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第0章【プロローグ】
「・・・・」
真っ暗な世界に雨が地面を打ちつける音が聞こえる。
ぼんやりとした意識の中で強い疲労感と睡魔と闘いながら、やっと自分が倒れている事に気付いた。
体を動かそうとしてみたが、指先が少し動かせるぐらいで他は全く動かせない。
周囲を伺うと、辺りは異臭が漂い、雨の音以外物音ひとつ聞こえない。
だんだん不安になり目を開けようと目に力を込める。
鉛のように重いまぶたをこじ開けながら、薄く目を開ける。
目の前にはぼんやりと明かりが見え、何かが倒れているようだ。
目を凝らし、次第に視界が明るさに慣れ、倒れている物が何か理解する。
そこには腕が変な方向に折れ曲がり、胸から上がはじけたようにぐちゃぐちゃになっている物が見えた。
「・・・・」
壊れた物を確認した少年は静かに微笑んだ後、静かに瞳を閉じ、眠りについた。