領主の話
ミゲルさんと二人で、街の奥にある領主の屋敷に着いた。
門番に来訪の目的を告げ、武器は持って入れないと言われ、持って無いと答えると、迎えが来るまでここに居ろと、言われて待つことにした。
しばらくして執事さんが「よくおいでくださいました。主が楽しみにしておりました。どうぞ私の後に付いて来てください。」
「「丁寧なお出迎えありがとうございます。」」
扉を開けると、椅子に座っている領主がいた。
「「領主様お呼びにより参上致しました、よろしくお願い致します。」」と言い平伏した。
「私は、ここアルスの領主をしている、ナッシュ・ド・クリッパー・アルス男爵である、こちらが妻のソフィアだ、そして長男のエドワード今年で17才になる。長女のアメリア13才で、次女のエミリー8才だ。
二人共、素晴らしい品々を゙持っていると聞いて呼んだのだ。楽にしてこちらの椅子に掛けなさい。」
「「ありがとうございます。お言葉に甘えて座らせていただきます。」」
「「本日は私どもから献上したい物を持ってきております。お許しいただければ献上させていただきます。」」
「それは楽しみだな、何を持ってきたのだ?見せてくれ。」
「それでは私、ミゲルからガラス製の茶器セットでございます。」
「これは美しいな!これは飾り物か?」
「これは、実用品でございます。」
「続きまして私、シゲルからはダージリンという高級茶葉と美味しい紅茶の入れ方を書いた冊子と、お茶受けにクッキーを持ってきております。」
「リシルお茶を入れて来てくれ。」
「かしこまりました、ご主人様。」
「後、奥様が当店のシャンプー、リンスをご愛用と、伺いましたので高級シャンプー、リンス、ヘアパックの、ヘアケアと肌がツルツルになるボディソープとボディクリームです。使えば違いが分かると思いますので、ぜひ、お試しください。」
「さっそく、今日から使ってみるわ、ところで使った事の無いヘアパックとボディクリームは、どうやって使うのかしら?」
「まず、ヘアパックは週に一度リンスの代わりに髪に馴染ませ少し待ってから流してください。髪のハリやツヤが普段より感じられると思います。又、ボディクリームは、タオルで体を拭いて少し水分が有るうちに全身に延ばすように塗ってください。肌が見違えるように瑞々しくなるでしょう。」
「使ってみるわ!どんなに変わるか楽しみね。ところで、これが無くなって買うとしたらいくらなの?」
「セットで金貨3枚、30000ペソです。」
「使って良かったら今度はこれにするわ。」
子供達が物欲しそうに見ている。やばい・・・何も無い。期待している目を裏切れない、しょうがないGODショッピングで探した。
長男には、ボールペンと替芯、リーズリーフ100枚✕3とバインダーのセット
長女には、人造ダイヤを散りばめたバレッタと、女の子らしいデイパック
次女には、大きなミッキーマウスのぬいぐるみと、クレヨンとらくがき帳のセット
各自使い方を゙引取りに教えたら喜んでくれた。
ただし、次女よ、余計なところにお絵かきするんじゃないぞ!
そうこうしてるうちに、お茶とクッキーが出て来た。
「うまいお茶だな!」
「ええ!香りがふくよかで、美味しいですわ。」
長女「このクッキー美味しいねー!こんな美味しいお菓子初めて食べた!」
次女「おいしー!」
「今日は、いろいろいただいて、ありがとう。そしてクローバー商会のシゲルよ、お前は、ミゲル商会と同じ様に、我が家の御用商人にする。帰りに鑑札を持って帰る様に。鑑札は、店の目立つ所に掲げる様に。」
「「本日はお招きいただきまして誠にありがとうございます。それでは、失礼致します。」」
*****帰り道*****
「よく家族の分まで用意していたな。」
「奥様の分はうちの商品を気に入ってると聞いてたからな、子供達の分は物欲しそうな目に耐えられなくて収納を漁って出したんだ。気に入ってくれてホッとしてるよ。」
「私も、奥様達に何か届けた方が良いかな?」
「物によるだろ、胡椒や調度品なんかは、領主様の家族に贈る物では無いだろう。領主家にとって、良いものを贈った方が良いと思うな。」
「そうだな、領主様は、余計な物は受け取らない方だし、贈り物で競っても意味がないしな。」
「そうだよ、肩が凝るから、二度と貴族の屋敷に行きたくないな。」
「多分無理だな!」
「はあ~、俺も無理な様な気がするよ。」
「それでわ、ここでお別れですね。さようなら!」
「こちらこそ、さようなら!」