rm37 ようやく再開したプロスポーツについて
晴れの日が続いており、そろそろ梅雨も終わりが見えてきただろうか。しかし梅雨が明けたら明けたでいきなり蒸し暑いし、自分だけでなくPCの体調もしっかりと管理していきたいものだ。
「それで日曜日から大相撲も始まったけど、いきなり鶴竜欠場」
「かなり萎え萎えだけど、まああんな負け方するのはねえ。年齢的にはいつ引退しても不思議ではないだけに、一場所一場所を噛みしめるように大事にしていきたいところ。それにしても、人数制限してしっかりと距離を確保するスタイルとは言え観客が戻るとやはりまた違ってくるものよね」
「まあ無観客時代の色々な方策もそれはそれで味があったけどね。スピーカーで歓声を流したり」
「それでJリーグのゴールハイライトとかで本来一番盛り上がるべき場面でも常に一定の歓声が垂れ流されるのは不思議な雰囲気だったけど。それとソフトバンクが応援歌に合わせてロボットを動かしてたのも何あれって言う。ああいうのを見るとやはりプロスポーツって観客ありきだなって想いを強くしたわ」
「人に見られるための仕事だもんね。ただまたコロナがぶり返しつつあるみたいだし、今後どうなっていくかも分からないけど、とにかく安全第一でやってほしいよね」
「例えばJリーグだと、元々は八月になったら制限解除といきたかったけどそれも先送りにするみたいだし、こういう生命の危機に直接繋がる話はとにかく慎重になりすぎるって事はないからね。それで実際スタジアムで行われている内容についてだけど、まずはカープ。ここは前も言ったけど、中継ぎを筆頭とする投手陣があまりにも弱すぎる」
「特にスコットはとんでもなかったね」
「一点差リードで迎えたDeNA戦の最終回、満を持して登板のスコットがあっという間に三連打されて満塁のピンチを作ると、続くバッターにも普通に打たれてアウト一つすら取れないままサヨナラ負けだもんね。ちょうどNHKでやってたけど、アウト取れそうな気配がちっともなかったわ。しかもそれが一度だけじゃないというまさに破格の内容で当然降格したけど割とすぐに戻ってきて、復帰登板はビハインドで出てきたけどまたも炎上」
「防御率もとんでもない事になってるし、まずこれが一番の誤算ってなるのかな」
「根本的なところで言うとスコットは当初リリーフの外国人三人の中では三番手と目されていた。それが練習試合で評価を高め、去年中崎が陥落して以降事実上不在だった抑えに抜擢されたという流れだった。期待させるだけさせておいて本番ではまったく駄目だったスコットは確かにがっかりだけど、実績あるフランスアやもうちょっと評価高かったはずのDJジョンソンの不安定さもどうかと思うわ」
「フランスアもすでに十試合に登板しているものの防御率は劣悪で、DJジョンソンも抑えとかセットアッパーとして信頼したくなる投球とは程遠い。むしろスコットみたいになるほうが近そう」
「外国人が戦力になってないのはしんどい。コロナの影響で外国人枠が広がった今年に関してはなおさらね。それで日本人を使うしかないけど、三連覇の時散々投げてくれたから随分と消耗している今村や中崎を無理に投げさせたものの、ボールが一軍レベルじゃなかったのですでにいるべき場所へ逆戻りしている」
「本来もっと調整させるべきだったんだろうね」
「それで今一番頑張ってるのがそれまでの実績ほぼなしの塹江って事実こそ苦境を如実に物語っているわ。それと暫定ストッパーの菊池保則だけど、彼も抑えの器じゃないものを実績や投球の兼ね合いで一番ましだから無理やり当てはめているだけってのが見え見えで辛い。でも同点には追いつかれても逆転まではされないあたりは一応他の候補よりもましな存在であるとは見せつけてはいるんだけど……」
「さすがに塹江をいきなり抜擢は無理だよね。ケムナとかも登板する中では頑張ってるけど、さすがにここら辺じゃ荷が重すぎるか」
「他には薮田はこの間先発もやったけどいまいちで、単純に戦力として考えるなら少なくとも今のうちはリリーフに専念してもらったほうが良いのかもね。ただ先発も先発で駒不足なのよね」
「大瀬良はいいよ。ルーキーの森下も早速実力を発揮している。でもじゃあその次ははってなると早くも口が失速するからね」
「九里もここ二試合は炎上続きだし、遠藤と床田もこの程度で終わってはいけないからしっかり巻き直してほしいところ。そしてジョンソンは二軍落ち」
