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RE.D PAST  作者: 加藤けるる
七瀬編
20/36

僕ときみの誕生日(後編)

─────────────────────────────────


夕方。下校時間の帰り道に、村野くんの家の前に着いた。

どうやらここが、女子会をする場所らしい。


家の中に入り、いつもの村野くんの部屋に着く。



「……あ!ななちゃんじゃん!」


そこには制服姿の、長野ちゃんに奥原さん、りんちゃんに村野くんがいた。

四人らは机の上で、ポテトチップスをパーティ開けして食べていた。


ちなみに、奥原夏目(おくはらなつめ)さんは、長野ちゃんと同じクラスの女の子。



「あーっ!私のいない間に、なんで勝手に食べてるの!?」

「残念だったな!早い者勝ちってやつだよー!」


私を見て、村野くんはそう言った。

えぇぇ…それなら、一刻も早く食べなければ。



「ほら、早く急いで!」

「ちょっと手洗ってくるから!そのあいだ待っててよ!?絶対だからね!?」


長野ちゃんは、焦っていた私を気にかけてくれていた。

私は猛ダッシュで、洗面所の部屋に移動した。





なんとか間に合い、十分に食べ終えた。

蒼ちゃんはお菓子の袋を、畳んで片付ける。


「……ごちそうさま!」

「はぁー!たまには友達と食うのも、悪くねぇかもな!」


そんな風に、自分のお腹を摩りながら村野くんは言った。

……それにしてもなんで女子会(・・・)なのに、村野くんがいるんだろう。



「…ねーねー凛ちゃん!前に会ってた眼鏡の男のコ、知り合い?」


すると長野ちゃんが、ゴミ箱にお菓子のゴミを詰めるりんちゃんに向かって、そう聞く。


「ああ、新田くんのこと?私の彼氏だよ!」

「へぇ!そうなんだ、かれし______」



……え?


「「「ええぇ─────!?!?」」」



私たちは、声を上げて驚く。

村野くんは一人だけ、ただ呆然としていた。


「う…うそ、お前、付き合ってる奴いたのかよ…??」

「うん!いつかみんなにも話しておこうと思ったんだけど、タイミングが分からなくって」


それを聞いた村野くんは、更に呆然と固まっていた。


そうなんだ。あの「新田くん」って人、彼氏さんだったんだ。

前に二人が話してた時、あれだけ仲良さそうに話してたのは、恋人同士だから?



「新田くんと付き合ってたの!?ショック!!

…てかゆっるさんっ!みんな私を差し置いて、リア充だなんて!!」

「だいじょうぶ!長野ちゃんもかわいいし、いつかきっと素敵な彼氏ができるよ!」

「あ、そう?えへへ!それほどでも」


りんちゃんの一言で、がらっと態度を変えた長野ちゃん。

それ以降は、しばらくりんちゃんの恋バナで持ちきりだった。




しばらく経つと、奥原さんが時計を見て何かに気づく。


「ああーっ!もう夕方じゃないですか!!」

「ええ?」


焦る奥原さんに対し、長野ちゃんは首を傾げる。



「私…あと10分でも遅れたら、親に怒られちゃいます…!」


そう言ってドタバタと鞄を持ち、急いで机の横から立ち上がる奥原さん。

……奥原さんの両親って、厳格な人なのかな。


「じゃ、さよならっ!!」


奥原さんは軽くお辞儀した後、すぐに立ち去っていった。

そんな奥原さんの焦った様子を、私たちは見ていた。


「…あはは!夏目ちゃん、今日もドタバタと可愛いなぁー」


長野ちゃんは、おかしそうに笑っていた。



「…そういえば蒼、4日後に誕生日だったよな?」

「え?…あ、うん、そうだよ!覚えててくれたんだ!」


村野くんが、りんちゃんに対してそう問いかける。



……あ、そうだ。今日は、11月6日。

4日後の、11月10日がりんちゃんの誕生日である。



「ふぅ!よかった!やっぱ確認しとくべきだったな」

「え?もしかして…サプライズとかあったりして。私、期待しちゃっていいかな!?」


そんな風に、胸を躍らせて話すりんちゃん。

サプライズ…かぁ。りんちゃんに、今のうちにプレゼントでも買っておこうかな。


─────────────────────────────────


「おっせぇ」


夕暮れ、マンションの部屋の前。

玄関の扉に体を寄せ、中島くんが不機嫌そうにこっちを見ていた。

あっしまった。彼に部屋の鍵、渡してなかったっけ。




二人で玄関の部屋に入り、私はため息をつく。


「……長かったな、女子会」


すると彼に、疲れ果てていたオーラを感づかれる。

あ、女子会のこと知ってるんだ、中島くん。



私はカバンを玄関の棚に置き、もう一つため息をついた。


「ちょっと…疲れた、かな。喋り疲れてノドがいたい」

「あ、そ。大丈夫なのかよ」


あれ、心配してくれてる…?


