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星物語

 何者かに襲われた渡海雄と悠宇、そしてその襲撃から二人を助けた赤い髪の女は本来一時間はかかるであろう道程を徒歩数十分で走破して八千代高原の中腹にまでたどり着いた。


 南郷宇宙研究所。元々は広大な草原しかなかった土地を政府が買い占めて巨大な光学望遠鏡や電波受信装置などを配置し、宇宙研究所として整備したのだ。


 正式名称は国立国際宇宙電波通信研究所だが、もっぱら所長の名前から南郷宇宙研究所と呼ばれている。周辺には壁が張り巡らされており出入りは一箇所でしか出来ないので、三人はまずその出入り口へと向かった。


「むっ、君たちは何者だ……、あっ、あなたは! 申し訳ありませんでした。南郷博士がお待ちしておりますのでどうぞお入りください」


「いつもお疲れ様です武本さん。さあ、行こうか二人とも」


「はい!」


 門を見張る警備員は女の顔を見た瞬間態度が変わったので敷地内への侵入はやすやすと成功した。転校生の渡海雄はもちろん、生まれてからずっとこの町で暮らしてきた悠宇も、実際に研究所内部へ足を踏み入れるのは初めてであった。


「この町のはずれにこんなところがあったんだなあ。それにしても広いや」


「私もこの研究所に来たのは初めてだから、正直勝手は分からないわ」


「私が指示するので問題ない。このまま直進を続けてくれ。そして見えるかい、あの赤い塔へ向かってくれ」


「見えます。あの灯台みたいなのですよね」


「そう、それだ」


「それにしても本当広いなあ。UFOでも招くのかな」


 飛行機の滑走路にも使えそうなほどに広い、ひたすらに広い敷地内を五分ほど歩くと目的である塔の手前、いかにも重たそうな扉が三人を迎えた。


 メカニカルで無機質な「パスワードを入力してください」という音声に促され、女は二人の肩を離れ、素早くキーをいくつかタッチした。指を止めた直後に「どうぞお入りください」という音声とともに扉が縦に開いた。


「やあ待っていたよ。むうっ、その姿は! だ、大丈夫かねネイ君!」


「いやあ、ここに来る最中敵に襲われましてね。命に別状はありませんよ。詳しくはこれからお話しします」


 扉の前で待っていたのはロマンスグレーの髪と口ひげを綺麗に整えた白衣の似合う男だった。この男こそ研究所所長である南郷である。女より少し身長の低い彼に案内されて塔の内部、柔らかいソファのある部屋に腰を落ち着かせた女ネイはたった今起こった出来事の顛末を語った。


「ふむ、そんな事が起こったとは。早くも攻勢を仕掛けてくるとは想定外であった」


「しかも本来はここに届けるはずだったマスクをこうして使ってしまい……」


「いや、君は間違ってはいなかった。君とその二人の命を守るにはそれしかなかったのだから」


「それはそうですが……」


 ネイの声色は浮かないものであった。南郷博士はどうにか慰めようとしたがそう簡単に心は動きそうになかったので別の話題を振った。


「そう言えば君たちの名前をまだ聞いていなかったな。ネイ君の命を救った若き救世主たちのな。じゃあ、右の君から名前を名乗ってはくれないかな?」


「はい! 僕は山川渡海雄と言います。漢字は、苗字はまあ普通に山と川。名前は、まず『と』は渡る、渡辺さんとかで使う渡、『み』は海、『お』は雄々しいオスの雄です」


「ふむ、とみお君だね。じゃあ、そっちは?」


「私は明星悠宇です。苗字は明るい星、アイドル雑誌の明星と同じ漢字で読みは『あかほし』。名前は悠久なる宇宙、それぞれ頭の漢字を取って読みは『ゆう』です」


「とみお君とゆうちゃんか。そう言えば私のほうもまだ名乗ってはいなかったな。私は南郷準之助。この南郷宇宙研究所の所長だ。そして君たちがここまで連れてきてくれたこの人はネイ君と言ってな、彼女もまた優秀な科学者だ」