「確かに今年はジョンソン本来のピッチングが出来ていないのかなって感じはあるものの、エラーが多かったりして一概にジョンソンだけが悪いって事じゃないようにも思えるけど」
「そこはリスクとリターンの兼ね合いになるからね。元々ジョンソンは石原とバッテリーを組んでいたけど、その石原も今や引退寸前。去年の時点でほぼジョンソン専任だったのに、そういう選手のために枠一つ消費のデメリットがそろそろ大きくなってきたのもある」
「ましてや正捕手の會澤を筆頭に去年は実質二番手として実績を積んだ磯村、若い坂倉や中村奨成と人材の多いポジションだけにね」
「そして彼らと石原最大の違いは打撃能力よ。ただでさえDHのないリーグなのに石原と投手のジョンソン、それに守備下手な野手が入ると露骨にイライラし始めるからサードあたりに三好とか上本でも使った日には、打線に三人分の穴が生まれるわけだし。ジョンソンが本来の実力を発揮するならそれでもどうにか許容範囲のデメリットだったけど、防御率五点台みたいな悪い成績だと一気に扱いの面倒臭い選手に早変わりよ。しかも今のカープの勝ちパターンが打線が打ちまくる以外にないから、打撃力を落とすのはデメリットのほうが大きいと見る」
「そこが本当にきついよね。接戦だと平気で追いつかれて何なら逆転までされるのは」
「また先発が序盤で崩れたもののその後立ち直ったり中継ぎ陣が踏ん張ってるうちに自慢の強力打線が働いて逆転という、三連覇時代には多く見られた勝ち方は現状封じられている。確かに打線は頑張ってるけど、それ以上に失点が嵩むので結果的には追いつかない程度の反撃で終わってしまうからね」
「五点ぐらいならまだしも八点九点と取られると、さすがに無理だよ。毎試合奇跡的な大逆転劇を望むのはいくら何でも限度がある」
「開幕から一ヶ月過ぎてるのに未だにセーブは一つだけというのはまさしく異常事態で、唯一セーブがついた試合もいきなりランナー二人出すなど極めて不安定な展開で、三点差あったから事なきを得たものの仮に一点差だったら相手ももうちょっと粘り強い攻撃を仕掛けてきたかも知れず、そうなってたら極めて怪しかったと思われるわ」
「セーブがつかないほどの大差で勝利するしかないとか、とにかく抑え不在じゃ今の時代どうにもならないよね。しかし収まりそうな人材はいない」
「そこはフランスアとか、後は去年力を見せた中村恭平や結構いいボールを投げる島内なんかに期待していたけど、どうも首尾よくいかなさそうだし。もちろん中崎や今村も現状では不可能。トレードにしても非現実的だし、唯一可能性があるとしたら新外国人補強になるけど、球団はどう考えているのか。今年はCSの開催もないし、チームとしてどこまで無理をするかというところまで考えるべき段階なのかも知れない。そのうちメナが支配下登録即先発みたいな事になるといよいよ末期だけど。まあ、勝つなら勝つでいいし、勝てなくても若手が頑張るならそれはそれでいいんだけどね」
「でも野手は頑張ってるのにって考えるともったいないよね」
「今のカープで悪い方の誤算第一がスコットだとすれば、良い方の誤算筆頭は間違いなく堂林の名が挙がるはず。開幕一ヶ月を過ぎても四割を大きく上回る異常な高打率で目下ダントツの首位打者。野村監督時代にボールが飛ばない時代のホームランバッターとして見いだされたものの、緒方監督の五年間はろくに戦力になれなかった男に一体何がという変貌ぶり」
「打席での内容もそれまでとは違うし、本当にどうしたんだろうね」
「年下の鈴木誠也に膝を曲げて教えを請ったとか色々あるみたいだけど、もっと根源的なところで言うと元々あの全然ボールが飛ばなかった時代に高卒三年目の二十一歳にして二桁ホームラン打てるほどの打者だったんだからね。それが今まで低迷していたほうが不思議だったとも言える」
「早熟にして晩成。まるで稀勢の里だね」
「この堂林に加えて四番鈴木誠也は盤石で、松山も守備はともかく打棒はやはり捨て難い。西川も実力はあるし、開幕当初は酷かった菊池もある程度持ち直してきた。それと若い選手で言うと坂倉がいよいよ打撃覚醒の雰囲気もあるし、二軍でも中村奨成、林、大盛と今年中には一軍初出場しているのではないかと思わせる選手が揃っている。宇草もだし、正随もチャンスあるかな。ただこう見るとカタカナの名前が少ないわね」
