ng06 2016新春記念 今年の展望について
明けましておめでとうございます。旧年中はひとかたならぬご厚誼を賜りまして、大変ありがとうございました。今年もよろしくお願いします。
という訳で始まった二〇一六年。去年も色々あったけど本小説に関わる部分でおおまかに言うとこの三つに集約されるかと思う。
・サンフレッチェ優勝
・ウィンキーソフト倒産
・光GENJIネタが終わる
一つ目はもはや言うまでもない。あんなにうまく行くとは思わなかった。お陰で十二月は連戦に次ぐ連戦、ガンバとは三回対戦という激しい師走を過ごしていた。天皇杯はもう終わったからようやく休めるかな。お疲れ様でした。
二つ目も、これによって過去最高のアクセス数が叩き出されたという現実がそこには確かに横たわっているわけで、喜ばしい事とは言えないけど感慨深い出来事であった。ちょうどこう、久々に帰省してみたところ小学生の頃よく通ってた近所のおもちゃ屋が数年前に潰れてたって聞いた時みたいな。いつかその時は来るだろうと心のどこかで思っていたけど、いざそうなると残念なものだ。
まずシステムの構築に関してはまさに功績と言えるだろう。それとBGMに関してはウィンキーが至高だった。第三次は宇宙の曲も地上の曲もいいし、後は第二次Gの宇宙の曲とか、はるけき彼方でとか、鉄の薔薇とか。それと春風のプレシアも。今の無駄に壮大にする傾向はどうかと思う。ストリングスとか入れてオーケストラにすればいいってもんじゃないだろう。OGのはるけき彼方でとかびっくりしたぞ。
それはともかく、ウィンキーソフトの残した遺産をうまく継承してより良いスパロボが出来るといい。現状は厳しいけど。なお、今でもウィンキーソフトについて書いた第二十一部分のアクセスが多い。でもそんな伸びているならと書いたスパロボネタは全然伸びず、まあそんなもんだなと思った。
三つ目に関しては完全に内々の話だが、個人的には割と大きなトピックスだった。本編の根幹をなす両翼のうち片方がもがれたようなものなのだから。ただいつかこの日が来る事は最初から分かっていた。もう一本の柱であるスポーツネタは放っておいてもリアルタイム更新してくださるから、その流れに棹をさせば問題なかった。しかし音楽系はそうではない。
もう少し、解散後のソロアルバムなんかも語れない事もないが、やはり個々のクオリティという観点からするとどうかという部分があるのは事実であり、赤坂のアルバムなんかはどうにかやれるかもって程度だ。
別のラインから音楽系を攻めるのも可能だが、意外と時間がかかっている。まあちらほらとやれればいいだろう。今のところ考えているのは光GENJIにも楽曲を提供していたシンガーソングライターやビーイング系某バンドなど。
基本的にその後のメンバーの動向ってのはあまり追いかけていない。だけどどうなろうが知ったこっちゃないとはならない。大沢の一件とか、とりあえず良かったと言っていいのだろうか。全然良くないんだけど。赤坂は三回目だけは勘弁してほしい。とにかく犯罪だけはしないようにお願いします。
これもまた神頼みの領域か。そして初詣、渡海雄と悠宇も近所の大きな神社に行って世界の平和を祈った。
「明けましておめでとうございます、ゆうちゃん。今年は平和な一年になるといいね!」
「本当にね。こんな戦いさえなければ、去年だってそんなに悪くはない年だったかもって言えたはずなのにね」
「そうだね。サンフレッチェ優勝したりね」
「ここ四年で三回優勝とか明らかに黄金時代を築き上げているんだから、本当に立派な成績よ。その中でも今年が一番安定感が高くて強かったんじゃないかしら。勝ち点もがっつり稼げたし」
「ゴールキーパーの林からディフェンダーには塩谷、千葉、水本に加えて佐々木も優秀で守備は強力。さらにボランチの森崎和幸と青山が盤石だったのが勝利を強く引き寄せていたね」
「スリーバックにスタメンクラスがはみ出しているのと同様にウイングにもミキッチ、柏、清水といてレギュラー争いからして熾烈だったわ。そしてワントップツーシャドー。当初は森崎浩司とか浅野、野津田に期待されていたけどどうも決定力不足で、しかし柴崎とドウグラスという正解を割かし早々と導き出したのはまさに監督采配の巧みさよね」
「特にドウグラスの力は大きかった。佐藤寿人は衰えてる雰囲気はありつつ二桁はクリアしたのもさすが」
「それも去年が最後、とかなるのではと嫌な心配したくなるけど、まあ復調するかもしれないしそこは見守るのみでしょう。そして浅野」