「ありがと、でも大丈夫。水を飲みさえすれば…」

「は?ちげーよバカ」


え?

今の、心配してくれたんじゃなかったのかーいっ!!



「このまま、ぼけーっとしてて大丈夫なのかよって話。次のターゲット…見当ついてるよな」

「つ、次のターゲット?」

「次に事件に巻き込まれる奴だ」


次に事件(・・)に巻き込まれる…って

もしかして、中島くんが前に言ってたやつ?



「……蒼が、一番ヤバいだろうな」

「りんちゃんのこと?」

「そうに決まってんだろ」


りんちゃんが事件に巻き込まれるって?


「最近、あいつとやけに関わってる人間がいる」

「え?もしかして、新田くんのこと?」

「そいつが怪しい」


新田くんが、怪しい?

中島くんはいつにも増して、真剣な顔をしていた。



「おい、しばらくじっとしてろよ七瀬。俺がしっかり決着(・・)つけてやる」


中島くんは私にそう言い、玄関からリビングの方へと向かっていった。



決着…って、一体どうやって、決着をつけるつもりなんだろう。

後でそれを聞いても、話してはくれなかった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



時は経ち、11月10日。

この4日間は、特になんの変化もない日々だった。


今日は、よく晴れた日。カーテンから空を見上げれば、広々とした青空が広がっていた。



朝日の光が窓から差す中、お父さんとマンションの部屋で朝食を食べている。

ちなみに中島くんは、ここにはいなかった。


「「………。」」


お互いに、どんよりとした空気のまま、朝食を口の中に入れる。

…それは当たり前。男子生徒を、この部屋の中に住まわせたことを知られたのだ。



「あの、お父さん」

「………。」

「…ご、ごめんね、勝手に知らない人、部屋に住まわせちゃって…」


お父さんは、何も言葉に出さず、ひたすら箸を動かしている。



「……お前も、彼氏が出来たんだな」

「え?」

「この前ばったり会った。随分と、ハンサムな男じゃないか」


私はつい、動かしていた箸を止めた。


え!?そういう事!?

