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だいまおう!:プロローグ

 これが皆の望んだ世界だったのだろうか? これが世界から悪を追いやった後の結果か?

 剣と魔法の時代の世界、勇者様の作った巨大勢力は世界中の悪を殲滅し正義を歌った。

 愚かな事だ、正義など立場の違いだ、正義などその瞬間の立ち位置だ、正義が正義であり続けるのは悪がいるときのみである。そしてその正義に固執する愚かさはとても哀れで、危険なモノだ。それを実感したとおう事はは既に手遅れだったと言えるだろう、しかし手を打たなければならない、手を打たない限り世界は傾き続ける、片手に重しを乗せた天秤の様に。


「畜生、畜生」


 右腕を庇いながら悪態を吐く、しかしその足を歩める事をやめない少年がいた。

 寂れた山をヨロヨロと歩き続ける一人の少年の右腕からは血が絶えず流れ落ちている。それに比例して脳が痺れてきて足への力も自然と伝わらなくなる。やがて彼はその足を止めた、協会の跡地、今は屋根は崩れ落ちヒビの入った白い壁が一枚、ガラスや大理石の破片が散乱している。


「ここだ……」


 少年は壁の助けを借りながらその場に立ち、右手の血で円を描く、そしてその中に七芒星を描きさらに幾何学的な模様をひたすら書き続ける、息づかいが荒くなる、意識が薄れ視界がボヤけてくる、それでも取り付かれた様に必死の形相でその図形を書き続けた。やがて少年は描く手を止めた、そして最後に荒々しくその図形に斜線を引いた。


「頼む……出てきてくれ、魔王! いまここに降臨せよ!」

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