「本当に浅野はねえ、足が速いよね。後半途中出場から相手ディフェンス陣をその快足で切り裂いて、一気にチームの顔として名乗りを上げた感じ」
「それはさすがに気が早いけどね。去年はスーパーサブとして見事だったけどもちろんこの地位に甘んじる彼ではないでしょう。今年こそはスタメン中心で見事なパフォーマンスを披露してくれると信じているわ。もちろん野津田もね。怪我が痛いんだけど、これからよ」
「前途洋々にも見えるよね。スタジアムの件を除けば」
「スタジアムはねえ……。もうなるようになれよ。され、サンフレッチェがご覧のような成績を残した一方でカープは非常に不本意な成績に終わってしまったわ」
「とにかく打撃が酷かった印象だよね」
「去年よくやっていた菊池や丸の成績不振は目に余るもので、それとエルドレッドも今まで通りと言うべきか怪我などでシーズンの半分程度しか働けなかったけど打線が滞っている時に何かやれそうなのはこの低打率の巨体ぐらいだった。まずこの辺りに改善点があるわ」
「それと投手も前田が抜けて、これはきついよね」
「そりゃあね。十五勝よ十五勝。これを埋めるには誰か一人の力に頼るのではなく投手陣全員の底上げが必須。その上で適度に確変起こした投手が一人二人出ればってところ。しかも前提として黒田やジョンソンもしっかりやってくれないといけないし、絶対に不可能とは言わないけどそれが出来たら苦労しないわってレベルよね」
「大変だね。リリーフもどうなるのか。大瀬良は当然先発に戻るんでしょ?」
「そうじゃないと怒るわ。でもそれならそれで勝ちパターンの構築はいかにすべきかという問題になるから難しい話よね。中崎が去年の終盤レベルのピッチングを見せてくれればいいんだけどそこからして怪しいものだし。やはり一岡や今村、中田あたりの奮闘が不可欠ね。それと飯田あたりも、去年もっと使ってれば良かったのにね」
「投手陣で他はと言うと、ヒースの退団とかあったけど」
「ヒースは残念だったわね。敗戦処理で見た目の数字を稼ぎつつ僅差の試合では判で押したように毎度毎度不安定なピッチング。退団したって事はより良い選手を獲得できたと信じたいものだけど」
「外国人は結構動かしたよね、投手も野手も」
「野手で言うとシアーホルツやロサリオも退団だからね。前者は実力的にはなかなかだったけど怪我が多かったのが残念。そしてロサリオ。ああ、一昨年の爆発的なプレーは一体何だったのか。本人に守備という課題を解決する気がなかったとか色々言われているけど結局は心構えの問題だったのか。しかしいなくなった選手はもう仕方ないわ。今いる、そして新たに来てくれた選手に期待するしかないわ」
「中日からルナを獲得とか、今まではあんまりやらなかった補強だよね」
「アベレージを残せるタイプでしかもずっと穴だったサード。これはかなり的確な補強よ。他の外国人は、まずリリーフタイプのジャクソン。球は速いらしいし頑張ってくれれば。もう一人ヘーゲンスという投手も獲得したけど、何か先発もリリーフも出来るとかでどういう部分が売りなのか気になる存在ね。そして外野手のプライディはパワーのみならずスピードもあるタイプみたい。外国人枠の四つを彼らで争うけど、まずジョンソンは確定として野手にルナとエルドレッドは必要でしょうし、後はリリーフタイプのジャクソンってのが基本かなとは思うわ」
「ああ、そうだ。出て行ったと言えば木村昇吾も」
「ふっ、彼こそまさにいなくなったのなら仕方ないって選手よね。いたら便利なんだけど、絶対必要不可欠で代わりがいないって程でもない。早々と『ポスト木村は上本だ』みたいな記事が出たり、実際上本や安部にある程度頑張ってもらえばどうにかなる枠よ」
「しかしFA宣言したものの全然どこからも声がかからず、晒し者にされてるみたいだったね。もうちょっとどうにかならなかったのかな?」
「木村はあえて手を出す程の選手じゃない、自前の若手やトレードで安く手に入れた中堅ベテラン選手を使えば問題ないと各球団が判断した結果でしょう。そして広島も自前の若手でどうにかしようと決意した。幸いクリスマスの日に西武が春のキャンプにテストするという話が来たようで一安心よ」
「FAなのにテストとか、本当に自由契約になっただけみたいな」
「実際CランクのFAなんてそんなもの。今回はまだ例外的な存在と言うのか、なかなか所属が決まらない木村という存在は珍しいものである意味目立っていたから西武も声を掛けたんでしょうけど、FA宣言する選手が増えるとこういうケースで引退となる選手が次々と出てくるんでしょうね。アメリカなんかそのパターン多いし、これもまた競争社会の厳しい一面よ。球団がもっと増えて、それこそ十六球団とかになれば木村もお望みだったレギュラー争い出来たと思うけど、逆に言うと木村レベルの選手がレギュラーになってしまう程度の球団が生まれるって事だし」
