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自分を裏切らない覚悟
衝突した
誇りのせいだと言えば
たぶん、簡単だった
でも本当は
守りたいものが
そこに在っただけ──
何もなければ
通り過ぎていた
見ないふりも
聞こえないふりも
上手にできただろう
それでも足が止まったのは
目を逸らせないほど
大切だったから
傷は残った
波風も立った
それでも胸の奥に
静かな安堵がある
守ったのは
何か、だけじゃない
大切だと思える
この心、そのものだ
沈黙は
いつだって
賢明な顔をしている
それでも
衝突を選んだ
理解されないほうへ
一歩
踏み出した
大切なものが在る者は
必ず
孤独になる
尺度を持つということは
輪から
はみ出るということだ
正しさを貫くことは
打ち負かすことでも
断罪することでもない
自分の線引きを明確にし
合わない場所から
静かに離れること
自分の表現と品位を
自分で守ること
それもまた
正義を貫く一つの形だ
すべての場で
戦う必要はない
違和感の数だけ
声を上げなくていい
けれど、少なくとも
自分自身に対して
嘘をつかないこと
自分が正しいと思う選択を
自分で否定しないこと
正義を貫く勇気とは──
孤独を恐れない
ことではなく
自分を裏切らない覚悟を
持つことなのだから




