大天使デイジー様が降臨しましたパート12(その32)
悪役令嬢は、主人公を溺愛します
(その31とその32とその33は、同じ時間軸です)
~その32~
大天使デイジー様が降臨しましたパート12
(リコリスの専属メイドのセキチク・ペレスの視点です)
私は、リコリスが産まれた時から遣えさせてもらっていました。
だからリコリス様は、妹のような娘のような大切な存在です。
でもそんな時にある事を聞かされました。
私がお城の廊下を歩いていると部屋から話し声が聞こえてきました。
私は、部屋の話し声が気になり扉に耳をつけました。
「作戦は、順調みたいだな」
声の口調からしてゴーラム公爵の声だと理解しました。
「ああ、このままバジルには、消えてもらいます。
そしてリコリスが王位を継いでこちらの準備が終わったらそのうちリコリスにも消えてもらいます。
その変わりに約束通りに全てが終わったら俺を騎士団団長にしてくださいよ。
まったく女の癖に騎士団団長何て生意気なのですよ!
奴にもそのまま消えてもらいます!」
声の口調からして騎士団副団長セダム様の声だと理解しました。
「えっ……?セダム様とゴーラム公爵様がバジル様とリコリス様とイジュ様を亡き者にする……?
そ、そんなこのままでは、リコリス様が殺されるのですか!?
ど、どうしたら良いのですか……?」
私は、このままでは、リコリス様が殺されるって思い冷や汗を出しました。
でもただのメイドの私に何もできなくて辛そうに俯きました。
「セキチクさん、どうかしましたか?
何か悩み事があるのでしたら僕で宜しければ相談にのりますよ」
新人の騎士のコハコベさんが私を心配して話し掛けました。
(コハコベさんは、確か新人の騎士でしたよね。
正義感が強くてリコリス様を凄く大切にしていましたよね。
でももしもリコリス様の敵になるような方でしたらかえってリコリス様を危険にします……
でも私には、他には頼れる人がいません……)
「あ、あの、コハカベさんは、リコリス様の為に死ねる覚悟は、ありますか?」
私は、コハカベさんが信用できるのか不安で遠回しに思いを確認しました。
「リコリス様の為にですか?
それは、愚問の質問ですね。
僕は、昔にリコリス様に助けてもらったのですよ。
それから僕の命は、リコリス様の物です。
リコリス様の為に死ねるのは、当たり前です」
コハカベさんは、真剣な表情で私を見つめました。
「そうですか……
それならば夜に私の部屋に来てください。
そこでお話をします」
私は、コハカベさんを信用ができると思いました。
だからリコリス様の事を話す覚悟をしました。
「かなり込み入った話みたいですね……
解りました。
夜にセキチクさんの部屋にうかがわせてもらいます」
コハカベさんは、口元を押さえて少しだけ考え込み直ぐに私を真剣な表情で見つめました。
そして軽く頭を下げて去って行きました。
そしてその夜にコハカベさんが私の部屋に来るのを待ちました。
そして部屋のドアを叩く音が聞こえてきました。
「僕です。
コハカベです。
誰にも気が付かれないように訪れました。
ですから安心をして下さい」
部屋のドアの向こうからコハカベさんの声が聞こえて来ました。
「っ!?
コハカベさん、お待ちしていました」
私は、慌てて部屋のドアを開けてコハカベさんを部屋の中に招き入れました。
「……そ、その……」
私は、なかなかリコリス様の事を相談できずに言葉を濁しました。
「……大丈夫ですよ。
何が合ってもセキチクさんの味方です。
ですから安心をしてください」
コハカベさんは、私を安心をさせるように優しく微笑みました。
「は、はい……
じ、実は、セダム様とゴーラム公爵様がリコリス様達を殺そうとしていました……
リコリス様を助けたいのにどうしたら良いのか解りません……」
私は、辛そうに俯きました。
「セダム様とゴーラム公爵様がですか……
やっぱりその企みをしていたのですね……」
コハカベさんは、口元を押さえて深刻そうに俯きました。
「えっ……?
コハカベさんは、知っていたのですか……?」
私は、コハカベさんがセダム様とゴーラム公爵様の事を知っているのを驚きました。
「はい、セダム副団長達が何かリコリス様の事で悪巧みをしているのを知っていました。
何なのか解りませんでした……
でもまさかそこまでとは、思いませんでした……
それならばリコリス様をバジル様が入学しているフォーチュン学園に避難させた方が良いかも知れませんね。
フォーチュン学園ならば簡単には、リコリス様に手が出せないはずです。
幸いに来週の日曜日にセダム様とゴーラム公爵様がお城を留守にして兵士も遠征で少なくなるはずです。
その時にリコリス様をお城から連れ出してバジル様のいるフォーチュン学園に向かいましょう。
それでどうですか?」
コハカベさんは、口元を押さえて考え込んで真剣な表情で私を見つめました。
「確かにバジル様の通っているフォーチュン学園では、安心できます……
でもコハカベさんは、宜しいのですか……?
