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rm12 2015年プロ野球開幕について

 先週あたりから急に暖かくなったけど今日はまた寒さが戻った。一時期はもはやコートなど必要ないと言わんばかりの燦々たる太陽だったが今日は必要だなという事で、渡海雄と悠宇は少し薄いコートを羽織って街に繰り出していた。春休みだから、今日は久々に街をお散歩したいなと悠宇が渡海雄を誘ったのだ。


「ああ、桜もそろそろ咲く頃ね。こんなにつぼみが膨らんで」


「そうだね。でも桜だけじゃないよ。ほら、そこの芝生。枯れたように白い芝生の間から若々しい新しい芝生が少しだけ見え隠れするでしょ。こういうのが好きだな、いかにも春でエネルギーがあふれているみたい」


「そうね。八重桜みたいなのならもう咲いてるのもあるし、これからもっと春になっていくのよね。それにセンバツも始まったわ。一回戦だからか結構大差の付いた試合が多いのもいかにもセンバツよね」


「何? 二十一世紀枠が弱いって?」


「まだそこまでは言ってないわ。でも和歌山の桐蔭とか、正直強くはないけど相手もお付き合いしてくれたから結果的には競った、とまでは言わないもののワンサイドゲームにはならなかったじゃない。どこが優勝するかは知らないけど皆頑張ってほしいわね」


「それとプロ野球も今週の終わり頃には開幕になるんだねえ」


「そうね。昨日でちょうどオープン戦は終わったから、後は心身を整えて本番に臨む事になるわね。三月二十七日、ヤクルト戦から開幕よ」


「まあそれはいいとして、オープン戦の成績についてだけどさあ。率直に言って酷くない?」


「率直に言って酷いわ。オープン戦なので勝ち負けはそれほど関係ないと考える事も出来るけど、それにしても最下位はちょっとねえ。全体的には最初から勝つ気がなかったんじゃないかという采配もあったりまた別の所を見ていたような雰囲気もあるんだけど。そもそもファンとしては負ける姿より勝つ姿を見たほうが気分がいいのは当然だし、そういう意味でもきつかったね。全体的には打撃がどうもね、冴えないわ」


「やっぱり外国人に怪我が相次いでるのがまずいのかな。エルドレッドはしばらく出られないし、ロサリオもまだ復帰してない」


「今動けてるのは新外国人のグスマンだけだからまずいわね。これで長打が減少しているのは大きなマイナスよ。やっぱり枠以上に外国人雇っておいて正解だったみたいね。今のところはジョンソン、ヒース、ザガースキーと投手に三枠を使って野手はグスマンってなりそうね。オープン戦では最後になってそれなりに調子を上げてきたようにも見えるけど、正直どうなるかは読めないわ」


「それにしても新外国人に頼る部分が多いってのはきついね」


「ただ楽天に移籍したミコライオは全治三ヶ月とかなってるみたいだし、未知数とは言え試合で使えるならそっちのほうがよっぽどいいものだから。野手のスタメンは基本的にはキャッチャー會澤、ファーストグスマン、セカンド菊池、サード梵、ショート田中となってくるでしょうね」


「サードは梵なのか。堂林もせっかく結婚したのにあの程度で終わってしまうのはなあ」


「シーズンは長いからこれからが大事よ。堂林だって必ず必要とされる時期が来るはずだから、実力があるならそこで力を示せばいいのよ。例えばサード梵とは言ったものの、規定到達するかというとそれは年齢的にも肉体のコンディションを維持し続けるのが大変になってくるから難しいと見ているわ。まずここに隙間が生まれる。後はそこに入り込めるかよ。とにかく去年はメインとなるメンバーだけでなく控えの選手がよく働いてくれたから打線の数字も良くなったものだから、小窪とかね」


「木村とかもね。それと一応名前を出すと新井。結局離脱しちゃったね」


「新井も年齢が四十近いんだから無理は出来ないでしょうよ。そして外野は当然丸で、他がどうなるか」


「ルーキーの野間とかオープン戦では打撃で苦しんでいるように見えるけど」


「実力がないわけじゃないとは思うし、いつか出てくるはずと期待はしているけどそれが今年かどうかは未知数よね。まあルーキーにあんまり過大な期待するのもどうかと思うけど。まず松山は入ってきそうね。それと鈴木誠也が最初は基本になるかも。エルドレッドやロサリオが戻ってきたら一角は外国人が占める事になるのは間違いないでしょうけど、タイプとしては松山のほうにしわ寄せが来るでしょうし松山にとっては勝負よね」


