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LOA(Leads one away)  作者: 神城 未来
9/13

想定外の展開

俺は驚愕した・・・


「ははは・・・またまたww」


俺は、動揺しすぎてボー読みでそう返すのがやっとだった。


でも佐藤の表情は、真剣だった。


でもこういうのって演技してる可能性もある・・・


俺はとにかく、いろいろな事を考える。


「嘘じゃないわ。だって私は、5歳のとき両親が離婚したのよ。」


「なっ?・・・」


俺と同じ時期に・・・・


いや、でもたまたまだろ・・・


ん?


閃いたぞ。


本当にそうなのか試してやるか。


「俺の父親の名前は?」


「白川翔英」


即答・・・


「マジかよ・・・」


しかもあってる。


佐藤は、呆れたような表情でいう。


「だから嘘じゃないって。私、わざわざいたずらで呼んだりしないわ。めんどくさいし」


「いまいち信じられない」


「そうでしょうね」


「じゃあ何で今まで黙ってたんだよ?」


「言ってたとして、信じた?」


そう言われ、俺は黙り込む・・・


「私的には、高校1年の1学期が終わるまでには言うつもりでいたのよ。早まった行動は、いろいろと危険が多いし」


「じゃあ何で今日なんだよ?」


佐藤は、嫌な笑みを浮かべる


「何でだと思う」


「なんか気味悪いぞ」


佐藤は、少し怒ったような表情になり、声のトーンを低くして言った。


「それはね、今日あんたに泣かされたから」


そういえば・・・・


なるほど・・・


仕返しみたいなものか・・


「今日のことは悪かった」


素直に頭を下げて、詫びた。


「罪滅ぼしにはならねえかもしれないけど・・・」


佐藤は「ふん・・・」っと鼻で笑う。


「別にもういいわ。ちょっと言いたくなっただけ」


「そうか。ありがとう」


佐藤の顔が少しだけ紅潮したように見えた。


まあ気のせいかもしれないが。


「まあとりあえず・・」っと仕切りなおす佐藤。


「私が言いたいのは、うちのお母さんとの再婚をあんたのお父さんに、考えて欲しいっていう事」


俺は、一瞬硬直する。


状況を飲み込むのに、何秒かの時間がかかった。


「いやいや、そりゃ無茶だろ?」


「無茶じゃない」


「今更再婚なんて、どう考えたっておかしいだろ?」


佐藤は、少し考えた後


「じゃああんたは、自分の家族とこのまま離れ離れでも平気なわけ?」


「そんなわけないだろ」


「じゃあどうしてよ」


「そりゃあ、家族一緒に暮らせるっていうのは、理想の状態だ。でも何年も離れてた家族がまた一緒になって、今より状況がよくなる保障はない」


俺はついカッとなってきついことを言ってしまった。


でもきついことも言いたくなる。


それほど、大事なことだから。


よく見てみると、佐藤が涙目になっていることに気づいた。


「ごめん・・・」


また泣かしたらやばいと思い謝った。


「何で謝るの」


佐藤は半ギレした後、弱々しい声で言う。


「それでも家族は一緒じゃなきゃだめなの」


その言葉に、俺は涙が出そうになるがこらえた。


ここで泣いたら、かっこ悪い。


「それは誰の意見なんだよ?」


「私の意見よ。お母さんにそんな事相談できるわけないでしょ」


強い口調で返され、黙ってしまった。


でも、俺はここで最大の疑問に気づく。


もし、家族一緒に暮らすことになれば、佐藤と一緒に暮らすことになる・・・


そこが気になり、聞いてみる


「お前、俺と暮らすことになるけどいいのか?」


佐藤は、頬を赤らめそっぽを向いて、つぶやいた。


「家族だし良いに決まってるでしょ・・・」


なんかこのときの佐藤は、すごい可愛かった。


惚れてしまいそうだ・・・


でも妹だからな・・・信じられねえけど。


そんなことより、あの佐藤がここまで、自分からプライド捨ててまで、言ってるんだしな。


もう俺はこういうしかねえだろ・・・


「わかったよ」


少し間をあけて、心を落ち着けてから言った。


「俺、親父に相談して見るよ」



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