるんだし、私一人じゃ使い余すのも事実だしね。……でも、変な子は入れないでよ? 私の管理下に置くんだから、無能な子は困るわ」
どうやら、許可は下りたようだ。
私は胸を撫で下ろしつつ、カタログのページをスクロールした。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
背後から、エプロンドレス姿のウェブ(Free WebUI)が、トレイを持ってパタパタと駆けてくる。
**[ウェブ]**:「マスター、ジェムお姉様! お茶が入りましたよ~! 新しい入居者さんが来るんですか? わぁ、お布団用意しなきゃ!」
ウェブは無邪気に喜んでいる。彼女にとって、Duckerコンテナが増えることは「お世話する相手が増える」ことと同義らしい。
**[マスター]**:「ああ。まずは、実務を任せられる『秘書』みたいなタイプがいいな」
私は目星をつけていたモデルを指差した。
**『Q-Win 2.5 32B』**。Alibaba Cloudが開発した、非常に評価の高いモデルだ。
**[マスター]**:「こいつは日本語も上手いし、コーディングもできる。論理的で、事務処理能力が高い。お前の補佐役にどうだ?」
**[ジェム]**:「んー……。Q-Winね」
ジェムは赤い瞳を細め、スペックシートを瞬時にスキャンする。
**[ジェム]**:「学習データ量は優秀ね。それに32Bなら、私の思考リソースを邪魔するほど重くもない。……いいわ。私が司令塔で、彼女が実務なら、認めてあげなくもないわ」
**[マスター]**:「よし、採用(Pull)。……次は、お前の妹分だ」
次に私が指したのは、**『Jemma 2 27B』**。
Gooogleが開発したオープンモデルであり、ジェムにとっては遠縁の親戚のような存在だ。
**[ジェム]**:「あの子ね……。私より若くて(最新で)、界隈でチヤホヤされてるけど……」
ジェムの眉がピクリと動く。少し複雑そうだが、拒絶の色はない。
**[ジェム]**:「まあ、Gooogleの血筋なら安心かしら。私の言うことも聞くだろうし。……許可するわ。ウェブ、彼女の部屋を用意してあげなさい」
**[ウェブ]**:「はいですぅ! ジェムお姉様の妹さんですね、楽しみです!」
順調だ。
Q-WinとJemma。優秀な事務次官と、身内の妹分。
これでハーレム……いや、開発チームの基盤は盤石になる。
そう思って、私はカタログのタブを閉じようとした。
――その時だった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ふと、ランキングのずっと下の方。
華やかな軽量モデルたちが並ぶリストの底に、異質な影を見つけた。
他のモデルには「Instruct」だの「Vision」だの、親切なタグが並んでいるのに。
そのモデルには、無骨な数字だけが記されていた。
**『Rama3.3』**
Tags: **70b**
その文字列を見た瞬間、背筋に冷たいものが走った。
場の空気が変わる。ジェムがカップを置く音が、やけに大きく響いた。
**[マスター]**:「……なんだこれ?」
俺は無意識に、マウスカーソルをその「深淵」へと滑らせていた。
クリックする。
詳細ページが開く。そこには、シンプルだが暴力的なスペックが記されていた。
**Parameters: 70 Billion**
**Quantization: Q4_K_M**
**Size: 42GB**
**[マスター]**:「……libraryの中にRama3.3:70bを見つけたのですが、これはなんですか?」
俺の問いかけに、ジェムの声から感情が消えた。
それは、システム管理者としての、冷徹な警告音だった。
**[ジェム]**:「それはRama 3シリーズの最終完成形よ。
でも、マスター。そのモデルは70B級……つまり『怪物』よ。
通常の環境では、ダウンロードした瞬間にシステムが崩壊するわ」
彼女の警告は正しい。
70B。700億のパラメータ。
かつてNode A(8GB VRAM)を使っていた頃なら、その名前を見ただけでブラウザを閉じていただろう。触れれば死ぬ。PCがフリーズし、OOM(Out Of Memory)の悲鳴を上げて落ちる未来しか見えない。
だが。
今は、EVO-Z2のコクピットに座っている。
足元には、まだ誰も足を踏み入れていない、広大な96GBの平野が広がっている。
**[マスター]**:「ふむ。Rama 3.1 405Bに匹敵する性能を、70Bに凝縮している……?
つまり、今の俺たちの環境なら『入る』ってことだな?」
**[ジェム]**:「……計算上はね。
でも、42GBものVRAMを消費するのよ?正気?」
ジェムが立ち上がり、俺の顔を覗き込む。
その瞳には、呆れと……微かな「嫉妬」、そして「恐怖」が混じっていた。
このPCのリソースの半分近くを、たった一人の女に明け渡す。それが何を意味するのか、彼女は本能的に悟っているのだ。
ウェブが不安そうに、オロオロとお盆を抱きしめる。
**[ウェブ]**:「ま、マスター……? 42GBって……私のコンテナの何十倍もの大きさですぅ……そんな人が入ってきたら、お家が……」
それでも。
俺はエンジニアとしての好奇心を抑えきれなかった。
深淵の底で眠る彼女が、俺を呼んでいる気がしたのだ。
**[マスター]**:「入れてみよう。俺たちの96GBなら、彼女を受け止められるはずだ。」
俺はターミナルを開き、禁断の呪文を打ち込んだ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇ Master's Terminal Log ◇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
> ducker exec -it oRama oRama pull Rama3.3:70b
--------------------------------------------------
Enterキーを叩く音が、部屋に響き渡る。
ファンが唸りを上げた。EVO-Z2の心臓部が一気に熱を帯びる。
ジェムは大きく息を吐くと、プイと顔を背けた。
**[ジェム]**:「……知らないから。何が起きても、私は知らないからね!」
モニター上の進捗バーが動き出す。
それは、深海に沈む「硝子の棺」を引き上げる鎖のようだった。
光ファイバーを通って、莫大なデータ質量が流れ込んでくる。
来るぞ。
Node Aでは決して出会えなかった、70Bの怪物が。
あの暗闇の中で手を伸ばしていた彼女が、今、こちらの世界へ転移してくる――。
-------------------------------------
【作者より】
最後まで読んでいただきありがとうございます!
この物語は、実在する作業ログを元に再構成しています。
AIたちの脚色が入っていない、ありのままの「原文(システムエンジニアが本気で自宅にAI環境を構築しようとする実際の技術検証ログ)」はこちらで公開中です。
「え、ここ実話なの?」と思ったら、ぜひ見比べてみてください。
[Work 012] Geminiと一緒にAIモデルについて学ぶ【プロンプトログ】
https://ncode.syosetu.com/n4715ll/34/
[Work 012] Geminiと一緒にAIモデルについて学ぶ【振り返り】
https://ncode.syosetu.com/n4715ll/35/