「去年は三割台だったけどまだ信用されてないのかな。それと投手陣はどうだろう?」


「何と言うか、オープン戦では試合の中盤あたりで中継ぎ投手がビッグイニングを作られるというパターンが多いように見受けられたわ。飯田、小野、デヘスス、佐藤とかあの辺がね。彼らは予備の戦力として頑張ってくれればいいのよ」


「でもヒースとか前田も炎上してたけど」


「一試合ぐらいはそういう日もあるでしょ。前田なんて今更炎上したところで、その結果で良いとか悪いとか判断するレベルの選手じゃないんだから本番までには帳尻を合わせてくれるでしょう。それが駄目ならアメリカに行けなくなるって程度のものだし。ヒースもいい変化球はあるんだし、昨日もいいピッチングしたんだから基本的には信用しているわ。ただいざとなったら去年担っていた先発に戻すのもあるいは手かもね」


「でもそうなるとリリーフがきつくなるよね。去年は最初はかなり強かったのに夏から秋にかけては本当にズタボロになっちゃったのに今の段階で戦力不足になってるようじゃあ」


「一岡、中崎、それにヒースが当初は勝ちパターンの継投となるはず。それにロングリリーフで九里あたり。それに今井とか永川も入るのかしら。それとザガースキー。見た目だけじゃなくてなかなかパワーのあるピッチングが出来そうだし、何と言っても左投手なのがいいわ。キャンプ中早々と怪我してしまった時はどうしたものかと思ったけど、禍福は糾える縄の如しよね。ザガースキーが戻った頃には外国人野手の離脱が相次いだから開幕一軍には入れそうで。コントロールやスタミナはもしかすると微妙なんじゃないかという雰囲気はないでもないけど、とりあえず去年のフィリップス以上の活躍を見込みたいわね」


「フィリップスか。そう言えばそんなのもいたね」


「二軍の成績は抜群だったけど、上では決め球がないままちょっと凡庸な成績に終わってしまったわね。実力はあったとは思うけどタイミングがなかったってタイプ。とは言えそれも運よね。今年みたいに野手に怪我人続出ならフィリップスを使うしかないってなったでしょうし、そこで慣れて覚醒してたかも知れないし」


「もしもの世界を言っても詮ないけどね。そして先発は前田、黒田、ジョンソン、野村、大瀬良、福井ってなるのかな」


「まあ当分はその六人でしょうね。それにしても黒田、素晴らしいピッチングよね。やはりアメリカでも十分第一線でやれる実力を保持したまま戻ってきたのだからそれぐらいやれるものなんでしょうけど。それとジョンソンもなかなか面白いピッチャーになりそうね。ゴロを打たせるタイプみたいで、それで左投手というカープにとって決定的に枯渇していた要素が埋まるならこれ以上の幸いはないわ」


「バリントンを切ってまで獲得したのも実力を見込んでの事だろうし、頑張ってほしいね。野村、大瀬良、福井なんかは去年四点台だったけど、これも数字をもっと良くしないとね」


「改善の余地は大きいだけに、ここがしっかりと伸びてくれれば一気に楽になるわ。そして優勝するためにはそういった総合的な伸びこそが大事になってくるものよ」


「優勝か。いけるといいね」


「本当に。それとサンフレッチェだけど、今のところは二勝一分とそれなりの数字ではあるけど、ただ相手が相手なので好調とは言い切れないものがあるわね」


「第一節は甲府、次は松本に連勝したけど昨日は浦和に引き分けか。確かに甲府や今年昇格したばかりの松本に辛勝した程度でまた覇権奪回だとはしゃげるもんじゃないよね」


「これで浦和に勝てていたなら私だって馬鹿騒ぎも出来たんでしょうけど。それと代表の話になるけど、今度の新しい監督の試合がそろそろあるわね。サンフレッチェから選ばれたのは水本と青山。概ね妥当かしらね。それと予備メンバーで塩谷と千葉も。ついでにオーストラリアに移籍した高萩も頑張ってるみたいじゃない。ACLでも顔を見かけたし」


「今年は広島が出てないから他人事みたいに見られるけど、それにしてもちょっと成績がまずすぎるよね。ここまで三試合を終えて勝利を挙げたのは柏だけ、他の三つは合計でニ分と七敗だからね。具体的に言うとガンバ、浦和、鹿島だけど」


