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大人は、面倒臭い生き物ですね  作者: くろうさぎ
3/7

貴方がみた海は、綺麗でしたか?

主人公、小谷(おたに) 千紘(ちひろ)

病院の先生、石田(いしだ) 真衣(まい)に出会いハーブティーを飲んだ。

思っていたより、喉が渇いていたみたい。

私は、ゴクゴクと音を鳴らすことも気を止めない。

全て飲み切ってしまった。


『口に合ったようで良かったです』

『おかわりはどうですか』

石田先生は、微笑みながら私をみていた。


『ありがとうございます。』

『いただきます』

私は、視線を下げながらもコップを手渡す。


石田先生は、わかりましたとコップを受け取り、ハーブティーを入れ渡してくれる。

私が受け取ると、彼女はベットの近くに椅子を持って来て座る。


『大分、落ち着かれたかなと思うですけど…』

『いくつか質問しても大丈夫ですか?』


目線を合わせながら語りかける。

私は、頷いた。

彼女は、私の返事を見た後ゆっくり質問を始める。


小谷(おたに)さんは、海で男の子に話しかけられたあと、体調が悪くなり』

『気を失ってしまった。と聞きましたが合ってますか?』


私は、はいと頷く。

『では、貴方は何故。海に行こと思いましたか?』


………。何も言えない。


部屋に置いてある。時計の音が鳴り響く。

時間がゆっくり流れている気がする。

長い長い沈黙。

気まずい空間がそこに合った。


石田先生は、自身のコップを持ち飲み物を飲む

机に、置かれたコップの音に急かされているよな感覚になる。


何故だろう。視界が歪む。

ポタポタ落ちていく。止まらない。

何で泣いているか私には理解できなかった。


空気を吐く音がする


小谷(おたに)さん、この島はヨリ島という』

『海や自然が美しい場所って言われてるのを知っていますか?』


私は、彼女の言葉に疑問が浮かぶ。


『しかも、一部には有名なパワースポットと名高い島なんですよ』


なにを言っているんだろ?私にどう答えて欲しいの?分からない。


小谷(おたに)さん、この島の海綺麗でしたか?』




『わかりません…』私は、彼女の顔を見る事が出来ない。



小谷(おたに)さんは、この島にどれくらい滞在する予定ですか?』


私は、ハッと目を開く。

滞在…。滞在するつもりは無かった。

衝動のままにここに来たから、特に考えても無かった。


『時間がたっぷりあるのでしたら、ゆっくり島を歩いてみませんか?』

『勿体無いと思いますよ。だって有名のパワースポットなんですから』


私は、彼女の顔を覗くと微笑まれた。


パチパチと瞼が動く。動揺しているのかよく分からない。

ただ困惑に感情の置き場が見当たらなかった。



コンコン 部屋の扉の音が響く。


『はーい。今行きますね』

小谷(おたに)さん、ちょっと失礼しますね』


そう言うと、扉の方へ歩き出す。

取り残された私は、まだ残ってるハーブティーを口に含むしかできなかった。










景色なんて、ずっと見てなかった気がする。

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