「なかなか難しいものだね」
「大体松坂世代よ松坂世代。野手で言うと東出や森本が引退、比較的試合出場の多い梵、村田、小谷野辺りも全盛期とは程遠い数字にとどまっている。そういう斜陽の年齢で本人の成績もあくまでサブが限度なのは明らか。パワーないし」
「二遊間はもう菊池と田中で確定。サードもルナが来たもんね」
「まあ木村が退団しなくてもサードの外国人は獲得していたでしょうけど。当初はDeNAを退団したバルディリスを調査なんて記事が出ていたけどルナが退団したらさっさと切り替えて獲得。実際梵が衰えて堂林もあの程度じゃあね。小窪はなぜかスタメンで使うと駄目だし、木村はいたところで控えだから。むしろ二遊間が離脱した際のバックアップなら出番ありそうなところだけど、それも確実じゃないし。今年が最後のチャンスと動いた本人の気持ちも分かるわ。結果は悲しかったけど」
「でもまずは西武のテストに受かるといいよね」
「今はそれを望むのみよ。それと、カープの外野手に関しては丸の復調は最低条件として、後は鈴木と野間でいいんじゃないのって思ったりして。この二人は先発投手の利き腕に左右される事なくじっくりと使ってみてほしいところ。まあ実際は松山らとの競争になるし、それこそそういう選手に打ち勝つぐらいに伸びてくれるとありがたいものよ」
「そうだね。ところでゆうちゃんは世界平和以外の、今年はこういう事をやりたいなってものある?」
「そりゃあもうね。昔の選手名鑑の事とかね」
「いいよね、そういうのがしっかりあるってのは」
「ああ、そうか。去年でもう光GENJIのネタが尽きたから」
「一番大好きな、メインディッシュを食べ終えたようなものだよ。でもまあそればっかり聴いてたわけでもないんだし、次はどんな曲を聴かせようかって色々考えてるんだけどね、なかなか難しいね」
「私は別に誰でもいいんだけど、何をこだわっているの?」
「そこはね、愛なんだよ。例えばあんまり思い入れのない歌手の曲をいくつか適当に聞き散らかしてね、適当に感想を述べる程度ならいくらでもやれるでしょ。でもそんな愛のこもってないやり方、美しくないじゃない。だからアルバムやカップリング曲などを含めた全曲聴きこんでから、と行ければ理想だけどちょっと妥協してアルバム全部とかベストアルバムで一発とか、その程度になるかもね。何であれ、心は常に美しくありたいものだよ」
「ふっ、まったく。でもそう生きるのは容易くはないでしょうね」
「無論ね。今までの人生を鑑みて、そのように生きていけただろうかと思うと、なかなかそうは言えない現状があるわけで。でも努力目標が単なるお題目に成り下がるようじゃ駄目だ。難しいし実際問題無理だとは内心思っているけど、とにかく基本的には人の悪口を言わないとか、けなすより褒めたいものを取り上げるとかそういう方向性は確たるものにしたいね」
「確かに、それは大事よね」
「でもまあ、これは今年のと言うより毎年同じような事考えてるんだけどね。とにかく二〇一六年、真っ白な未来に足跡をつけていく僕達の旅路はまだまだ続いていくんだ。好奇心と執着心の続く限りは」
「私だってそうよ。早速天皇杯でも見ましょうか。贔屓が出てないと楽に見られるものよ。今年もよろしくね」
そして二人は神社から家へと向かった。先の事は何も分からないからこそ今を全力で生きてみるのが結局未来を切り開く活力となるのだ。吹く風は冷たくても心に絆という名の暖かさがあればきっと耐えて行けるだろう。雲に覆われた中にもちらちら顔を出す空もしっかりと青い。
なお天皇杯決勝はガンバが浦和を下した。前半からお互いに点を取り合うというファイナルにふさわしい内容から、後半ガンバのコーナーキックでパトリックが抜け出しゴール。まさに練習通りのスクリーンプレーだった。
その後、浦和は猛攻を仕掛けたが東口の奮闘で失点を許さない。最後の最後もガンバのディフェンダーが空振りとかありえないミスがあったがこれもセーブ。まさに守護神、まさに八面六臂の活躍であった。
浦和はまた無冠か。決定力不足と言うのか、後一歩という場面は多かったが決めきれなかった。浦和の様式美になってるけどいつまで続くのか。
今回のまとめ
・二〇一六年明けましておめでとうございます
・カープもサンフレッチェも両方強ければいい
・やりたい事はあるがやれるかどうかは別の話
・今回の話とかいかにも苦しいけどまだまだ続いていくぞ