表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/49

大聖女ルビリア様

 大聖女のために設けられた、中央教会の特別室の中。椅子に踏ん反り返って座ったルビリア=マルトゥールは、苛立ちを隠せず、足をゆすっていた。


「あーあ。魔物が一番集まるところに置いてきたのに、何で生きてるのかなぁ」


 第一王子から、クレイユが結婚したという噂を聞き、まさかと思って北の城を訪れてみれば、相手はなんとも冴えない魔力なしの娘ではないか。

 あんなのが、勇者の初恋の女だなんて。


 許せなかった。


 国の英雄クレイユ=オルトキアは、世界一可憐で素敵な、大聖女ルビリアのものでなくてはならない。


 強く、美しい、あの男に釣り合うのは、ルビリアくらいだろう。

 逆に言えば、ルビリアに相応しい男は彼しかいない。


 国を救った美男美女カップルの誕生を、国民たちだって望んでいるはずだ。


「はぁ。これはちょっと不味い状況かも。上手いこと、クレイユ様への言い訳を考えなくちゃ」


 ――そして、何処の馬の骨とも分からぬ女を始末する方法も。


 コンコン、と部屋の扉がノックされた瞬間、ルビリアは姿勢を正して、慈悲深い笑顔を貼り付ける。


「ルビリア様、礼拝のお時間です」

「ありがとう。今向かいますわ」


 呼びに来た神官見習いは、ルビリアに微笑まれて、ぽっと頰を染めていた。


 大丈夫。一目見れば皆、ルビリアの虜。

 きっと、クレイユも今に目が覚める。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