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理由

 買い物をする場所は、学園から歩いて15分ほどの所にあり多くの店が立ち並ぶ商店街だ。


 この人工島には、超能力者がいる危険を承知での上でたくさんの者達が移り住んでいる。


 それは、この島が観光名所になると睨んで建設された施設に勤める者であったり、島建設予定時から声を掛けられていた店であったり、子供が将来超能力に目覚める可能性が高いと判断された幼い子の親であったり様々であるが、やはり地価が安く、建設技術の躍進により以前と比べ移住のハードルが低くなったことが大きな要因だろう。


 ようするに、一見すると普通の町とあまり変らないこいうことである。


 さて、せっかく零子と二人きりなのだから気になってることを聞いてみよう。


「なあ、学園長の言っていた決闘システムの変更なんだけど、零子はなんであんな仕様になるのか知ってるか?」


 生徒会長である零子ならば、知ってるかもしれないと思い聞いてみたのだが・・・


 零子は、「うーん」と少し悩みながら口を開く。


「予想になっちゃうんだけどいい?」


「頼む」


「おそらく学園長は、私たちに力の使い方を知ってほしいんじゃないかしら?」


「力の使い方?」


 抽象的なその表現にオウム返しに聞き返す。


「そう、バトルにしろそれ以外の競技にしろ能力を生かして戦うことになるわよね?」


「ああ、そういうお達しだったな」


「でも、あらゆる勝負に勝つためには自分の能力を使いこなさないといけないし、特殊な競技を思いつくには能力について良く考えないといけない」


 この学園で戦闘に応用できない能力を持った者は、たいてい他に戦闘向きの能力を持っていることが多い。


 しかし、中には非戦闘能力オンリーという者もいるのでそういった者達が勝つためにはうまい競技を考える必要があるだろう。


「そうやって自分の能力と向き合って、どんな能力にもいろんな使い道があるんだって、役に立つんだって知ってほしいんじゃないかしら」


「うーん、よく分らないな。でも、やっぱり能力によってはどんなに頑張っても勝てない奴もいるんじゃないか?」


「それについては安心して。少し学園長に話を聞いたら「1000ポイント以下の者は加点も減点もしない。1000ポイント以上の者を加点するだけだ」ですって。たぶん明日あたりに知らされると思うわ」


「なるほどそれなら、急激に決闘が増える事はなさそうだな」


 しょせん内心点だし、不参加にデメリットがないならやらない者も多いだろう。

 

 しかし、そこで零子は「でも・・」と区切る。


「あの学園長のことだから、頑張った人には勝手に加点しそうじゃない?」


「ははっ!たしかに、あの人ならやりそうだ」


 久々の幼馴染との、他愛ない会話を楽しみながら俺達は商店街に到着した。

 

本日はもう一話、投稿予定です。

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