前世界との対話
ついに和馬がもどってきました!
あとすこし、説明っぽいのが続くと思います。
よろしくです!
初めましてだね、カエデ。」
「は、はい!初めまして、カエデといいます。えーっと自己紹介はいいんですが、これどうしましょう・・・。」
カエデが言っているのは、さっきからの3人とかを含む他の方々のことだろう。
「・・・どうしようかな。」
どう周りに話せば良いのかわからず、途方に暮れていると、助け舟がやってきた。
「カズマ殿、大丈夫でありますか?」
それは、この世界で一番最初にお世話になった、ワルド=エクセルその人だった。
「・・・はい。すみません。ちょっと物騒なことを口走ったりしてしまって。前の世界のことで色々ありまして・・・。」
「それは、仕方のないことです。もともとカズマ殿たちは私たちがこちらへ自分勝手に呼び出したのですから。それより、もう大丈夫なのですか?その、目の前から消したりするのは。」
「はい、すみませんでした。もう大丈夫です。」
「そうですか、では王よりこの世界についての説明がありますので、皆様に軽い自己紹介をしてくれると助かります。」
そういえば確かに僕はカエデとワルドさん以外誰も知らないな。ワルドさんはカエデに椅子まで戻るように促し、僕を王様の前まで連れて行き3人の隣に並ばせた。相変わらず3人は怯えていたけどね。そして僕に自己紹介をするように、と耳打ちしてきた。自己紹介って普通に名前言えばいいだけだよね・・・?
「え、えっと、月波和馬と申します。先程は取り乱してしまいすみませんでした。」
「うむ、私はブラッドだ。国王を務めている。それよりいきなり異世界へときたのだから取り乱すのも仕方あるまい。心配しなくても大丈夫だ。」
「そう言っていただけると助かります。」
良かったー。いきなり王様の目の前でこんなことを起こしたからてっきりなにかお咎めがあるもんだと思ってたよ。というかさっきから3人の目が痛い。いや、別にもう大丈夫なんだけど、さすがにこれからずっとこんな感じだとやっていきにくいからなー。
「王様、少しお時間をいただいてもよろしいですか?3人と話がしたいので。」
3人は僕の言葉を聞いた瞬間、顔を青ざめて王様へと期待の目を向けている。
「3人に危害は加えないのだな?」
「はい、加えないと誓います。」
ブラッドさんは僕に悪意がないことを確かめると護衛に僕と3人を別の部屋へと案内させた。その間3人は、ずっと顔を青くしていたけど。あと、その護衛さんは、さっき僕たちの間に入ってきた人だった。そういえばまだ、謝罪をしてなかった。
「さっきは、巻き込んでしまってすみません。」
「そんなことは気にしないが、できれば先ほどのような事がこれからはないようにしてほしいものだな。」
・・・・・・・・・・・怒ってますよね?
「はい。善処します。」
「あぁ。宜しく頼むよ。」
しばらく歩いて、僕たちは部屋の前まで来ていた。
「ここからは君たちの問題だ。」
「そんな!?」
護衛の女の人の言葉を聞いて3人はまた慌てだした。
「大丈夫だ。もし何かあったら呼んでくれたらいい。私なら外からでも充分に護ることができる。」
その言葉に納得したのかそれ以上は何も言わずに部屋に入っていった。
「君、ちょっと待ってくれ。」
「はい?」
急に呼ばれたらびっくりするじゃないか。
「くれぐれも変な気は起こすなよ・・・?」
ドンだけ信用されてないんだよ!!
「はい、分かってますよ。それじゃ、いってきますので。」
そして僕たちは4人だけで部屋の中にいた。3人は部屋の隅で、できるだけ僕に近づかないようにしていた。というかよく考えたら3人の名前を知らなかった。やっぱ自己紹介からはじめようか。
「えっと、知ってるとおもうけど僕は月波和馬って言います。あと、あなたたちの名前を知らないので教えてくれませんか?」
「・・・・・・お、俺は荒田圭祐だ。」
さすが男子だけある、といえば良いのかやはりそういう順番から始まった。
次は茶髪ショートカットのいかにもギャルっぽい女子。
「私は、西山雪乃よ。」
それ以上しゃべりたくないのかそれ以上は何もいわなかった。次は茶髪ロングのおとなしそうな子だ。「わ、私は、月宮、月宮葵、です。」
3人は僕を怖がりながらも、一方的に相手のことを知っているのも悪いと思ったのか、渋々ながら自己紹介をしてくれた。
ここで肝心なことを聞いておかなければならない。
「ねえ、君たちは僕のことをどう知ってるの?」
少し間が空いてから答えは返ってきた。
「・・・・・・俺が知っているのは楯突いてきた奴には容赦なく暴力を振るう。そしてそれは男女関係なく行われる。今までに病院送りになった奴は数え切れない。とか・・・かな。」
「・・・・・・私が聞いたのは、暴力の件と、野良猫とか野良犬とかの野生の動物とかを捕まえたりして、それを使っていろいろなひどい遊びをしてる・・・とかかしら。」
「・・・・・・わ、私はあまり聞いたりはないんですけど、道端で若い人たちに大声で怒鳴っているのをみたことがあるくらいです・・・。」
荒田、西山さん、月宮さんの順である。(女子は基本さん付けをする。
