弱い自分
「・・・・・」
懐かしい記憶がよみがえる。
お母さんに昔よく言われてな・・
「しおりはほんとに甘えん坊さんだね」
そうだった・・・
私は、いつもお母さんの傍にいつもくっついてばっかりだった。
寂しいのが人一倍耐えられなくて、幼稚園でいつも口が悪いから仲間はずれにされて、すごい寂しくて、幼稚園抜け出して家に逃げ帰って、お母さんに泣きながら飛びついたことがよくあった。
私は一人が嫌いだった・・・・
ずっと忘れていた・・・
いくら他の能力を積んで成長してあの時とは変われても、そこは変わってなかった。
でもそれが嫌で、そんな弱い自分が嫌で、それを忘れるためってのもあって余計努力することを続けることができたのだろう・・・。
努力しているときはそんな寂しさも感じないくらい没頭しているから・・・
この胸が少し痛くなる感じ・・・
懐かしい・・・
昔よくこういう感覚に襲われた。
何年ぶりだろうね・・・・
「私・・・やっぱり寂しかったんだ・・・」
私は、盛大に泣いた。
もう何年も溜め込んだ物を一気に吐き出すかのように泣いた。
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目の前にいる少女は、泣き出していた。
俺はそれを見て、思った。
良かった・・・・
やっと本当の自分を受け入れることができたんだな・・・。
強い自分、弱い自分、人間はその二つで出来ている。
そのどちらかが欠けていたら、人間として成り立たない。
それを彼女は多分身をもって知ったのではないだろうか・・・
「龍翔、終わったか?」
優輝がこちらに近づいてきて、聞いてきた。
「ああ、なんとかな」
「そうか」
優輝は、俺の肩を叩き、
「見ろ・・」
その指先には時計があった。
俺は、唖然とする。
「1時18分・・・」
あと少し長引いてたら、大変なことになっていた・・・。
「まあ、一件落着って事でいいよな。皆」
大声で優輝がそういうと、皆渋々という感じで頷いた。
その様子を見て、安堵の息をつく。
8時半になり、何事もなかったようにホームルームが始まった。
それから時間がしばらく経ち、今は放課後。
俺は今屋上にいる。
何でいるかというと・・・
帰りのホームルームが終わると、佐藤に屋上に来いと言われたからである・・・
正直今はすごい恐怖で、足が震えてる。
心臓もドキドキしてる・・・
ああ~・・・もう早く帰りたいよ・・。
ただでさえもう、かなり緊張してるのに、なんで本人はまだ来ないの?
放置プレイか?
放置プレイのつもりなのか・・・・
だったらたち悪いぞ・・・
極度の緊張状態で、わけの分からない思考をしていた。
ドン!!
力強く屋上のドアが開けられる。
「うおおおおお」
びっくりした・・・・。
「リアクションがいちいちうざいんだけど・・」
不機嫌そうな顔して、佐藤が来た。
うわぁ・・・・
いつもの佐藤だ・・・。
人を寄せ付けないオーラが、普段より放出されてる感じがした。
佐藤は、こっちにどんどん接近してくる。
やばい、並みのホラー映画より怖いわ・・・
体から冷や汗が出てくるのを感じる・・。
「何怯えた顔してるの?」
「いや、もとからだ」
「あっそ」
佐藤は、ピタッと止まる。
すごい緊張感だな・・・
屋上全体に緊迫した空気が走る。
「単刀直入にいうわ」
「ああ・・」
「私は、あなたの妹なの」