「ネイさんって言うんですか。ええ、この度は命を助けていただいてありがとうございました!」


「私も、ありがとうございました」


 少年少女の素直な謝意にはさしものネイも硬かった表情を崩し、口元を穏やかに解いてみせた。しかしまた元の表情に戻って「ありがとうなどと、今の私には過ぎた言葉だ。むしろ正反対の言葉をかけられたほうが正しいだろうに」と自嘲的につぶやいた。


 言葉の切なさが渡海雄にも感染して涙が瞳から溢れそうになった。男は涙を流さぬものとばかりにすぐ拭おうとしたが仮面が邪魔で果たせなかった。


「あの、博士でもネイさんでもいいんですが、この仮面はどうやったら外せるんですか?」


「おお、そうであった。これを外すには研究所内にある特殊な装置を使わなければならない。さあ、こちらへ。ネイ君は少し待っていてくれたまえ。体調もそうすぐに回復するものではないからな」


「はい。とみお君、ゆうちゃん……」


 ネイは相変わらず申し訳なさそうに何かを言いたそうだったが、それを言い終える前に二人は博士に連れられて解除装置のほうへと消えていた。


「これが解除装置だ」


「へえ。何だか凄いなあ」


「やたらと大きいわね……」


 元いた場所からエレベーターで六階上がると、何やらシリンダーが巨大化したようなガラス張りの装置が二つあった。博士いわく「この中に入ってからでないと外せないように出来ている」らしいので二人は指示に従った。


「あわわ、研究員のみんながこっちを見てるよ。何だかちょっと恥ずかしくなっちゃうなあ」


「確かに。何だか動物園の檻に入れられたみたいね」


「さあ行くぞ。スイッチオン!」


 南郷博士がシリンダーの前にある赤いボタンを押すと、何やら耳の奥深くまで侵入してくるような気持ち悪い音がガラス内を満たした。中の二人は身悶えながら不愉快な音波攻撃と戦う破目になった。


「な、何これは。ううっ、気持ち悪い……」


「頭がおかしくなりそう。吐き気がする……」


「すまんな。しかし我慢してくれ。すぐに終わるから。ほら、後三十秒の辛抱だ」


 時間にして約一分の、永遠にも等しい拷問だった。嫌な音が失せると、ガラスが観音開きとなって中からふらふらになった二人が出てきたので博士はすかさず仮面を外した。するとすぐに全身を覆っていた衣服も消えて元々着ていた服に戻った。


「ふわあ、死ぬかと思った」


「本当、戦いより今のほうが辛かったわ」


「ふうむ、そんなにきついとは要改造だな。ところで、ええと、右の君がゆうちゃんかな?」


「違います」

「逆です」


 二人の声は同時に響いた。


「お、おお、申し訳ない。いやあ、髪が長いほうが女の子かなあと。頭の古い老人特有の思考回路だよこれは。ううむ、大失敗だった」


「ほうら、やっぱり髪切ったほうがいいって私が言った通りでしょう」


「だから本当は今から切りに行くはずだったって言うのに、もう。大体顔より服を見たら一発でしょ」


「本当にすまない。まず目に入ったのがとみお君だったから。いやあ、綺麗な目をしてるなあって」


 渡海雄は女の子と間違えられた事で少しすねた。おわびと疲労回復のために南郷博士が淹れた冷たいココアを一杯飲んだらそんな事も忘れてしまったが。すっかり元気を取り戻した二人と博士はネイのいる部屋に戻った。ネイもまたすでに体内から毒が抜けており、すこぶる元気そうだった。


「とりあえず、落ち着いたみたいだね。では、今から約束通りすべてを話そう。まず、私は宇宙の彼方からこの地球に、いわば亡命してきたのだ。ではなぜ私がこの星に身を移したかが今からの話のテーマだ」


