初めて飲んだハーブティー
主人公、小谷 千尋
急激なストレスにより気を失ってしまった。
目覚めたら、ベットの上…。
『知らない天井ってこんな感じなんだ』
私は、何してんだろ。
全て終わろうとして、少年に怒られた挙句…気を失うなんて…。
20代後半になろうとしてるのに未熟なままだ。
ああ。消えたかったのはずなのにこんなにも…
怖かったんだ。
周りの音が鮮明に聞こえる。
まるで空間を切り取られたみたい。
空気が揺れて煩い。
人の足音が近づいてくる。煩い。煩い。気持ち悪い。
私は、布団で頭を覆い隠し耳を塞ぎ縮こまる。
カーテンが開く音が響く。
椅子に座る音が聞こえる。
呼吸の音、心臓がバクバク鳴り響く。
『大丈夫です。ゆっくり呼吸してください』
声が響く…
『辛かったら、目を閉じて力を抜いてください』
力を抜くって何…
『ゆっくりで良いです。握りしめてる手を開いてください』
開く…
『落ち着いたら、手をさすってみてください』
『体温が下がっていると思うので、温めるように』
周りの音が徐々に、おさまって来た気がする。
『呼吸が安定して来ましたね』
『私とお話しできますか?』
優しい声色で、語りかけてくる。
私は、ゆっくり布団から顔を出し話しかけてくる人物をみた。
『はじめまて、私の名前は石田 真衣と言います』
『この病院の先生をやっています』
優しい笑顔をした女性だった。
『…私は、小谷 千紘です』
『ご迷惑おかけしました…』
私は、恥ずかしさと申し訳なさに顔を背けてしまった。
『大丈夫ですよ。お怪我とか無いみたいで安心しました。』
『喉が渇いていると思って、飲み物を持って来ましたが飲みますか?』
彼女の手には、二つのコップを持っていた。
『いただきます』と受け取ると良い香りが漂う。
飲んでみると、初めて飲む味がした。
私の表情をみて、彼女は少し申し訳なさそうに
『もしかして、苦手な味でしたか?』と聞いて来た。
『いいえ!違います。美味しいです』
食い気味に返事をしてしまい。少し驚かしてしまった。
『よかった。これはハーブティーのレモンバームと言うモノで』
『落ち着きたいときや、疲れた時に飲むと良いと言われている品物なんです』
初めて飲んだハーブティーは、優しい味がした気がした。
ハーブティーは、優しい味がした。
(レモンバームは実際にあるので興味があったら飲んでみてください)