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カズマとカエデ

カズマ視点にもどります。

「ぁあ?ここどこだ。和馬が今更眠るなんて何があったんだ?ってかここマジでどこなんだよ。なぁ?」

何かこっちを見ている女が居たので聞いてみることにした。

「え、えっと、ここはエルコル、ですね。」

「エルコル?そんなところあったか?外国か?まぁいいか。で、お前は?」

「私は、カナデ、といいます。」

カナデはそう答えると何か聞きたそうにこちらを見てきた。

「あー。俺は一応、カズマだ。」

すると、カナデは何かに納得していたようだが、今はそんなことどうでもいい。俺が聞きたいのはあとひとつだけだ。

「カナデ、お前か?お前がやったのか?」

「え、何をですか・・・?」

はぁ、こいつは白だな。じゃあやっぱりこいつらか。まぁ明らかにそうか。カナデに聞くまでもなかったな。そして俺は、3人に近づく。殺意をむき出しにしながら。

「おまえら・・・、死ぬか。」

しかし、俺が3人まであと少しというところで、なんか偉そうなオッサンの隣に居た奴が俺と3人の間に割り込んできた。

「おい、なんのつもりだ?巻き添えを食らっても知らないぞ?」

「あなたたちは、この世界にとって必要不可欠なんです。だからあなたたちがどんな関係なのかは知りませんが、ここは退いてくれませんか?」

「それは、無理な相談だな。こいつらを目の前から消さないと和馬は目を覚ましてくれないし、それ以前に俺が眠らない。」

「は?」

何を言っているのかわからないみたいな感じだな。まぁ俺には関係ないな。そして3人を目の前から消すためにまた一歩近づこうとするが、

「ま、待ってください!!」

それはその叫び声に阻まれる。

「なんだ?カナデ。」

その声の方へと顔を向けると、カナデがこちらへと走ってくる。

「姫様!?いけません!お戻りください!」

俺の前に立ちはだかっている女がそれを止めようとするも、カナデは俺の前までやってくる。

「なんだ?俺になんか用か?話はもう終わったはずだが。」

もう話すことなんてないはずだ。

「わ、私は、さっき、カズマさんのことを見ていました。そして気づきました。あなたは本当にカズマさんなんですか?」

「・・・・・・なにが言いたい?」

「私はただ、カズマさんに聞きたかったんです。どうしてあんな目をしているのか、と。そしたら変わってしまったんです。あなたと。」

カナデは何かを確信しているような表情をしながら俺に告げる。

「・・・・・・そうか。あいつと話そうとしていたのか。それならそいつらを消させてくれ。そしたら和馬は戻ってくるはずだ。」

「け、消す、とは・・・?」

「二度と俺の前に現れないようにするために、殺すんだよ。」

「ッ!?そこまでしないといけないものなんですか?それは。」

「あぁ、それは譲れないな。じゃないと俺は眠れない。和馬も起きてくれないだろう。」

そうだ、これは譲れないんだ。和馬のためにも。

「・・・あなたとカズマさんはどういう関係なんですか?」

カナデは神妙な面持ちで聞いてくる。

「俺は、和馬に憑いたんだ。何年も昔、和馬もまだ子供だった時に一目見た瞬間にこいつは異質だと思った。でもその時には俺にはその異質の正体がわからなかった。それからしばらく観察していてやっとそれが分かったんだ。こいつは、世界という存在に対して何も求めてないんだよ。親からは居ないように扱われ、周りからは化け物扱い。だから俺はこいつに憑いた。そして、しばらく和馬に憑いてからもうひとつ分かったことがある。」

「、それは・・・なんですか?」

「それは、さっき言った奴の付け加えだ。こいつは世界に何も求めていない。でもそれが始まりじゃなかったんだ。そう、こいつが求めないんじゃなくて、そもそも求められないんだよ。理由は簡単だ。世界が和馬を拒絶してんだよ。どこぞの神とやらが、こいつを異質だからと、世界からはじき出したんだよ。だから俺は、和馬の意識が途切れた時に、表の人格を借りて、その原因を抹消するようになったんだ。だからそこは、譲れない。」

そうだ、俺はあいつの過去を見てきた。子供の時から身の回りのことを自分でこなして、周りからの視線も気にしない。だからこいつが許容できない事態は俺が対処するんだ。

「で、でも、ここは前居た世界とは違う世界なんですよ?この世界なら、カズマさんは普通に周りと生活できるんじゃないんですか?」

「確かに、さっきからの話を聞いてると、ここは前の世界とは違うようだな。」

「じゃあ大丈「それならッ!和馬は今なんでこうなったんだ!?結局、前とかわらねぇ!和馬は今更世界に絶望したりしなかった!それなのに今、和馬は絶望している!和馬はその新しい世界とやらに期待していたんじゃないのか!!その結果がこれなんだよ!!」

俺はカナデの言葉を遮って大声で叫んだ。

「もう、遅いんだよ・・・・ッ!」

「遅くなんてありませんッ!!!」

「は?どこが遅くな「私が!!私が居ます!!!カズマさんには、私が居るんです!!世界が拒絶する!?そんなの私には関係ありません!!世界が拒絶するからって私まで拒絶するなんて思わないでください!!私はカズマさんと、話がしたいんです!!友達というものになってみたいんです!!!だって、初めてだったんです!!他人のことをもっと知りたいだなんて思ったの!!だから、戻ってきてください・・・・ッ!お願いします・・・・ッ!」

「すまないが、できなッ!?」

俺は始めてそこで自分の頬を涙が零れ落ちていることに気がついた。

「な、なんで、こんなこと(ねぇ。聞こえる?)・・・は?ッ和馬!?」

「え、カズマさん!?」

「和馬、起きたのか!?」

(うん、。今まで僕と一緒に居てくれたこと知ってたよ?色々ひどい事ばっか押し付けてごめんね。)

「知ってたのか。まぁ今はそんなことはいいけどな。

で、どうしたいんだ。和馬は?」

(僕は、賭けてみたい。カエデに、賭けてみたい・・・・。だめかな・・・?)

「いや、お前が決めたことならそれでいいよ。じゃあお前に返すわ、身体。」

(・・・ありがとう。そして、おやすみ、僕)

「おう、お休みだ、俺」


そこで俺、は意識を手放した。


そして僕は意識を取り戻した。



「初めましてだね。カエデ。」

読んでいただきありがとうございます!

やっと和馬が意識を取り戻しましたよー。

これからも投稿していきますー

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