 お互いが深く話せる体調になったので、ここからネイによる長い説明が開始された。渡海雄と悠宇はソファに座りながらも両手を握った拳を膝にくっつけながら話を聞いた。


「まずは、私が元々所属していたのはこの地球が所属する太陽系のはるか彼方、五万光年ほど遠くにあるグラゲ星の軍隊だった。このグラゲ星は発達した宇宙工学によって多くの星を侵略し、支配下に置いている。私の本当の故郷であるフレーベル星もまた彼らの武力によって恭順を余儀なくされ、人々はグラゲ星へ強制移住させられた。しかし暴力ごときでは心の奥底まで従わせる事は出来ないもので、私の一族はグラゲ星に対して反乱を起こしたのだが鎮圧されて一族はことごとく死罪となった。この私を除いてな」


「ネイさんはどうしてやられなかったんですか?」


「幼かったから、だろうな。反乱を起こしたのは私がちょうど君たちと同じ背丈の頃だった。その後、私はグラゲ軍直属の学校で学ばされた。フレーベル星や一族さえも忘れ、身も心もグラゲ人になりきるような教育を受けさせられたのだ。そして彼らの目論見通りに私は成長して科学者となり、侵略軍に組み込まれたのだ。辺境軍第三三四連隊。標的は、地球」


「じゃあネイさんは侵略者って事ですか?」


「かつてはそうだった。しかし私はグラゲ軍を脱走して、今は地球に身を置いている。彼らの言う侵略とはこの地球を彼らの住みやすい環境に改造するという事だ。具体的に言うと酸素。これは生粋のグラゲ人にとっては毒素となるのだ。つまり、グラゲ人はこの地球から酸素をなくして地球人類からすると毒ガスで満たされた惑星に改造しようと企んでいるのだ!」


 ネイの口調は熱を帯び、渡海雄と悠宇も深く聞き入った。


「フレーベル星の人類は地球と同じく酸素で呼吸をしていた。しかし侵略に屈した結果、故郷であったはずの星は大気を改造されてフレーベル人は住めなくなってしまった。私たちの星はかつて、この地球と同じく青かった。しかし今は毒素にまみれた紫色の星と化してしまったのだ。地球をフレーベル星の二の舞にしてはならないのだ!」


「そうですね! 何とかして彼らの侵略を止めないと!」


「でも何とか話し合いとかは出来ないんでしょうか」


「それは無理だろうな。君たちや私は地球の青さを美しいものだと認識している。しかしグラゲ人にとって青い星とは有害な毒素にまみれて無残に薄汚れた、地獄のような姿でしかないのだ。だから『こんな汚い空気の中ではとてもまっとうな暮らしは出来ないから我らの科学力で文化的な環境にしてあげよう』などと思っている。私の故郷は彼らに対応した空気に作り変えられてしまったが、それも彼らなりの善意によるものなのだ。それが正しい事だと疑いなく信じている以上話し合っても噛み合わないものだ。何としても侵攻を防ぎきるしか生きる道はない」


 ここでしばしの沈黙が室内に漂った。グラゲ人の目的はいわゆるテラフォーミング、あるいはグラゲフォーミングとでも言うべき物であるが、彼らが地球人類をまっとうな種族だと認識していないので簡単に終わる戦いではなさそうだと渡海雄も悠宇もはっきり理解できたからだ。


「そしてとみお君とゆうちゃん、君たちはその大変な戦いに巻き込まれてしまった。私が巻き込んでしまったのだ。その仮面によってな」


「えっ、それはどういう事です?」


「私がグラゲ星の科学者だった時に開発したのがその仮面なのだ。被るだけで特殊なスーツが展開され、以降はあらゆる環境に対応できるようになる。例えばさっきのバスの中では毒がまかれたので普通の人間ならすぐに死んでいたが君たちはそれを被った事によって無事で済んだ。さらに身体能力も大幅にアップして非現実的な動きさえ可能になる。これさえあれば錬度の低い雑兵でさえ一騎当千の勇士となるのだ。これを彼らが使っていれば地球はあっという間に制圧されていただろう」


