私のスミレお姉様と可憐お姉ちゃん(その14)
悪役令嬢は、主人公ヒロインを溺愛します
~その14~
☆乙女ゲームの主人公サクラ・モスキート、または、前世の可憐の実の妹の杉並蜜柑の視点です☆
私とスミレお姉様は、フォーチュン学園の入学試験を受けて近くに街でフォーチュン学園の試験の結果が出るのを待つ事にしました。
でも知らない宿で1人部屋で寝るのは、心細かったです。
ですからスミレお姉様と一緒に寝てほしくてスミレお姉様の泊まっている宿の部屋のドアを叩きました。
するとスミレお姉様が宿の部屋から出てきました。
(っ!?
スミレお姉様のパジャマの姿が色っぽくて凄く綺麗です……)
私は、部屋から出てきたスミレお姉様のパジャマ姿が綺麗で胸がドキドキしました。
「あれ、サクラちゃん、どうかしましたか?」
私は、優しく微笑んできょとんと首を傾げました。
「あ、あの……眠れないです……
ですからスミレお姉様、一緒に寝てもらえませんか……?」
私は、スミレお姉様が私と一緒に寝るのが嫌で断られたらどうしようと思い不安そうに目をうるうるとうるわせて上目遣いでスミレお姉様を見つけました。
「し、仕方がありませんね。
今回だけですよ」
スミレお姉様は、慈愛を込めて優しく微笑んで私のお願いを聞いてくれる事を了承してくれました。
「本当ですか!?
えへへーー、ありがとうございます、スミレお姉様」
私は、スミレお姉様の気持ちが嬉しくてニコニコ笑顔で控え目にスミレお姉様に抱き着きました。
(スミレお姉様の体の温もりが暖かくて気持ちが良いです……
それにスミレお姉様から良い匂いがします……
はっ!?
だ、駄目です。
またこんな事を考えているってスミレお姉様にばれたら軽蔑されます!?
気をつけないといけません!?)
「もうサクラちゃんたらいきなり抱き着いたら危ないですよ」
スミレお姉様は、私に抱き着いたのを見て仕方がなさそうに苦笑いを浮かべて私を優しく抱き締め返してくれました。
「えへへーー……ごめんなさい、スミレお姉様……」
私は、悪戯っぽく微笑みました。
私とサクラちゃんは、しばらく抱き締めてゆっくりと離れました。
そして私とスミレお姉様は、スミレお姉様の宿の部屋に入りました。
「それでは、サクラちゃん、いらっしゃい」
スミレお姉様は、ベッドに入ると私に向かって手招きしました。
「は、はい、失礼します、スミレお姉様……」
私は、緊張しながらスミレお姉様のベッドに入りました。
スミレお姉様は、私がベッドに入ったのを見て私をベッドの布団で包み込みました。
「あ、あの、実は、こうしてスミレお姉様と一緒に寝るのが夢でした……
そんなのあつかましいですよね……」
私は、スミレお姉様にあんまりわがままを言うとスミレお姉様に嫌われるかもって思いつらそうに苦笑いを浮かべました。
「……何を言うんですか、妹は、姉に甘えるものですよ。
それに姉って生き物は、妹に甘えるのが凄く幸せなのですよ。
ですからどんどん私に甘えても良いのですよ」
私を抱き締めて私のおでこにキスをしてくれました。
「あっ……ありがとうございます、スミレお姉様」
私は、スミレお姉様におでこにキスをされて嬉しくてスミレお姉様を抱き締め返しました。
「眠れ~~眠れ~~私の愛しい子よ~~どんなことよりも護ってあげる~~安心を眠れよ、眠れ~~私の愛しい妹よ~~眠れ~~眠れ~~私の愛しい子よ~~」
スミレお姉様は、私の背中を撫でながら子守唄を歌いました。
私は、スミレお姉様の子守唄が遥か昔に聞いた気がして安心できて気がついたら寝ていました。
気がついたらこことは、違う場所にいました。
そう、これは、私が私になる前の遥か昔の蜜柑だった頃の出来事だと理解しました。