「えっとはじめに言っとくけど、荒田のは多分、前絡んできた不良たちがいたから無理やり追い返したってのだとおもうんだけど。もちろん「さっきみたいなの」になってたらそれ以上はわからないんだけど。あと、西山さんのは僕が捨て猫とかを家に連れて帰って看病してたからかな。最後の月宮さんだけど、それはあまり記憶にないんだよね。もしかしたら僕が悪かったかもしれないけど、もしかしたらその若い人たちが悪かったのかもしれない。だからそれについては僕は言い訳はできない。でも前の二つは今言ったとおり僕は悪いことをしたとは思ってないよ。」
「「「え?」」」
3人は何を言われたのか分からないような顔をしながらこちらをみてきた。
「え、じゃあ俺たちは今までそんな大したこともないような話を信じてびくびくしてたってわけか?」
「そういうことになるね。」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!私はその話を大分前から聞いてたわよ!?それを今更うわさでしたって言われて信じろっていうの!?」
「うわさなんて大抵そんなものだと思うよ?本人に確認なんてせずにどんどん広がっていく物だよ。」
結局、無理に信じろとは僕にはいえない。でも僕は、やってない。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
3人はまた黙ってしまった。これで誤解が解けなかったらもう打つ手はないなー、とかのんびり考え始めた時、
「実はさっきいったのには、続きがあるんです。」
その沈黙を破ったのは意外にもおとなしそうな月宮さんだった。
「続きって、なに?」
僕もその先のことは分からないので固唾を呑んでそれを聞く。
「私が見た時、確かに月波、さんは、大声で若い人たちに怒鳴っていました。だから私は月波さんのことを怖いな、と思ったんです。できるだけ早くその場から離れたくてそれ以上は何も見ないでそこから離れました。私は次の日同じところを通りかかりました。つい昨日のことだったのであまりいきたくなかったんですが、用事があって仕方なくそこを通ったんです。そしたら私は知らないお婆さんに声をかけられました。
「ちょっと、そこのお譲ちゃん、人を探してるんじゃが分からないかね?お譲ちゃんとおんなじくらいの年の男の子だったんじゃが。いやね?昨日ココを私が通った時、前から自転車に乗った集団がこっちに気づかんでそのままきたんじゃ。これはぶつかる!と思って身構えておったら全然振動がこんな、と思って目を開けたらそこには男の子が自転車と私の間に体を割り込ませて自転車を止めてくれたおった。この男の子が私が探している男の子なんじゃがその子は、自転車を止めたあと、それに乗ってた子達を大きな声で怒鳴ったんじゃ。「おまえら、わかってんのか!もう少しで事故起こしてたんだぞ!」ってな。それからしばらく説教をされてその子達は解放されたんじゃが、私がその男の子にお礼を言う前にその子はそそくさと帰ってしまったんじゃ。」と。私はその話を聞いていかに自分が愚かだったのかと思いました。しかし、同じ学校の人だと分かったと思ったら悪いうわさであふれていました。私は愚かにもまたそのうわさを信じてしまったんです。だから私はそんな愚かな真似は、もう二度と、したくないんです。荒田さん、西山さん、これが続きです。」
「「・・・・・・・・・・・・」」
他の二人はそれ黙って聞いていた。沈黙が1分くらい続いたところで、ソレは僕へと告げられた。
「すまない、君の事を誤解していた。許してもらえるとは思っていない。でも謝らずにはいられない。本当にすまなかった。」
「私も、あんたのこと誤解してたわ。それは、ごめん。」
「あ、私もすみません!月波さんのこと本当は知っていたのに、二度もこんなことしまって、すみません!」
「い、いや、僕もさっき怖い思いさせたりしたし、ごめん!」
みんなみんな、自分の非を認め謝罪していく。
「じゃあ、みんなおあいこということで、どうかな?」
これでは収拾がつかないと。荒田が案を出してくる。
「僕はそれで構わないよ。」
「私もいいわ。」
「わ、私も!」
「じゃあそういうことで。あ、あとこれから月波って呼んでいいかな?」
「僕は全然構わないよ。というかそっちのほうがうれしい。」
「じゃあ私もあんたのこと月波って呼ぶわ。」
「あ!すみません!許可も取らずに名前を呼んでしまって・・・」
「全然気にしてないよ。というか、僕も何気に呼んでたし。」
「うぅ。そういっていただけるとありがたいです。」
これが、『友達』ってやつなのかな・・・。
嫌いじゃないな、これが『友達』ってやつなら。
「じゃあそろそろ戻ろうか。皆心配してるだろうし」
「そうだね。」
荒田たちの誤解も取れたし安心したー。
「あ、そうだ。一ついっておかないといけないんだった。」
「「「?」」」
僕の言葉に皆こっちを振り返る。
「これからたくさん迷惑かけるかもしれないけど、どうかよろしく。」
皆は一瞬驚いたような顔をしていたけど、
「おう!こっちもよろしく!」
「言われなくてもそれぐらいしてあげるわよ。」
「は、はい!こちらこそお願いします!」
みんな一斉にこう言ってくれた。
そして僕たちは部屋から出るために扉を開けた。
すみません。投稿が少し遅れました。
これからは週に2~4回のペースで投稿していこうと思います!
これからも末永くお願いします。