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八話 一章その一:五月病とは言わせないゾッ!前編

前回までの『おれ天』!!

叙々苑。

 怒涛の四月を乗り越えて、カレンダーは五月になった。

 五月の頭と言えば分かるだろう。

 新生活のオアシス。

 多くのニートが生まれる期間。

 そう、ゴールデンウィークだ。

 長台詞の得意な阿〇々木君なら巨乳の猫の委員長に出会っているのかもしれないが、あいにくと俺は神を引退したニート(高校生)だから何も問題ない。ただの休みだ。

 しかも、この一か月間が異例だっただけで、その『休み』もニートの俺にとっては日常みたいなもんだ。やっと普段の生活に戻れる、と言っても良いくらいだ。

 だが、ゴールデンウィーク突入の前日、俺の元に赤紙が届いた。


「諸君ッ! ゴールデンウィークと言えば、生徒会恒例の新歓合宿であル! これを機に親睦を深めようじゃあないカ」


 …………は?




 *

 というわけで、俺は今とある避暑地にいる。

 非常に遺憾である、と言わざる負えない。

 いや、皮肉ってことじゃあなくてさ。本当は行きたくなかったんだけど、仕方なく来てやった、連れてこられたってことさ。


『のっぴきならない用事が発生したため、合宿への参加が難しくなりました。悪しからず』


 と、遠回しに欠席を言ったつもりだった

 だが、オールナイトでゲームしていた俺のところに起き抜けのカナフが、


「テトッ! 行かないとはどういうことだ!? テトが来るって言うから私も了承したというのに!」


「いやいや、俺『行きたい』なんて言った覚えねぇし」


「そう照れるな。『参加が難しくなった』という表現は『本当は行きたいんだ』というメッセージだろう? 私なら分かる。なんせ、何千年も一緒に居たんだからな」


 堂々と読み違いすんな。

 しかも照れてねーし。

 いや、マジなとこ本当に行きたくないんだよな。


「ソースは?」


「なッ! 私の勘を信じないというのかッ!?」


「信じないも何も、当たった試しがないしな」


「ぐッ」


「どうせ誰かの入れ知恵なんだろ」


「バハッ!」


「それに…………」


「やめてくれ、テト。それ以上は私に効く」


「じゃあ、ソースは? 誰に吹き込まれたんだよ?」


 寝ぐせをぎこちなく弄りながら、


「た、小鳥遊ヴァリ」


 カナフはそう言った。

「やっぱりか」と俺は毒づいてゲームを続ける。

 続けたが、いきなり画面が暗転した。

 理由はすぐに分かった。

 カナフが、コンセントから引き抜いたゲームの電源を持っていたのだ。


「カナフさん、何やってんの!? P〇4が可哀想じゃんか!」


 オカン!

 精密機器クラッシャー!

 ○○○○○○ ○○○○○○(放送禁止用語)!

 あらん限りの罵倒を心の中に押し込んで俺は叫ぶ。


「もうお金は払っているんだッ! いかなければもったいないッ!」


 んなバカなことがあるか!

 カナフに連行される俺を、ナットは助けてはくれなかった。



「でも、そうでもしなきゃ来なかっただロ?」


 文句を言っている俺にヴァリはニヤニヤしながら言った。


「友達付き合いとかそんなの求めてないんだけどな、俺」


「そんなこと、あたしも分かっているヨ」


「じゃあなんで?」


「君、カナフと暮らしていることバレてるんだロ?」


「まぁな」


「しかも、君は学校で一番の嫌われ者ダ」


 ヴァリはシャーロック・ホームズよろしく俺の立場について述べてゆく。

 今まで特に市にしてはいなかったが、こうして他人に言われるときついとこあるな。

 こんなんじゃあ、引き篭もってた方がマシじゃあないか。

 ん?

 でも待てよ?

 美少女(中身ともかく)と暮らしてる=住所がバレていて。

 学校一の嫌われ者。

 そんで、今はゴールデンウィーク。


「あ…………」

「だロ? 実に簡単なことだったな、ワトソン君」


 つまり、今頃俺の家にはアンチたちが押し寄せているかもしれないわけだ。

 いや、俺は別に良いんだけれど。大きな問題になれば天界にはバレなくても、社会的に俺がつるし上げられるのは間違いない。それが間接的に悪い方向に行くかもしれない。

 まぁ何にしろ、俺がゴールデンウィーク中に家に居なければ、それで良いんだ。

 俺を何かしらの用事で呼び出せば、問題は何も起きないんだ。


「でも、それって俺の人権無視してんじゃん」


「仕方がないだロ」


 ヴァリは予想外の問いに笑いながら、続ける。


「君、人間じゃあないんだかラ」


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