創作物
小さいころ 幼稚園へ行くのが嫌だった
母親と離れるのが不安だった
小学生のころ 外で遊ぶのが好きだった
友だちと恋の話もした
中学生のころ 好きな人ができた
同じ部活の先輩だった
果たしてそれは 本当に私の記憶だろうか
果たしてそれは 本当にあなたの記憶だろうか
当たり前のように目の前で笑う この人は誰だ?
こうして絶えず考える この意識はなんだ?
見えない糸が 私を操っている
記憶を保存した媒体が 脳に埋め込まれている
馬鹿馬鹿しい と 私は笑う
私は 生きている
そっと胸に手を当てる
ぶつっと 電源の切れる音がした