そう、あれは、怖い夢を見て1人で眠れなくて可憐お姉ちゃんの部屋に向かいました。
そして可憐お姉ちゃんの部屋のドアを叩きました。
「はーーい、あれ、蜜柑ちゃん、どうかしたの?」
可憐お姉ちゃんは、ドアを開けると私が立っているのに気がついて不思議そうに首を傾げました。
「あ、あの……怖い夢を見ました……
可憐お姉ちゃん、一緒に寝てもらえませんか……?」
私は、可憐お姉ちゃんに断られたらどうしようと思い不安そうに可憐お姉ちゃんを上目遣いで見つめました。
「構わないよ、蜜柑ちゃん。
さあ、部屋の中に入って、蜜柑ちゃん」
可憐お姉ちゃんは、私が部屋に訪ねたのが嬉しそうにニッコリと笑いました。
そして可憐お姉ちゃんは、私の肩を触り可憐お姉ちゃんの部屋に招き入れました。
「さあ、さあ、ベッドに入って、蜜柑ちゃん」
可憐お姉ちゃんは、私を可憐お姉ちゃんのベッドの前に連れてきてくれました。
「は、はい、失礼します、可憐お姉ちゃん」
私は、可憐お姉ちゃんのベッドに入るのが緊張しながらベッドの中に入りました。
私がベッドに入ったのを見て可憐お姉ちゃんもベッドに入りました。
「あ、あの、可憐お姉ちゃん、いきなり一緒に寝てくださいってありがとうございました……
そ、その、いきなり一緒に寝るのをお願いをするとは、迷惑でありませんでしたか……?」
私は、可憐お姉ちゃんが無理をして一緒に寝てくれるのでないかって思い不安そうに可憐お姉ちゃんを見つめました。
「何を言うの。
妹は、姉に甘えるものだよ。
それに姉は、妹に甘えられるのが嬉しい生き物なんだよ。
だからどんどん私に甘えてね。
この先も何十年もずっと私に甘えてね」
可憐お姉ちゃんは、優しく微笑んで私をぎゅって抱き締めてくれました。
「ありがとうございます、可憐お姉ちゃん……」
私は、可憐お姉ちゃんの気持ちが嬉しくて可憐お姉ちゃんを抱き締め返しました。
「眠れ~~眠れ~~私の愛しい子よ~~どんなことよりも護ってあげる~~安心を眠れよ、眠れ~~私の愛しい妹よ~~眠れ~~眠れ~~私の愛しい子よ~~」
可憐お姉ちゃんは、私の背中を撫でながら子守唄を歌いました。
私は、可憐お姉ちゃんの子守唄が気持ち良くて直ぐに眠りました。
私は、この先も可憐お姉ちゃんが私の側にいてくれるって思っていました。
でも可憐お姉ちゃんは、トラックに吹っ飛ばされて死んでしまいました。
「可憐お姉ちゃんの嘘つき……
この先、何十年も私の側にいてくれるのでは、ないのですか……?
可憐お姉ちゃんの嘘つき!
うわーーん、うわーーん……」
私は、可憐お姉ちゃんの葬式で可憐お姉ちゃんの前で大声を出して何回も泣きました。
「う……ん……私は、寝ていたのですね……
懐かしい夢を見ました……
スミレお姉様は、可憐お姉ちゃんと良く似ているのですよね。
スミレお姉様が可憐お姉ちゃんだと良いのですがそんな夢みたいな話がないですよね……
あれ、スミレお姉様がいません。
どうしたのでしょうか……?」
私は、目が覚ますとスミレお姉様がいないのに気がついてスミレお姉様を探して街に出掛けました。
スミレお姉様が建物の屋根の上に立っていました。
そしてスミレお姉様が魔法のレインボーショットを何者かに放ちました。
私は、直ぐに隠れている街の襲撃者に魔法を放ったのだと気がつきました。
フォーチュン学園の入学試験の後なのに街の襲撃者を撃退するだなんてスミレお姉様は、やっぱり素敵な方だと思いました。
私は、スミレお姉様の妹にふさわしい存在になりたいと思いました。
そしていつかスミレお姉様の恋人になれる存在になるのを頑張るって心に誓いました。
~続く~




