浮気の証拠が……出てこない‼ 5
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あのあと、せっかく街をぶらついてストレス発散しようと思っていたのに、クロードのせいでそのまま邸に帰ることになった。
そして、何故かわたしがすごしている夫婦の寝室について来て、部屋の様子を調べた後で、クロードは茫然としながらどこかへ消えた。
そうと思えば、その日の夜。
執事であるフロベールが、夕食だとわたしを呼び来て、わたしはさらに驚くことになった。
驚きながらダイニングに行けば、そこにはクロードと義母コリンナの姿があり、わたしの食事もきっちりと用意されていたのである。
あれ以来、何故か朝昼晩とわたしはダイニングで食事をとっている。
毎回フロベールが呼びに来るからだ。
……いったいどうなっているのかしら?
提供される食事は美味しいけれど、クロードとコリンナと同じ空間で食事をとるのは落ち着かない。
クロードもコリンナも、別にわたしに話しかけるわけではないし、二人とももともと会話は多くないようだった。
しーんと静まり返ったダイニングの中、カチカチとナイフとフォークを使う音だけが響く空間での食事は精神的にきつい。
だけど、これがクロードなりの「改善」なのだろうから、文句も言えない。
ほかにも、何故か仕立て屋が邸に呼ばれて、わたしの下着やドレスの購入費の予算が付けられた。
……よっぽど、殺人鬼って言葉が響いたのかしら。
クロードは一生懸命「殺そうとしたわけではない」という自分の言い分を証明しているようにも思える。
わたしの待遇は多少なりとも改善されたけれど、かといって、この家が居心地よくなるわけではない。
とにもかくにも、離婚の準備を進めなくては。
……浮気調査は失敗したけど、何か他にないかしら?
クロードの浮気の証拠をつかむのが手っ取り早かったけど、出てこないものは仕方がない。
……あんまり気は進まないけど、この作戦で行くか。
クロードがダメなら義母のコリンナだ。
コリンナに接触して、義母がわたしを目に見えて虐げはじめれば、それを理由に離婚へ持ち込めないだろうか。
いじめられるのは嫌だけど、背に腹は代えられない。
……よし、お義母様に接触しよう!
そうと決まればどうやるか、だが。
「ねえジュリー。お手紙を書くから、お義母様に届けてくれない?」
様子を探るためにも、最初は軽いジャブ打ちからだよね。
わたしはコリンナに向けた手紙をしたため、ついでに、レース編みモチーフのピアスを一つ同封すると、ジュリーに手渡したのだった。
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