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冷たい夫から離婚を申し込まれたので喜んで承諾したら、夫が泣きました

作者: 久世朱里
掲載日:2026/10/13

「離婚して欲しい」


 冷たい夫が言いました。


 何を考えてるのか分からない夫でしたが、ずっと私と離婚したいと思っていたのでしょうか?


 いつも夫が仕事から帰って来ると一気に部屋が冷たくなる気がした。


 一緒に食事しても重苦しくて……。


 顔が良いからラッキーと思って結婚したけど、離婚したくてしょうがなかったんです。


 夫も同じ気持ちだったなんて……!


「はい! 喜んで離婚いたしますわ!」


 私は満面の笑みで承諾する。


 グッと夫の前で親指を突き立ってた。


 全く後悔がないこと、あなたと同じ気持ちだと最大限にアピールした。


 イエーい!


 ——ポタッ。


 雫がテーブルに落ちた。


 夫が涙を流していた。


「……なんで……」


 引っ込みがつかない親指と共に私は聞いた。


「……君のその明るさを失うと、家がますます暗く冷たくなると思うと涙が……君がいる家を俺は愛していたんだ——!」


「……旦那様……流石に後悔するの早すぎませんか?」


 離婚したいと言ったのはあなたなのに。


「違う、ずっと後悔していたんだ、君のような人を俺の妻にしてしまったことを……」


「……私はあなたの妻になったことを後悔なんてしていません。一度でも妻になれて良かったから、お別れは明るくしようと……」


 ……。


「俺は話すことが苦手なんだ。君の話は聞いていたいけど、君には退屈だろう」


「私は旦那様が私の話を聞いてくれるだけで嬉しいです。うるさいのがお嫌だと思って、旦那様は静かな方と再婚した方がいいと思っていました」


 ……。


「離婚しますか?」


「君は離婚に喜んでいただろう」


 ……。


「旦那様と一緒に居たいです!」


「俺も君と離婚するつもりなんて全くない!」


 ……。


 なんだったんだ——。



 旦那様は仕事から帰ると私にグッと親指を突き立てて、私の話を聞いてはグッと親指を突き立てます。


 旦那様は毎日、私と一緒に居て楽しそう。


 私も、とっても楽しいです!


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