空を見上げる理由

世界に“翼”を持つ種族と持たぬ者が共存する時代。
空への恐怖を抱える少女・セラは、過去の記憶を失ったまま、
傭兵ギルド《鋼薔薇の猟犬》に所属し、地上での日々を送っていた。

ある日、新たに派遣されたバディ──
冷静沈着で感情を見せない青年・シラノスと組むことになったセラ。
彼は“銀の死神”と呼ばれた伝説の元傭兵でありながら、今は過去を語らず静かに暮らしている。

共に任務をこなすうち、セラは少しずつ空への恐怖を克服し、
同時に心の奥に眠る記憶と、“あの日の声”を思い出していく。

一方、シラノスもまたセラの無垢さに心を揺らし、
かつて空で失った“何か”を取り戻そうとしていた。
しかし、二人を取り巻くのは平穏ばかりではなかった。
ギルドに届く不穏な依頼、過去の魔獣事件、そしてシラノスの元仲間《ヴェスパー》の影──

すれ違いと葛藤を乗り越え、交わされる想い。

「空が怖い？ じゃあ俺が隣で飛べばいい」

かつて空を見上げることすらできなかった少女が、
“空を愛した青年”と出会い、羽ばたきを選ぶ物語。

──これは、空を怖れた少女と、
空にすべてを捧げた青年の、再生と恋の物語。

ハーピー男子×鳥嫌いな女の子の物語
鳥好きさんや異種族好きさん！いらっしゃぁい！