絡まる思い出を
お初にお目にかかります うさぎつきと申します 結末などはもう決まってるのでマイペースにいきたいです
「どうでもいいんだ!科学がどう進歩しようが!!」
「俺たちは糞の掃き溜めに居るんだぞ!!」
「生きるか死ぬか選択を俺らは迫られている!!」
「そうだ!この腐った国を終わらせよう、俺たちで!!!」
「おい!聞いてるか!?!?!?」
捲くし立てる声が耳に突き刺さる。その一瞬、煩わしいと感じたら最後、今日はもう乗り越えられない気がした。
彼の名はタキ。常に忙しなく動き、騒ぎ、叫ぶ男。
基本、彼の話は聞き流すに限る。ひとつひとつに深い意味を求めてはならない。探るだけ時間の無駄だ。
「今日の依頼はもう済んだ。帰ろう。」
短く、冷たく、彼を追い払う返答だが、それで彼が気を悪くすることはない。これが私たちのいつもの日常だ。
毎日、彼の相手をしていると、少々のことでは神経が擦り減らない自分に気づく。彼には感謝すべきかもしれないな。
「おい、どうしたんだ!ぼーっとして?」
「大丈夫か!?疲れたならもう帰ろう。無理は体に毒だ!!!」
「休息は大事だぞ!休めば仕事も捗るし、何より健康で居られる!!」
先ほど狂ったような勢いで叫んでいた男と同じ人物とは思えないほど、まともなことを口にする。しかし、彼の言葉だ。特に気にも留めない。
「何でもない。」
「帰るぞ。」
帰宅すると、私を迎えるのはただ静寂だけ。
時が止まったかのような、この静けささえ、今や私には馴染みすぎている。
驚きもせず、ただそれを受け入れる日々。
静かな空間の中で、彼の声がふと頭をよぎる。
忙しなくも、喧しいあの声が、どこか遠いところで私を引き止めている気がした。
(少し疲れたな、)
ソファー身を沈めるが 一日を振り返る余裕はなかった
(寝てしまうか)
そう決意した瞬間脳は意識を闇に落とした
Pipipipipipipi
朝を告げるその音の煩わしさは彼の騒がしさと張り合えるだろう
けれど、この音だけは彼と違い慣れる気がしない
身支度を終え、重い身体を引きずるように家を出た。
ざわめきと喧騒に満ちた通りを、無意識に脚を動かしながら進む。
その喧騒が遠ざかる頃、ふと足を止め、公園のベンチに腰を下ろす。
かつて、子供の頃に夢中で遊んだ場所だ。今は静かに佇むその風景に、薄れた記憶の断片が揺れた。
『彼女』との記憶もだ
初めて出会った春、何もかもが新しく、暖かな風が二人を包み込んだ。
水を掛け合った夏、笑い声が響く中で、冷たい水しぶきが陽射しを切り裂いていった。
勝手に落ち葉を燃やして、焼き芋を食べた秋、煙が目にしみながらも、ふたりで笑って怒られるのが嬉しかった。
凍えるような寒さの中で雪を投げ合った冬、冷たい白い世界に二人だけの温もりがあった。
あの頃の思い出は、今もなお私の心の奥深くに息づいている。それは朽ちることなく、私を支え、生きる糧となっている。
「・・・・」
感傷に浸っている程暇ではない
『彼女』為にも歩みは止められない
そう決意し記憶の沼から足を引きずり前に進める
全てはあの事件を解決するために
いかがだったでしょうか?1話は何か意識したことはないのであっさりしてると思います 2話 3話回を重ねる毎に深くしていきたいです そんなに長くはならないはずです(多分) 感想などコメントいただけると喜びます