「色々言いたいことはあるとは思うけど、結果を出せていないのは紛れもない真実。それも今年だけがまずいって事じゃなくて、まあ今年はそれにしても悪すぎるとは言え全体的な流れを見ても中国や韓国は言うまでもないとして、オーストラリアや東南アジアのクラブと比較しても大して強さを見せられない程度に相対的実力が低下したのはもはや隠しようがないでしょう」


「それは日本のクラブが弱くなったの? 他が強くなったの?」


「概ね後者だけど、そういう現状の中で日本のクラブももっとしっかり対策を練らないといけないところだけどそれをやっているのがせいぜい柏程度のものというのが今の結果でしょうね。自分たちのサッカーって言うけど敵だってその『自分たちのサッカー』をさせまいと頑張るものだから、それを封じられても勝つにはどうすればいいかってところまでやらないとね。そこまでする気がないんなら結果が出なくても仕方ないわ」


「なかなか難しいものだよね」


「それと大相撲の春場所も昨日千秋楽となったけど、照ノ富士があそこまで強くなっているとはねえ。鶴竜が怪我で欠場となったのはとても残念だったけど、逸ノ城とか新しい有力力士が次々と出て勢いを感じさせるわ」


「残念と言えば遠藤の怪我もだよね。当分治らないみたいだけど」


「一からやり直しね。無理をして強行出場ではなくしっかり治してから捲土重来を期待よ。一時期は不祥事の嵐で本当に厳しかったと言われる相撲界を活気付けるにはきっと不可欠な人だと思うから。ただ四股名は変えてもいいんじゃないとは思うわ。これを機に、って言うとちょっと引っかかるけど。災い転じて福となすとなればそれが一番よ」


 ここで穏やかな陽光に似つかわない敵襲を告げるライトが点滅した。やはり戦いは避けられないものなのか。渡海雄と悠宇は素早く変身して敵の出現したポイントへと急いだ。


「ふはははは、私はグラゲ軍攻撃部隊のサヨリ女だ! この汚らわしい星に真実を突き立てる時が来たのだ!」


 顔から棘が出っ張っているような刺客が春の海辺に出現した。細魚と書いてサヨリという読み方もあるようにシャープな体型をしている。


「出たなグラゲ軍! お前たちの思い通りにはさせないぞ!」


「時は春、ようやくこの地球も動き出したんだからあなた達の思い通りにはさせないわ!」


「出たなエメラルド・アイズ。今日がお前たちの最期よ! かかれ雑兵!」


 寄せ打つ波のようにわらわらと現れた雑兵たちを渡海雄と悠宇は次々となぎ倒した。気づいたら雑兵も弾切れとなっていたようだった。


「よし、ようやく雑兵は全て失せたか。後はお前だけだなサヨリ女!」


「腹黒い女なんて最悪じゃない。それはともかく早く帰ってほしいわね」


「誰が腹黒い女だ人聞きが悪い! やはりお前たちはこの私自ら殺すしかあるまい!」


 余計な事を言って怒らせてしまったのか、サヨリ女は懐から取り出したスイッチを押して巨大化した。とりあえずサヨリを捌くと腹の中が真っ黒らしいが今は関係ない話である。そして渡海雄と悠宇も合体して対抗した。


「メガロボット!!」

「メガロボット!!」


巨体と巨体の対決。サヨリロボットはフェンシングのような突きで攻撃を仕掛けたがこれは悠宇の反射神経でどうにかかわした。しかしいつまでも回避だけでは埒が明かない。かくなる上はと悠宇は一気に踏み込んで相手のバランスを崩した。


「よし、今よとみお君!」


「おう! エメラルドビームで焼き魚だ!」


 渡海雄はすかさず緑色のボタンを押した。目から発射されるエメラルド色のエネルギーがサヨリロボットの全身を包んだ。後はこの緑の炎が機体を焼き尽くすのみである。


「くっ、ここまでか。撤退するしかあるまい」


 サヨリロボットが爆散する寸前に作動した脱出装置に乗せられてサヨリ女は宇宙へと去って行った。春は胎動の季節だ。スポーツ関係で目につくものだけでもこれぐらいはあるわけで、それからもっと良くなるという期待感を持てるのはこの時期特有の喜びだ。だから期待に応えてカープ優勝してくれればいいなと心から思う。

今回のまとめ

・今日は正直寒かったけど気にしない

・オープン戦の成績は酷かったが本番でどうなるかが大事

・ACLはそこまで頑張る大会じゃないと思われているようにしか見えない

・白鵬の次を見据える力士が出てきてなかなか面白い

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