第36話 ハルトとナツと
「――――失礼致します、お嬢様。
本日の昼食はベリーのフレンチトーストですわ」
「こんにちは、ローズ。
教えてくれてありがとう」
「本日は私が作りましたの。
お嬢様の分はベリー抜きで良いかしら?」
「え、それだとただのフレンチトーストじゃ……」
「ふふっ……冗談ですわ、ご安心くださいませ」
六月一日。
昨日の事を思い出していると、部屋にローズが入ってきて私に昼食の内容を伝えた。
昨日は、交流会の最終日。
双子が「帰りたくない」と駄々をこねて屋敷中を逃げ回っていたが、ノエルとシーヴァに捕まって半ば強制的に帰らされていた。
去り際、ノエルが私に「次は十月だから」と言っていた事が気になり、年間行事表を見てみると次の交流会は十月だと言うことが分かった。
……つまり、十月になったらまたノエルと一緒に寝るのだ。
「女の子だったらなぁ……」
「え?」
「……あ、ううん……独り言」
ローズが首を傾げながら、私を見つめる。
――そうだ、ローズにも変化があったんだ。
いや、ありすぎたんだ。
ジョーカーの言っていた通り、彼女は変わっていた。
先程のように冗談を交えた発言は多々あるが……私を始末したいという恨みや憎しみは一切感じない。
寧ろ、友達のような感覚で話しかけてくれる。
最初は少し疑ったりしたけれど、すぐに慣れてしまった。
結局、ローズがどうして私をあそこまで始末したいのかという理由は聞けなかったけれど……
今度こそ仲良くなれるかな?
「じゃあ、昼食を食べに行こうかな」
「ふふ、私もご一緒致しますわね♪
……あら……そうだわ、お嬢様に伝言がございますの」
「伝言?」
「えぇ、ハルト様とナツ様から伝言ですわ」
一人なら分かるけれど、二人からの伝言?
……どんな内容だろうか……全然予想がつかない。
「《今日の昼食後に美味しーかき氷の材料、俺達と一緒に買いに行こうよ☆》……以上です」
「俺達……じゃあ、ユキは?」
「ユキ様はこの季節になると、夜以外は滅多に部屋から出てきませんの。
暑いのと日差しが駄目みたいですね」
「……そう……」
「ふふふっ、伝言は伝えましたし……早く食べに行きましょう?
今日は特別に、昼食にピッタリな紅茶も淹れて差し上げますわ」
ハルトとナツと買い物。
……ユキは双子と遊んだ日以来、姿を見ていないので疑問に思っていたが……ただ単に暑いだけだったらしい。
確かに最近は暑い。
まだ六月に入ったばかりなのに、この暑さは辛い。
これからさらに暑くなっていくと思うと、ちょっと以上にため息が出てしまう。
ローズと一緒に部屋を出ながら、ふと窓の外を見る。
空は雲一つない、青空。
窓から見ただけでも、かなり暑そうだ。
――――熱中症だけは、気をつけなきゃ。
...to be continued...
……落ち、誰にしよう……((汗))
正直者は確定しているけど、落ちが決まっていないだなんて……
現時点だと、可能性があるのは《ユキ》《ノエル》《テトルフ》……それから《ナツ》もかな。
まだ先だけれど、いつかアンケートを取ってみようと思います。いつかですけれど。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました!!
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