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だらだらとした映画語り  作者: 因幡雄介
映画コラム
23/64

『黒い箱のアリス』 S(少し)F(不思議)な物語 【50点】

挿絵(By みてみん)




【あらすじ】




 事故で母親と右腕を失った少女の身に起きる奇妙な出来事を鮮烈な映像で描き、ジャンル系映画を多数上映するシッチェスやプチョンなどの国際ファンタスティック映画祭で評価されたスペイン製SFスリラー。


 父親が起こした事故で母親を亡くし、自らも右腕を失った少女アリス。それ以来、彼女は周囲に対して心を閉ざし、人間の言葉を話す装置をつけた愛犬をママと呼ぶように。


 ある日、森で巨大な黒い立方体に遭遇した彼女は、その中から1通の手紙を発見する。手紙にはなぜか彼女自身の筆跡で「彼らを信じないで」と書かれていた。


 ほどなくして、森で倒れていたという姉弟を父親が家に連れて来るが……。


 ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2018」上映作品。




【因幡さんの映画語り】




 いわゆるタイムリープものである。


 アニメでいうと、『Re:ゼロ』『時をかける少女』『魔法少女まどか』などなど、一般受けしやすい過去改変物語だ。


 現在の悲惨な事故を回避するために、主人公は過去に戻り、現実を変えるというパターンだが、感動を生む代わりに安直になりやすい。


 キャラが死んでもまた過去に帰ればいいじゃんという奇妙な感覚が生まれるため、あまりタイムリープものを見ない人は感動ものだが、知ってる人は「はいはい。このパターンね」と思われるので、多様できない手法ではある。




 アリス、右腕に義手をつけ、訓練をするが、すぐに嫌になってしまう。


 母親を死なせてしまった父親と関係がうまくいかず、ママと呼ぶペットの犬を連れて外に出ると、黒い立方体が待ちかまえていた。


 立方体から出てきた紙に、自分の字で、『彼らを信じないで』と書かれてある。


 アリスの父親が、彼氏に暴力をふるわれた姉と、口のきけない弟を家に連れてくる。


 弟といい関係になるアリス。


 再び黒い立方体に行くと、今度はメモリーが入っていた。


 そのメモリーの音声を聞いてみると、自分の声でこう命令される。


『連れてきた姉弟を殺せ』、と。




 ストーリーはシンプルで、タイムリープに驚かない人が観ると、退屈だ。


 オチもタイムリープものの欠点で、「まあそうなるわな」と読めてしまう。


 いろいろと放りっぱなしなところはあるが、よい点を上げると、映像が美しく、役者の演技はそこそこうまい。


 死というものをうまく描写されており、そこは観客を引き込むだろう。


 静かな映像美を観たい人にはオススメである。




【宣伝】




発売中の電子書籍↓





挿絵(By みてみん)

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