雨宿りめし
ポツポツ…ザーー
「雨…降ってきた」
普段は見ないニュース番組~
”午後からは、季節外れの大雨が降るでしょう”
天気予報で、言ってた通りになった
「傘…忘れた」
急ぎ、建物の庇へと、避難する。
「止むかな~この雨?」
「へい、いらっしゃい。空いてるよ」
あ、ここ、飲食店の前か~
最悪。
客じゃないんだけど…断り辛い
「あ~あの~」
「一名様?」
「はい」
木目とコンクリートで統一された、内装。
お洒落なデザインの、テーブルと、イス。
「・・・普通の、良いカフェ?」
「はい。これがメニュー表ね。決まったら、呼んでくれ!」
「フレンドリーな店員さん…意外。えっと・・・」
チャーハン・・・800円
餃子・・・700円
そば・・・1000円
「あ~うん?うん!」
ここ、中華屋さんだった
しかも、良いお値段。
お腹いっぱいだけど…今更、帰れない
「ご注文は、お決まりで?」
「ああ~そばを、一つ」
「へい、そば一丁!」
「へい、お待ち!」
「・・・そば?」
「はい。当店自慢の、十割蕎麦です!」
蕎麦…そば…ざる蕎麦か~
冬に、ざる蕎麦…初めて食べるかも
「・・・不味い」
「はい?」
「あ~、蕎麦?ですね」
「へい。ありがとうございます!」
噓はついてない。
香りは…凄く強い
舌触りは…ざらざら
麺は…直ぐに切れる
そばつゆは…味がしない(あと、冷たい)
「量が少なくて、助かった~」
「へい、こちらサービスの餃子です!」
わぁー要らないかも~
「・・・ありがとうございます」
お店の雰囲気は、好きだけど…もう、二度と来ない
「あの~お会計は?」
「はいはい、会計ね~」
「え~、十割蕎麦一つ、1100円だな!」
「あれ?1000円じゃ…あ、税抜き」
「はい、1100円丁度。ありがとうございます」
「あ~まだ、雨、止んでない」
「お客さん。良かったら、常連客用の貸出傘、使いな!」
「ほれ!」
「・・・ありがとうございます」
・・・餃子サービスした時と、同じ顔されっちまった
余計なお世話だったか~
「駄目だな~旨そうに食う客を見ると、つい、サービスしちまう」
「雨の日は、客の入りが良いが…売上は、マイナスなんだよな~?」




