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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

拝啓、今はいない君へ。

作者: 空野彼方
掲載日:2026/01/12

もういいかい…?

これは、たった一日だけの物語。

僕が君を忘れないように……。そして、この世界に君がいたことを残すために僕が書いた物語。

何度も願った。君があの言葉を言ってくれることを。


「おーい!!悠陽くーん!」

「あっ、蒼ちゃん…!」

「今日は何するっ!!?」

彼女の名前は、佐倉蒼さくらあお。僕と同じ小学生。昨日は、名前があんまり可愛くない〜って言ってたっけな?

で、僕は彼女の友達の伊波悠陽いなみはる。勉強は、嫌いで遊ぶのが好き。よくみんなからは意外って言われる。僕、そんなに勉強好きそうに見える?

「うーん…かくれんぼとかは?久しぶりにあの公園で遊ばない?」

「…!!めっちゃいいじゃん!!」

「じゃ、決まりだね。また後で」

「うん!」

手を振って教室へ向かう。

僕はまた明日も遊べるなんて呑気なことを考えていた。ほんとに馬鹿だなぁ。


キーコーンカーンコーン

あっ、放課後だ…!

「最後にちょっといいかー。最近、この学校の周りで不審者が彷徨いてるらしい。気をつけて帰るんだぞ」

不審者…怖いな。今日はすぐ遊んですぐ帰ろう。

いつもの公園へ向かう。最近はあんまり遊べてなかったから嬉しい。僕たちはクラスが違うから、場所を決めてそれぞれその場所へ向かう。もう居るかな?

「あっ、先に来てたんだね。蒼ちゃん」

「早く終わったからね〜!早く遊ぼっ!」

「うん」

「今日はかくれんぼだったよね?じゃあ、悠陽くんが鬼ねーー!」

「えぇっ!?ちょっ」

そう言って走っていってしまった。僕だって隠れる側したかったのに…、、、

探す側になってしまったからには探すしかない。

「もういーかーい!」

「まーだっだよ〜ん!」

「早く隠れてよ〜!」

もう一度数を数えてから聞く。

「もういーかーい」

「……!…まだ。来ちゃダメ」

「もう…次は絶対行くからね!」

いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち、きゅう、じゅう…

よし、行くぞ。

うーん。どこにいるかな?かくれんぼはあんまりしてこなかったから蒼ちゃんがどんなとこに隠れるかが分からない…

ガタガタ

ん?あっちから音がしたぞ…?かくれんぼは建物の中に隠れちゃダメでしょ!でも、音鳴らしちゃったから分かっちゃうな〜!

「蒼ちゃん、そこにいるんでしょー?」

「もういいよって言ってないのに来たの…?」

「次は行くよって僕言ったよ?」

「……じゃあ、そこで待ってて。もういいよって言うまでずっと」

「わ、分かった」

なんで……?でも、こんなに蒼ちゃんが焦ってる事ないから待たないと。

それから僕は沢山待った。何時間も待った。いつの間にか寝ちゃってた。

「うーん……あっ、かくれんぼ!」

君は居るかな?

「蒼ちゃん。もういーかい。」

「……」

帰っちゃったのかな。そう考えてたら誰か近づいてきた。眩しい。

「君、今何時だと思う?」

その人は警官?さんだった。

「えっと、あの……、かくれんぼしてて」

「かくれんぼ?相手の子は?」

「…ここに」

「ここ?ちょっと待ってね」

警官のお姉さんは鍵を使ってドアを開けだした。

「…!ごめん、僕。今日は家に帰れるかな?」

「えっ、でも…」

「ごめん。これはお願いというより命令。」

「わかりました。」

次の日。僕は衝撃のことをお母さんから言われたんだ。

朝、1本の電話があった。

蒼ちゃんが病院に運ばれたって。お母さんは僕に顔を背けながらそれだけ言ってきた。その日は休みだったから行くことができた。それに、病院も歩いて行けるくらい近くてすぐ行けた。

僕が言ったところは病室じゃなくて凄く凄く静かなところだった。みんなが眠ってるからなのかな?

そこには蒼ちゃんのお母さん、お父さんも居て泣いてた。

「悠陽。蒼ちゃんはね、っ!もう、目を覚まさないの。」

「えっ」

僕はそれを聞いて部屋を飛び出した。

階段も廊下も走った。

「はっ、ぁ、…痛い。ふぅ、ふぅ……」

自分の部屋に戻って鍵も閉めた。

なんで?蒼ちゃん。まだ、かくれんぼしてる途中じゃん。「もういいよ」って言ってよ。また、明日も明後日も遊ぼうよ。大人になってからさ、お互い結婚とかしてドレス似合ってるねとかいってさ…っ、笑おうよ。まだ、中学生にもなってないんだよ…?修学旅行だってまだだし、夢だって叶えてれてないじゃん……

「もういいよって言ってくれたら僕は君を探しに行くよ……?ねぇ、蒼ちゃん……」


僕はあの日から学校には行かなくなった。中学校にはほんのちょっとだけ行った。高校は行かなかった。もう、友達なんて作りたくないって思ったから。お金を稼ぐために、バイトはした。

今日は君のお墓参りに来た。

「久しぶりだね。蒼ちゃん」

君のお墓には勿忘草を供えた。

君がもういいよって言ってくれてる気がしたんだ。

君への手紙も書いた。

「じゃあ、いくとしますか。また後でね、蒼ちゃん」


拝啓、今はいない君へ。

僕は今日、君を探しに行きます

私の初作品を見て下さり本当にありがとうございました!

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