「そ、そんな凄いんだこれって」


「しかしこの仮面には超小型コンピュータが内蔵されてるのだ。それは最初に登録された人物専用と化し、以降は他の人間が被る事はできない。つまりだ、君たちが被った仮面はもう君たち以外使えない、君たち専用の兵器となったのだ。よって他の誰でもない君たちがこれを被ってグラゲ軍の侵略に立ち向かってもらうしかないという事なんだ。分かるかい?」


「は、はい。大体事情は飲み込めました」


「いつ果てるとも知れない戦いだ。そもそもその仮面は試作品であり、この世に二つしかない。しかもグラゲ星特有の特殊な科学も用いられているのでこの地球では増産は不可能。本当は今日、この研究所に引き渡して選りすぐりの精鋭二人に被ってもらうはずだったのだ。しかし、あの状態で君たちを見殺しには出来なかった。許してくれとさえ私には言う資格がない。幼い君たちを大人が済ませるべき戦いにおいて使役せざるを得なくなってしまったのだから……」


 近くにナイフでもあれば今にも自らの胸へと突き立ててしまいそうなほどに思いつめて苦しそうなネイの姿を見て「それは違うんです」と渡海雄は立ち上がった。


「でもネイさんがいなければ僕らはバスの中で死んでたんでしょう? それを助けていただいたんだから。この地球のために僕みたいな小さな命が役に立つとしたらそれはとても嬉しい事ですし、だからネイさんは何も間違っていないし気にする事なんてないんですよ」


「私だってとみお君と同じ気持ちです。知った以上は逃げる事なんて出来ません。私だって頑張りたいって思いますし、それしかないと言うならなおさらですよ。どうぞ私たちを自由に使ってください!」


「君たちは、本当に……」


 ここで室内にけたたましいサイレンの音が響いた。グラゲ軍が襲来したのだ。


「むう、早くも雪辱戦を挑んできたかグラゲ軍め! とみお君、ゆうちゃん、早速で悪いが行ってくれないか?」


「はい!」


「分かりました!」


 今さっき戦いを終えたばかりだと言うのに無理な相談にも二つ返事で答える少年少女のたくましさに大人たちは人知れずため息をこぼした。仮面を被り、再び変身した二人は敵出現位置である高原に身を躍らせた。


「ふはは、俺様こそがグラゲ軍攻撃部隊のサソリ男だ! 早速この星の汚れた空気を吸って生きてきた生物を根絶やしにしてやるぜ!」


 上半身と下半身は黒いタイツで、顔の後ろに尻尾が生えており、その先端に針がついた容貌の男が連峰に向かってわめいていた。彼こそがサソリ男である。


「そうはさせないぞグラゲ軍!」


「むっ、何者だ!」


「お前たちに名乗る名前はない!」


 かく言う渡海雄は出てくる直前、冷静に考えると名前が決まっていない事に気付いた。だからと言って本名を名乗るのもちょっと違うし、だったらいっそ名乗らずにいようと考えたのだ。


 そんなその場しのぎの割には結構格好良く決まったと内心ではにやにやしていたが、そんな事をしている間にサソリ男は部下のマシン兵隊を繰り出してきた。前身黒タイツでガスマスクをしているが中身は機械仕掛けの自律ロボットである。


「おお、来た来た来ましたよ!」


「ふふっ、返り討ちよ。雑兵がどれだけ出てこようと怖くないんだから。行くわよとみお君、それっ!」


「オーライ!」


 十重二十重に群がる雑兵を二人は投げては飛ばし、あっという間に殲滅させた。強い、あまりにも強い。雑兵ごときではまるで二人の相手にならないのだ。


「後はお前だけだな、サソリ男!」


「潔く退却しなさい! 私たちだって何も進んで命を奪おうとは思わないわ!」


「こしゃくな! かくなる上は、巨大化して踏み潰してやる!」


 崖に追い詰められたサソリ男だが、懐から取り出した縦長の黒いコントローラーについてあるボタンを押すと見る見るうちに巨大化した。いや、正確には自分の姿を模した巨大ロボットが出現したのだ。