あらぬ誤解をされて、ちょっとばかり困惑してしまう。


しばらく誤解を解こうと必死だったけど、誤解が解けぬまま、朝食を食べ終えてしまった。



自分の部屋に戻り、スマホを確認する。

…すると村野くんから、数件のメッセージが来ていた。


『おい!?中島が入院したってよ!?』


一番最初のメッセージが、それだった。

私は、一緒に送られてきた病院の住所を見て、すぐに出かける準備をする。




「大丈夫!?」

「うっせーな…大丈夫に決まってんだろ」


病室で、ベッドに横たわる中島くんに声をかけた。

…いつも通りだし、大丈夫そう。だけど、頭には包帯を巻いていた。


私は、隣にあった丸椅子に座る。

何があったのかと聞くと、中島くんは今日の朝、外を歩いていた時、階段から突き落とされたみたい。


その時に、頭を強く打撲して出血したそうで…

彼曰く、新田くんに突き落とされたって言ってる。



「どうして、こんな朝っぱらから外に行ってたの?」

「……昨日学校で、アイツに直接話そうと誘われた。

言っとくけど俺は、突き落とそうとした奴の顔を見たからな…!」


悔しそうに歯を見せながら、片手でベッドを叩く中島くん。

その時の中島くんの目は、怒っている様に見えた。


…りんちゃんの誕生日だっていう時に、こんなことが起こるなんて。




そのあと村野くんがやってきて、それからすぐに私はここから立ち去った。

すると、病室の廊下にいたりんちゃんとばったり出くわす。


「あ、実花ちゃん。どう?蓮木くんの様子は」

「うん…大丈夫そう、だけど…」


ふと、りんちゃんの瞳を見る。

まるで全てを明るく照らすような、純粋な目だった。



「…あのね」

「ん?どうかした?」

「……今日、りんちゃんに着いていっていいかな。なんだか心配なんだ」


私はつい心配になり、りんちゃんに着いていっていいかと、許可をもらう。

きょとんとした表情をしていたものの、すぐにオーケーしてくれた。


今日は、幸せな誕生日にしてあげたい。




その後再び、病室で中島くんと話す。

中島くんはその時、新田くんの件に関しては一言も話さなかった。


その後、帰り道の、街の歩道をりんちゃんと二人で歩く。


「中島くん、よかったね!いつも通り元気そうで」

「う、うんまあね…」



…私から、話しておくべきかな。

思い切って、その場に立ち止まる。


「……あのさ、りんちゃん」

「ん?どうかした?」


彼女はこっちへ振り返り、首を傾げる。


「りんちゃん、彼氏いるって言ってたよね」

「新田くんのこと?…うん。それがどうかした?」



私は下を向いて、思い切って言った。


「……新田くんって人、りんちゃんの命を狙ってるかもしれない」



りんちゃんの顔を見ると、首を傾げたままの状態だった。




「あっ!二人とも〜!」


すると、その横から長野ちゃん、奥原さんがやってきた。



「二人とも丁度良かった!ななちゃん、いいから着いてきて!」

「えっ_____うわっ!?ちょっと!?離してください!?」


すると長野ちゃんに、半ば強引に腕を掴まれ、引かれる。


「み、実花ちゃん!?」

「あ、気にしないでください!蒼さんには、私がついていますので!」


りんちゃんの背中に手を置く、奥原さん。

そっちへと近づこうとしても、強引に引きはなされてしまった。




「……ちょっと長野ちゃん!?どうして引き離したりなんかしたの!?」


ようやく長野ちゃんの手が離れた私は、ついつい彼女に怒ってしまう。



「あっごめんね、ななちゃん。村野くんに指示されて」

「村野くんに指示された?」

「うん。今からアイツん家で、誕生日サプライズをするつもりなんだけど…」


えっ。誕生日…サプライズ?

もしかして、村野くんはこれまで、それを計画してたの?



「ななちゃんにも、飾り付けを手伝って欲しいんだって。蒼ちゃんの事は夏目ちゃんに任せて、とっとと行こ?」

「…うーん…」

「ねえ、今日はあの子の、さいっこうの誕生日にしようよ!」


そう言われて、ハッとする。

…ひとまず今日は、村野くんの家に向かうことになった。


─────────────────────────────────


「連れてきたよ!重要な助っ人!」

「うおぉ!助かるぜ、ありがとな!」


やがて、村野くんの家に着き、部屋に向かった。

部屋に着くと、色紙で作った飾り付けが、壁一面に貼られていた。


「す、すごい…!これ全部、村野くんたちが作ったんだ…!」

「まあな!ほらそこで突っ立ってないで、早く手伝ってくれよ!」


私は「うん!」と返事してテーブルの前に座り、すぐに取り掛かった。



その後、村野くん、長野ちゃんと三人で色紙を切りながら、色んな事を話した。


特に気になったのは、村野くんがもっぱら図工が苦手だった事を知った時。

確かによく見てみると形はいびつだったけど、

「気持ちがこもってればそれでいい!」と村野くんは話した。



そうこうしていると、神崎くんもやってきた。


「おっ!神崎!」

「その…僕も何か、役に立つことあるかな」

「いいぜ!んじゃ、七瀬の隣座れよ!」


え、いやいや!一言余計だよ!?

心の中で焦っている私をよそに、神崎くんは私の隣に座る。

彼も横にあったオレンジ色のハサミと、作りかけの装飾を手に取り、作業を始めた。


終始、神崎くんとはわずかに反対の方向に体を向けた。



「…んじゃ、俺たちは食べ物買ってくるわ!」

「あ、私も行く_____」

「まあまあ!お前らも、いちゃつきたいだろ?」


はっ、む、村野くん!?

にやけた表情を見せながら、村野くんは部屋から去っていった。

その時、神崎くんも少し焦った様子だった。


長野ちゃんも「ひゅーひゅー!」と言いながら、その場を立ち去っていった。

……あの二人が合わさると、ちょっと厄介だね…。




また、沈黙の二人っきり。


「た、誕生日プレゼント、買ったんだ…」

「……えっ。あっそうなんだ…。」

「その…りんちゃんに気に入ってもらえたら、喜べる、かも…」


なんだか変な日本語みたいになっちゃった。

すぐにそんな他愛のない会話は、終わってしまった。



「……あのね」


すると、神崎くんの方から口を開く。

「なに…?」と返事すると、緊張気味な面持ちで、私にこう話してくれた。


「……少しだけ、本音を言ってみてもいいかな」

「う、うん。いいよ。言ってみて」


すると神崎くんは作業を中断して、私の方に体を向ける。

私もハサミなどを置いて、神崎くんの方を向いた。


神崎くんは私の方をじっと見て、深呼吸した。



「あの時から……七瀬さんが、ずっと可愛く見えてしょうがないんだ」



_______っ!?!?!?


えっ、えっ…!?

動揺を隠せず、顔が熱くなってゆく。


え、神崎くんが私のことを、可愛いって言った……!?


