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言葉遊びのミルフィーユ  作者: 綾白


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6/8

夜明けの鯨は夢を見ない

夜の深みに微睡む鯨は


星の海に漂う


その体は闇の繭に包まれ

音もなく波間を滑る



彼の瞳には夢の影は映らない



ただ夜明けの息吹が

遠くで囁くのを聞くばかり



深海の静寂が破れるとき


光はそっと忍び寄る


鯨の背をなで

世界の縁を溶かし始める



夢は消え──



過去の残響だけが

波間に揺れる



彼の胸には重い石が沈み

言葉にならない痛みが波紋を描く



だが鯨は沈まない


沈むことを許さない



夜明けがそこにあるのだから



海は呼吸を繰り返す


闇は揺蕩う水にほどけてゆく


鯨の鼓動が静かに戻り

かすかな光の粒がその身体を照らす



それは再生の歌


静謐な希望の音色



夢を見なくてもいい



ただ────



夜明けの静けさのなかで


新しい波を

待つことができたなら



夜明けの鯨は

瞳を閉じてただ揺蕩う



そしていつか



光と闇の狭間で




再び泳ぎ出すだろう────

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