リコリス様を一緒に連れ出すとコハカベさんにも危険がおよぶ事になりますよ」
私は、リコリス様を一緒に連れ出すとコハカベさんにも危険がおよぶと思い不安そうにコハカベさんを見つめました。
「リコリス様の為に命を使えるのでしたら本望です」
コハカベさんは、真剣な表情で私を見つめました。
瞳の眼差しからリコリス様を助ける意思の強さを感じました。
「ありがとうございます。
それでは、リコリス様を助けるのを手伝ってください」
私は、頭を下げてリコリス様を助ける手伝いをお願いしました。
「はい、もちろんです。
リコリス様を助けるのを任せてください」
コハカベさんは、右手で自分の胸を叩いて真剣な表情で私を見つめました。
そして来週の日曜日になりました。
セダム様とゴーラム公爵様と他の騎士達が城から出たのを見て作戦を実行する事にしました。
「あの、リコリス様、バジル様に会いたくないですか?」
私は、リコリス様の部屋に訪れるとリコリス様にバジル様に会わせてもらいたいか質問しました。
「えっ!?
ばじるおにいさまにあわせてくれるのですか!?(バジルお兄様に会わせてくれるのですか!?)」
リコリス様は、バジル様に会えるかもって思い嬉しそうにニッコリと笑いました。
「はい、バジル様に会わせてあげます。
ですから私に着いてきてください」
私は、優しく微笑んでバジル様に会わせるから着いてきてほしい事をお願いしました。
「は、はい、わかりました(は、はい、解りました)
せきちくについていきます(セキチクに着いていきます)
ばじるおにいさまにあわせてください(バジルお兄様に会わせてください)」
リコリス様は、真剣な表情で私を見つめました。
「はい、任せてください。
必ずバジル様に会わせます。
ですから安心をしてください」
私は、真剣な表情でリコリス様を見つめました。
私は、コハカベさんの助けがあってどうにかリコリス様をバジル様の通うフォーチュン学園の近くの街に連れて来る事ができました。
でも追ってのゴーラム公爵様の部下の騎士達に見つかりました。
「っ!?
逃げてください、リコリス様!?」
コハカベさんは、リコリス様を追って来た騎士達の前に立ちリコリス様を逃がしました。
さらにコハカベさんを追い抜いた騎士達が私達を追い掛けて来ました。
「に、逃げてください、リコリス様」
私は、リコリス様を助ける為に騎士達に体当たりをしました。
リコリス様は、慌てて逃げていきました。
私は、殴られて気を失いました。
気が付くと知らない小屋の中にいました。
そして近くにコハカベさんが倒れていました。
(私は、気を失っていたのですね……
リコリス様は、ちゃんと逃げれたのでしょうか……?)
小屋にセダム様とゴーラム公爵様が入って来ました。
「お前達、やってくれたな!
俺達を邪魔した女の事を教えろ!」
ゴーラム公爵様は、怒って私の首筋を掴みました。
(良かったです、リコリス様は、ちゃんと逃げれたのですね……
リコリス様を助けてくれた方に感謝してもしきれません……)
「知りません!
知っていてもリコリス様に危害を加えるような内容は、教えません!」
私は、リコリス様を危害を加えるのが許せなくてゴーラム公爵様を睨みました。
「威勢が良いことだ。
まあ、どうせ、バジルの所だろ。
まあ、良い。
今、この小屋のある魔の森に集めた魔物は、1万を越えている。
いくらフォーチュン学園の生徒と先生だと言ってもこの魔物の数を相手にはできないだろ。
その間にバジルを始末して後でリコリスの役目が終わったら後程リコリスも始末してやる」
ゴーラム公爵様は、上機嫌に高々笑いました。
でもいきなり魔の森全体が揺れました。
「な、何事だ!?」
ゴーラム公爵様は、緊急事態に慌てて大声を慌てました。
「大変です!
いきなり大量の隕石が降って来て魔物達が消滅しました!?」
騎士が小屋に入って来て魔物が消滅した事をしました。
「な、なんだと!?
まあ、良い。
まだリッチロードやゴーストキングやスケルトンドラゴンが残っているはずだ。
普通の魔法では、倒せないからな。
1体で国を滅ぼすほどの存在だ。
地獄を見る事ができるぞ」
ゴーラム公爵様は、楽しそうにニヤニヤと笑いました。
でも突然魔の森が黄金色に輝きました。
「今度は、何事だ!?」
ゴーラム公爵様は、黄金色の輝きに驚いて大声を出しました。
「大変です!
森が浄化されました!!
しかもリッチロードやゴーストキングやスケルトンドラゴンも全てのゴースト魔物が浄化されて消滅しました!!」
騎士が入って来て慌てて大声でリッチロード達が消滅した事を知らせました。
「な、なんだと!?
くっ、ここは、計画を練り直す方が良いな……
お前達には、ここで死んでもらう。
計画が駄目になった以上ここで生きていても邪魔になるだけだからな。
悪く思うなよ!」
ゴーラム公爵様は、私とコハカベさんを剣で斬りました。
「きゃーーー!?」
私は、ゴーラム公爵様に剣で斬られて悲鳴を出して血を流して倒れました。
「うわーー!?」
コハカベさんもゴーラム公爵様に剣で斬られて悲鳴を出して血を流して倒れました。
そして気を失っていくところに小屋の屋根から誰かが突っ込んで来て小屋が壊れたところで気を失いました。
~続く~