ガチャッ。


「しまった!上着忘れて…ん?もしかしてお邪魔だったか?」



村野くんが戻ってきて、私たちはとっさに体の向きを逸らした。

彼はそれを見て、何やらニヤついているように見えた。


─────────────────────────────────


「よし、できたっ!!」


そう言って、大きなメッセージ付きの紙を、部屋に貼り終えた長野ちゃん。

そんな様子を、私たち三人は後ろで見ていた。


「うおー!すげー!『りんちゃん 誕生日おめでとう!』だってよ!」


ようやく、この部屋の飾り付けが終わったみたい。

壁一面には、色紙の装飾。机の上には、コンビニのショートケーキが四つ置かれていた。



「よーし、みんなありがとな!」

「ううん!せっかくの誕生日だし、みんなでお祝いしてあげなくちゃ!」


村野くんと長野ちゃんは、満足そうに床に座った。


「完成して良かったね」

「うん…!あとは、蒼ちゃんが来るかどうかなんだけど」


そんな風に神崎くんと話していた。

蒼ちゃんは、やって来るのか。私はそれだけが心配だった。



「うーん?時間的に、もうすぐ夏目ちゃんと一緒に来るはずなんだけど…」


その長野ちゃんの一言で、不安が徐々に募ってゆく。




………。


「…もしもし夏目ちゃん?」


しばらく経ってから流石に不審に思ったのか、

長野ちゃんはスマホを取り出し、奥原さんに電話する。



「…え?うん。わかった…けど…」


電話を切った長野ちゃんは、どこか困惑した表情だった。


ゆっくり休憩を取っていた私たちは、長野ちゃんからあることを聞く。



「…今蒼ちゃん、新田くんの家にいるって。夏目ちゃん、公園で待ってるみたい」

「はぁ?なんで彼氏の家なんかに?」


……え?

それって、まさか……



「ん?お、おい?どうしたんだよ七瀬?」


私はすぐにカバンを持って、急いでこの家から出た。




公園に着き、走って奥原さんを探す。

私はベンチに座っていた奥原さんに気づく。


「あれ、七瀬さん!?どうかしましたか?」

「はぁ…はぁ…!あ、新田くんの家はどこですか…?」


彼女の目の前に立ち止まり、息を荒げながら、そう聞いた。



「えっと…新田くんの家なら、あっちの方に____」


私は奥原さんの指さした方向に、すぐに走っていった。



「え、ちょ、七瀬さん…!?!?」


困惑げな大声で、私を呼ぶ奥原さん。

けれど、今はそれに構っている場合じゃなかった。




やがて、「新田」と書かれた名札のある家を見つけた。

……黒い屋根に真っ白い壁の一軒家。定期的に手入れされているみたい。


私は、息を切らしながら、すぐにドアのチャイムを鳴らそうとする。



ガラガラガラ……


しかしその直前、ガレージから扉の開く音がして、

チャイムを鳴らそうとした自分の手を止めた。



私は物陰から、ガレージの方を覗き込む。


……そのガレージには、新田くんがいた。



私の方には気づいていないみたいで、

むしろ駐車されていた黒い自動車のトランクを、じっと見つめていた。


するとその人は突然、不気味に笑みを浮かべ、何かを話す。


「…今日は、僕ときみの誕生日だ」



……その瞬間、何もかもがぞっとする。

新田くんは、トランクの中にいる「何か」に話しかけていた。



『僕ときみの誕生日』……って、まさか……



新田くんは、横にあった扉を開けて家の中へ入っていった。

その隙に、私はその車のトランクの中身を覗く。




……りん……ちゃん……?



りんちゃんが腹から血を流し、トランクの中に詰められていた。

私は思わず、口を両手で塞いだ。そして恐怖で、後ろの方に倒れ込む。


う、うそ…?どうして…?

「次の事件」…それがまさに今、この場で起こっていた。



「………何をやっているのかな」

「っ__!?」


声の方へと振り向くと、新田くんが、右手に包丁を持ってそこにいた。

普段とは豹変した目つきで、私のことを見ている。


その鋭い包丁は、真っ赤に染まっていた。


「っ……嫌っ!!?お、お願いだから、来ないでください…っ!!」

「…ねえ、君は凛の友達だよね。どうして、ここに来たのかな。誰かに言わないよね?絶対に、言わないよね?」


座り込んだまま、ゆっくり後ろに後退りする。

しかし新田くんは、少しずつそれに応じて、ゆっくりとこちらへ近づいてきた。


やがて、どんどん壁に追い詰められてゆく。



「…僕らの愛を邪魔するやつは、とっとと消えろ……ッ!!!」



すると、自分のお腹から、鋭い激痛が走った。

包丁を腹に刺されていた。そこからは、赤い血が溢れ出す。


「___っあ……!?!?」


必死に助けを呼ぼうとするものの、刺された箇所が痛んで大声が出せない。



「……あっははははははハハハ……ッッ!!!」


新田くんは不気味に笑いながら、包丁から手を離す。



そのまま新田くんは、ガレージの扉から、この場所を立ち去っていった。




……もう………だめだ……っ……


私は、このガレージで、絶望状態だった。

まさか私がりんちゃんと、同じところで、死ぬなんて……




………。


意識がもうろうとする中。目の前に、黒ずくめの人が、現れた。

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