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第7話 甘いお菓子と来訪者③(双子視点)

(双子/ライム視点)







 








 ――――――――すっごい楽しかった!!!



 僕とユウムはボスたちの《拠点》にある、僕達の部屋で二人仲良く駆け回る。



 どうして駆け回るかって?



 それはもちろん、今日『アスカおねーさん』という人に出会えたからだよ!!!


 可愛くって甘い匂いがするおねーさん!!


 僕、あのおねーさんが気に入っちゃった!!!!




 最初はあんなハゲ頭のボスになんて正直着いて行きたくなかったけど、あんな可愛いおねーさんが居るならまた行きたいなー!!!



 ユウムも僕の隣で幸せそうに笑ってる!!



 やっぱり僕達って同じなんだね!!!











「ねーねー、ユウム!!

 ボスに頼んで、これからもあの屋敷に行けるようにしてもらおうよ!!」



「賛成賛成ー!!

 僕、またあのおねーさんに会いたいと思ってたんだー!!」



「やっぱりやっぱり? 僕も同じこと考えてたんだー!!」





「「僕達って一緒だもんねー!!!!」」









 ほら、やっぱりユウムも同じことを考えてたよ!!


 きっと僕達がまた来たら、おねーさんも喜んでくれるよね?









「じゃあ早くボスのところに行こうよ!!」


「そうしよう!!

 ボスならきっと良いって言ってくれる!!!」





「「ボスの部屋にしゅっぱーつ!!!!」」







 そう叫んで、僕達は自分の部屋を飛び出してボスの部屋に向かった。



 たしか、今は取引相手とか来てないから……ボスは暇だよね!!暇人だよね!!










「ボースー!!

 聞いて聞いてー!!!」


「ボースー!!

 お願い事があるよー!!」




「……うっせぇ双子か…」









 僕達がボスの部屋の扉を蹴り破って中に入ると、ボスは悪趣味な絵画を眺めるのをやめて、あからさまに嫌そうな顔をしたよ!!



 正直、僕達だってボスみたいなハゲに会いたくない!!


 僕達はおねーさんに逢いたいんだっ!!!!



 ……あ、でも礼儀は、ちゃーんと守ってるよ?


 僕達はとっても優秀だから、扉はしっかり閉めるんだー。


 

 この前、開けっ放しで怒られちゃったから……学習能力って大事だよね!!!










「で? 何の用だ?」



「あのねあのねボス、次からあの屋敷に行くときには僕達を連れてってね!!」


「僕達、お留守番よりもあの屋敷に行きたいー!!」




「……はあ? なんでだ?」









 ボスが眉を顰めながら、僕達を見る。


 僕達は互いに顔を見合わせて、にっこりと笑う。







「「あの屋敷の可愛いおねーさんに会いに行くんだー!!」」





「…………却下」




「「えええええっ!!!??」」









 何で? 何で何で何で?


 何でボスは許可をしてくれないの?




 どうして? 何がいけないの?









「ボス、どうして!!?

 屋敷へ行くためなら、僕達ちゃんと働くよ!!?」



「もうサボらないよボス!!

 だから、お願い!!連れてって!!!」




「どうせ嘘なんだから駄目だっっ!!

 ほら、さっさと仕事に戻れ」










 横暴だ!!


 ボスの馬鹿っ!!ハゲ頭っっ!!!


 ……って、あれ?



 ボスの部屋から、甘い匂いがする……



 そう、おねーさんの匂い。



 ユウムもそれに気づいたのか、辺りを見渡して匂いの元を辿る。



 




 ――――――見つけた、ゴミ箱からだ。









「………ねえ、ボス? ゴミ箱にあるのって、もしかしてマフィン?」


「……マフィン? マフィン?」



「あ? まだ居たのか……そうだ、マフィンだ。

 話によると調理師が作ってねえらしいから危険だし、捨てた」




「「…………へえー、そうなんだー」」



「ああ、そうだっての。

 さっさと仕事戻らねえと減給にするからな」







 そう言ってボスは背を向けて……また、悪趣味な絵画を眺める。



 ………ボスってば、やっぱり馬鹿だよね?


 あのおねーさんが作ってくれたお菓子を捨てちゃうだなんて…











 許さない。


 絶対に許さないし、許されない。


 許しちゃいけない。


 

 許さない。


 許さない許さない許さない許さない。




 許さない許さない許さない許さない許さない許さない……






 おねーさんに会わせてくれないボスなんて……

















 死んじゃえばいい。












 ……えへへ、流石ユウム。



 考えることは同じなんだね?







 だって、僕達……



 同時に、腰のホルスターから拳銃を取り出したんだ。







 僕は頭を――――ユウムは心臓部に狙いを定める。



 二人で肩を並べ、僕達は対になるような体制。








 やっぱり、僕達って双子だね。


 これからもずっと、ずっと僕達は一緒。





 さあ、始めようか……せーのだなんて要らない。



 僕達に掛け声なんて、要らないんだ。








 そして、僕達は同時に引き金を引いた。



 ボスの汚い肉が飛び散り、紅色が部屋を染める。



 真っ赤で真っ赤で真っ赤……いつも見ている、素敵な色。







 ―――――これで、おねーさんに会える。



 ボス、自業自得だよ。



 おねーさんに会わせてくれないボスが悪い。








 ……さて、ここから先は僕達がいかに優秀なマフィアのメンバーかを見せつける時だよ。




 まず、窓ガラスを割ろう。


 ボスの見ていた、あの悪趣味な絵画で割ろう。





 ユウムが壁から絵画を取り外し、窓ガラスに向かって叩きつける。


 バリンッと大きな音を立て、窓ガラスは粉々に砕けた。



 そして僕はすぐに、ボスの部屋のドアを開け……






 大きな声で叫ぶ。










「大変だよ!!!ボスが……ボスが死んでる!!!!

 早く来て!!誰か、早く!!!」

















 ……その後ボスは、暗殺という形で処理された。


 犯人は窓ガラスを割って逃走。



 マフィアの世界じゃ、暗殺だなんて日常茶判事だから誰も気にしない。


 そして、次のボスはどうやら僕達に決まったらしい。



 まあ、当然だよね。


 だって皆弱いもん。



 僕達以上に強い子は、ここに居ない。





 つまり、もう誰にも咎められないってこと。




 これでおねーさんに会える……



 あ、でも、ちゃんと仕事もしなきゃね。


 ボスはでかいくせに使えなかったから。



 僕達が新しいボスになったからには、部下にそんな風に思われたくないし。






 うん、おねーさんに次逢える日が楽しみだなーっ!!






...to be continued...

……今日中に、双子の設定を公開しよう。


とりあえず、この双子は重症レベルのヤンデレです。ヤンデレ双子可愛い…



以上、ここまで読んで下さり、ありがとうございましたー!!!

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