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「な、なんだ!?!?」
屋内から聞こえる叫び声。パソコンの前に座った社員が一斉に轟音のなる方向を向く。
「何だ貴様ッ!!警察呼ぶぞ!?」
「俺は構わないが、それで困るのはアンタらじゃないの?」
「何!?」
社員の怒号を軽くあしらうように続ける。
「生体実験、違法物質の売買、その他にもいろいろやってるようだが、これがバレるとお終いだぜ?な、魔造生物開発局の皆さん」
「なっ!?」
途端に顔色を変える社員。どうやらビンゴのようだ。
「とりあえず、研究部屋まで案内してくれんかね。素直に案内してくれれば手荒いことはしねぇから」
「誰が貴様なんかに!ひっ捕らえろ!!」
その辺のパイプやら箒を手に、社員が迫って来る。
「やれやれ」
ポケットから球体を取り出し、ピンを抜く。
「それじゃ、手荒く行かせてもらいますよっと」
向かってくる社員の方へ、球体を投げる。当然避ける社員。そのまま球体は地面に落ち、
「ではごきげんよう」
ドオオォォォォン!!
発光とともに爆発した。
室内に煙が立ち込める。
(あとはこいつらの挙動から入り口を)
人間予想外のことが起こると動揺し行動に現れる。それを狙った煙幕。
予想通り社員二人が部屋の隅の本棚の方向へ駆ける。が、勿論煙幕により視界が悪いため、机やいすにぶつかり、転び、なかなかたどり着けない。
自分も本棚へ。少し押すだけでスライドする。
「意外とセキュリティ甘々かよ」
漫画やアニメで見かける隠し扉を発見。社員よりも先に中へ侵入。そのまま通路の先へと足を急がせる。