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1、まさか異世界!

 僕が目を覚ますと、何かがいつもと違っていた。


(あれ?)


 ベッドは真っ白でふかふか、部屋は大きくなっているし、窓から見えるのは線路ではなく木だった。きっと寝ぼけているのだろう。昨日も寝たのは遅かった。


 目をこすりながら、体を起こしていると、何か違和感を感じた。その時、頭の中に音が響いた。


『アチーブメントを達成しました』


(え、アチーブメント?)


 今日はどうしてしまったのだろうか。いつもと何かが違う。僕が戸惑っていると、更にその音が響いてきた。


『アチーブメント一覧を開きますか?』


 アチーブメント一覧......まあ、これを開かないと先に進めないのだろう。


「うん、お願い」


 僕がそう言った瞬間、目の前に何かが出てきた。ちょうどノートくらいの大きさで青色の何かが。


 よく漫画に出てくる能力のステータス表みたいな感じだった。まあ、そんなはずは無いのだが。


 そこには文字が書いてあった。見たことない文字だが読める。昔から知っていて使っていたかのように、すいすい読める。


「アチーブメント......」


 その下の行を読むと、『異世界生活の始まり:達成』と書いてある。その下には、『異世界で目を覚ましてから1分経つ。』と書いてある。こっちは達成条件ということだろうか。


 それにしても、こんなに現実味のある夢を見るとは。折角だから楽しむことにしよう。そう思ったが、


 『達成』という部分だけ、周りより光っている。ここを押してくれと言わんばかりに。それなら押すしかないだろう。


『報酬を受け取りますか?』


 報酬......まあ、貰えるものは貰っておこう。何かの役に立つかもしれないし。それに、夢は大体こういうタイミングで目が覚める。


「うん、受け取るよ」


 僕の布団の上に、本が現れた。今更驚くことじゃないよな。こういう夢だったら普通のことだよな。


 それにきっと、こういう夢なら本を開けたら現実に戻るはず。


 恐怖と期待を感じつつ、入門者用魔導書と書かれている本を開けた。本を開いても、何も起きない。いたって普通の朝のままだ。


 本はさっきのアチーブメントと同様に読める。というか、いつの間にかアチーブメント一覧が消えている。何か嫌な予感がする。


『アチーブメントを達成しました』


 僕が本を読み終えると同時に、その音が頭に響いた。あれ、おかしい。読み始めてから2時間は経っている。あれ、夢ってこんなに長かったけ?


「アチーブメント一覧、オープン」


 また青色の能力のステータス表みたいなのが出てきた。次は何だ。


「魔法の心得」


 今度は魔法の心得を達成したらしい。条件は魔導書を読むこと。


 まあ、結構よくできた夢だな。こんな長い間、現実味のある夢を見たのは初めてだよ。本当にすごいな、この夢。夢を見るのも楽しいけど、早く終わらないかな、この夢。もう十分なんだけどな、この夢。


「もう、いいや」


 僕がもう面倒くさくなって、ベッドに大の字になって倒れたその時、バタンと部屋のドアが開いた。


「ルイ様、朝ですよ」


「え、誰?」


 僕の口から今まで話したことのない言語が出てきた。これも驚きだが、もっと驚きなのは目の前にいるメイドさんである。


 確か、僕の家にいる女の子は、アニメのアクリルスタンドだけなのだが。何か嫌な予感がする。僕の知らないところで、とんでもないことが起きている気がする。


「ご存じの通り、エドガー伯爵様にお仕えしているメイドのフィリアです。突然、いかがなさいましたか?」


「いや、何でもないよ」


「では、鏡の前にどうぞ」


「うん、分かった」


 ベッドから下りて、置いてあった靴を履いた。


 あれ、何かおかしい。いつもとどこかが違った。


 メイドさんがいる方に歩いている間も、だんだんと違和感が募っていった。


「さすが、ルイ様。今日もかっこいいです」


「うん、ありが......えっ!」


 鏡の映っていたのは僕ではなかった。髪は茶色だし、目の色も違うし、何より子供だった。


 あれ、夢の中って自分の見た目も変わるんだっけ?


 恐る恐る自分の頬を引っ張ってみると、普通に痛かった。ということは、つまり。


「ルイ様?」


「......」


「ルイ様!」


「あ、ごめん。ちょっと考え事してた」


「そうでしたか」


 自分の置かれている状況が分かった。


 僕は異世界に来てしまったのだろう。このルイ君の体に乗り移ってしまったのだろう。


 さっき読んだ魔導書に書いてあった。ここは魔法や魔物がある世界だと。そして、この世界ではとても魔法が重要だとも書いてあった。


 僕は魔法の前に、この世界の僕について色々知らなければならないだろう。だって、急に性格が変わったら、絶対に怪しまれるに決まってる。


「では着替えをしてから参りましょうか。エドガー伯爵様がお呼びです」


「うん、分かった」


 僕の父さんがエドガー伯爵か。公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の順だから、それなりに偉いのだろう。


 良い人だといいな。


 さすが父さんが伯爵なだけあって、立派な廊下だった。床にはきれいな絨毯、壁にも良い感じの模様、窓から見える庭も線対称になっている。


 メイドさんは食堂と書かれたドアの前で止まった。


 朝食を食べながら、父さんと話す感じなのだろう。初めて会うこの世界の家族はどんな人たちだろうか?できれば優しい人だといいな。


まだ初心者で改善点があると思うので、なにかあれば感想で教えていただけると助かります。


もし面白いなと思っていただけたなら、ポイントやリアクションもお願いします。


ぜひ他の作品も読んでみてください。

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