「練習試合で大活躍していたメヒアは結局本番だと全然インパクトを残せないままレギュラー陥落という結果に終わったし、積極打法のピレラもまあ悪くはないんだけど特別良くもないって程度」
「アベレージ稼げてた時も出塁率があんまり高くなかったし、それで打率も下降気味ってなるとちょっとね。とにかく外国人の選び方に関してはもっともっとよく考えて、しっかり戦力にしないともったいないわ」
「そうだね。ところでサンフレッチェはここまでどうかな?」
「毎週二試合ぐらい進める過密日程なのでなかなか大変だとは思うけど、大事なのはここから新しいものが芽生えてくるか。去年は若い新戦力が出てきたのがチームの活力にもなったように、今年で言うと浅野や藤井、エゼキエウなんかにも期待すべきかな」
「大迫がミスによって敗戦を招いた責任からスタメン外れてるのはどうかな」
「まあいいんじゃないの。ミスせずに立派に育つ選手なんていないんだし、今のうちに学んでくれれば。とにかく今年は降格がないという特異なシーズンだからね、それまでにはなかなか出来なかったようなチャレンジもガンガン試してほしいなとは思うわ」
「どうせ異常なんだから、翻弄されるだけじゃなくて活用出来れば面白いよね」
「まあ言うは易し行うは難しだけどね。とにかく成績が悪いと考えも悪い方に向かいがちだけど、ここからバシッと連勝でもしたら一気にムードも変わってくるはず。それはさながらこの空のように……!」
そのような事を語っていると敵襲を告げる合図が瞬いたので、二人は素早く戦闘モードに移行してから敵が現れたポイントへと急いだ。
「フハハハハ、私はグラゲ軍攻撃部隊のマルミミゾウ女だ! しかし見よこの汚らわしい風景を! 瞬く間に踏み潰してくれるわ!」
アフリカに生息する象だがDNA的にはアフリカゾウとは別物と判明しつつあり、でも日本の動物園でマルミミゾウと思って飼育していたら実はアフリカゾウだったりその逆の事例もあるほど似ている象の姿を模した侵略者が草原に出現した。
象牙を求めるハンターによって生存が脅かされているように地球を侵略されると困るので、この暴力への対抗手段はすぐさま出現した。
「出たなグラゲ軍。お前達の思い通りにはさせないぞ!」
「戦場に象だなんて古代じゃないんだし、あんまり暴れられても困るのよね」
「ほう、あれが噂に名高いエメラルド・アイズ。奴らを殺して我が手柄としよう。さあ行け、雑兵ども!」
問答無用とばかりに襲いかかってきたメカニカルな雑兵たちを二人は次々と撃破して、残る敵は一人だけとなった。
「よし、これで雑兵は尽きたようだ。後はお前だけだマルミミゾウ女!」
「密猟を狙うハンターのようにこの地球に危害を加えるのも大概にしてもらいたいわね」
「私が狙うのは勲章のみ。お前達を討ち取れば最強の戦士であると認められよう!」
マルミミゾウ女はそう言うと、懐から取り出したスイッチを押して巨大化した。ただでさえ巨大なのにそういう事をされるとやはり戦うしかなくなる。渡海雄と悠宇は覚悟を決めて合体した。
「メガロボット!!」
「メガロボット!!」
日が傾いてくるにつれて空が雲に覆われつつある。どうやら今日の夜から明日にかけては雨が降るらしい。しかし今のうちに敵を倒さなければ晴れも雨もなくなる。この戦い、やはり負けるわけにはいかない。
相手はアフリカゾウより概して小柄とは言え象なので抜群のパワーを誇る。その突進をまともに受けてしまえば大ダメージは免れない。だから悠宇は細心の注意を払って敵の攻撃を回避すると、弱点を狙い撃ちして動きを止めた。
「よし、今よとみお君!」
「分かった。ここは大技エメラルドビームで勝負する!」
一瞬だけ生じた隙を見逃さず、渡海雄は緑色のボタンを押した。輝く瞳から放たれるエメラルド色の炎が敵を焼き尽くした。
「ぐう、これほどとは……! なかなかやるものだな」
機体が爆散する寸前に作動した脱出装置によって、マルミミゾウ女は宇宙へと帰っていった。そして始まる四連休。
今回のまとめ
・夏らしい空模様になったけど連休はまた雨って話で不穏
・投手陣のどうしようもなさがきっかけで全体的に噛み合ってない
・でも楽しみな若手の成長に期待するのもそれはそれで楽しいよ
・サンフレッチェも地味に停滞中で何かきっかけがほしいところだ




