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海の事は漁師に問え

今日も変わらずカエルムとフセルと特訓である。

いつもの場所に行くとカエルムだけがいた。


「おはようございます。今日フセルはいないんですか?」

「おはよう!フセルは今日別の用事があって来れないらしい。」

「へぇ~、そうなんですね。」


そんな日もあるんだ。用事って何だろ。


「ところでヒイラギ昨日短剣の素振りはできたか?」

「それが……」

「その様子じゃ上手くいかなかったんだろ?」

「はい……」


上手くいかなかったどころではない。

どうしていいか分からなかった。

短剣よりも長い剣なら剣道みたいな素振りをすればいいんだろうけど、短剣はよく分からない。

そもそも、初めて剣を持ったんだ分かる訳ない。


「やっぱりな。いや、俺も昨日あのまま帰しちまって悪かったな。お前の短剣の師匠には今日必ず広場に来いって言ってあるから今日は会えるし、ちゃんと教えてもらえると思う。」

「師匠…ですか。よかった。」


今日はちゃんと教えてもらえるみたいでよかった。


「なんなら今日少し早めに行ってみるか?あいつ、他のやつと関わるの嫌いだからな。他のやつらがあまり来ていない時に広場に来てるかもしれない。」


人嫌いなのかな?いや…


「その人は他のみんなから嫌われているんですか?」

「いや?むしろ慕われてると思うぜ。短剣でここまでの使い手はいないし、アドバイスも的確だからな。あいつはこの村の外から来たやつでな、ここに来るまでまぁ、いろいろあったらしい。」


濁された。

いろいろあって他人と関わろうとしなくなった。

何処かで聞いたことがある話だ。

というか、このむらの外にも獣人っているんだな。


「早く会ってみたいです。」

「おし!じゃあ今日もさっさと始めるか!」


その後カエルムに見事にやられてしまいボロボロになってしまった。

そしていつもより早く切り上げて広場に向かった。



広場に着くとすでに誰かがいた。

きっと私の剣の師匠になる人だろう。

その人以外他には誰もいない。流石に早すぎたのだろうか。

私はカエルムに続いてその人に近付いていった。


「スナル、朝から悪いな。」


声を掛けられたスナルという人はこちらを向いたが、目が隠れるくらい髪が伸びていて表情がよく分からなかった。


「まったく。呼んでおいて待たせるとは相変わらずだな。」


おぉ、私好みの低音ボイス!

声フィルターで顔分からないけど、イケメンに見えてきた。


「お前がいつ来るかなんて予想できねえんだからいいだろー。それより、今日からヒイラギを頼むな。」

「よろ…」

「その事だが、俺には出来ない。」


せめて挨拶くらいさせてくれよ。


「俺は他人と関わりたくないんだ。例え以前知り合いだったとしてもな。ヒイラギ、今のお前は前の記憶が無いんだろう?俺のことも覚えていないのだろう?」

「あっ、はい。死ぬ前の記憶はありません。すみません、スナルさんのことも覚えていません。」

「つまり初対面と変わらないわけだ。それに短剣の戦い方なら俺以外にもいるだろう。」

「まぁ、短剣を使って戦う奴なら他にもいるが、お前の右に出る奴はいないだろ?」

「……」


否定しないんだな。


「そんなに嫌か?」

「嫌だ。」


こうもハッキリ言われると流石に傷付く。

泣いてもいいですか?


「じゃあずっととは言わねぇ。2ヶ月だけでいい。ヒイラギに教えてやってくれねぇか?」

「2ヶ月?」

「あぁ。1ヶ月だと。流石にヒイラギもしんどいだろ。」


カエルムさん、2ヶ月もしんどいです。


「でも、3ヶ月以上だとお前が嫌だろ?」

「まぁ、そうだな。」

「だから間をとって2か月だ!!(ドヤッ」


いや、ドヤ顔されても。


「分かった」


え?


「じゃあ2ヶ月だ。それ以上はやらない。」

「決まりだな」

「ほんとにいいんですか?」


あ、思わず聞いてしまった。


「あぁ。これ以上何を言っても無駄だしな、諦める。」

「ありがとうございます。」

「その代わり2ヶ月だけだ。お前がどれだけ上達しようが上達しなかろうが、2ヶ月で俺はお前に教えるのをやめる。いいな?」

「はい。よろしくお願いします!」


と元気良く返事をしたものの、2ヶ月耐えれるのだろうか。不安でしかない。

魔法の条件もクリアしないといけないのに。

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