「えええっ、そんなのってないよ!」


「ど、どうしようどうしよう。さすがにあんな大きいのが相手だと、逃げるしかないわ!」


「うわーん、助けてー!!」


 サソリロボットが一歩進むと周辺の木や草は踏み潰されてしまう。渡海雄と悠宇は一目散に逃げ出したが逆に断崖絶壁に追いやられてしまった。


「ふはは、もはや逃げ場はないぞ? こうなったら二択問題だ。どっちを選ぶ? 自ら崖に飛び込んで死ぬか、俺様に踏み潰されて死ぬか!!」


 嫌な二択問題を問いかけてきたが答えを出す前に一歩踏み出してきた。ああ、絶体絶命! その刹那、仮面の耳の部分からネイの声が響いた。


「聞こえるかとみお君、ゆうちゃん! 君たちも巨大化するんだ!」


「ええっ、ネイさん! そんな事が可能なんですか?」


「可能だ! よく聞け! 君たち二人が心も体も一つになれば仮面は赤く輝く。そして叫ぶのだ、『メガロボット』! さあやれ! それしか君たちの生きる術はない!」


「そんな、心も体も一つにってさ、どうやって」


「ゆうちゃん! 君がとみお君の肩に飛び乗るんだ!」


「わ、分かったわ! それっ!」


 助走をつけるスペースも無かったので垂直跳びだったが、悠宇は軽々と渡海雄の肩に飛び乗った。するとネイの言葉通りに仮面が赤く染まったので二人は全身からありったけの力をかき集めて、声の限り叫んだ。


「メガロボット!!」

「メガロボット!!」


 シンクロした声が高原に響いたかと思うと、全身から七色の光線が飛び交い、シルエットは天を貫かんばかりにグングンと大きくなった。その光が失せるとそこには一体の巨大ロボットがそびえ立っていた。その姿はまさに二人が身に纏っていた仮面と衣服がそのまま巨大化したような姿であった。


「これがメガロボットなのか。中身は完全に機械、マシンだな。凄いや」


「見とれてる場合じゃないでしょとみお君。大体どうやって動かすの!?」


 さっきまで縦に並んでいた渡海雄と悠宇だったが、いつの間にかロボットのコクピット内の椅子に横並びで座っていた。二人はカラフルなボタンやよく分からない計器で満ちたメカニックを観察していたが、すぐさま二人の間にあるモニターが音声を受信した。声の主はネイであった。


「よくやった二人とも! これで君たちは勝てる。ゆうちゃんが移動を担当、攻撃はとみお君が担当だ。まあ今の状態では移動する必要もないしとみお君、目の前にはいっぱいボタンがあるだろうが何か一つ押してみてくれ」


「はい! じゃあ、どれにしようかな。本当にいっぱいあるから迷っちゃうなあ」


「さっさと決めなさいよ。敵は目の前にいるのよ!」


「分かってるよゆうちゃん。じゃあ、この赤いボタンだ! それっ!!」


 渡海雄が正面から少し右にある赤いボタンを押すと、ロボットの左腕が光ったかと思うと大きなソードが召喚された。それを投擲すると、向かってきたサソリロボットの胸部を貫いた。


「ぐおおおおお、何というパワーだ! 脱出するしかないぃい!!」


 一撃でサソリロボットは爆発した。サソリ男は脱出装置で本拠地へと逃げ帰った。


「やったぜ!」


 地球の平和はとりあえず守られた。しかしこれはほんの発端に過ぎない。地球改造に燃えるグラゲ軍の野心を砕くまで渡海雄と悠宇は戦い続けなければならないのだ。

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