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6

学園長はまず、俺を職員寮の部屋に案内した。

ここが父の私室だという。だが、そこにはほとんど何もなかった。


「こちらに帰ることもあまりなかったようだけど、一応ここがソーン先生の私室だ。こちらも、確認しておいてほしい」


俺ははい、と頷いた。

そしてもう1ヶ所。そこは…王都の外れにある、共同墓地だった。そこに父が眠っているという。

そこまで案内する、と学園長は言ってくれたが、俺はそこまでしてもらわなくても大丈夫、とその申し出を断った。他の仕事もあるだろうし、そこまで付き合ってもらうのはもうしわけない。それに…あまり、誰かと行きたい場所ではない。

学園長は俺の気持ちを汲み取ってくれたようだった。詳しい行き方と父のお墓の場所をメモした紙を渡してくれた。王城前から出ている乗合馬車に乗れば、さほど時間はかからなそうだ。


「学園長、本当にありがとうございます」

「いやいや、これくらい何でもないよ。…今度、休憩する時に一緒にお茶でもしよう」


学園長は俺が乗合馬車に乗るのを見送ってくれた。



1時間ほどで、共同墓地についた。

周囲は意外なほどにぎやかで、暗い雰囲気はない。墓参りに来る人のための食堂や花屋などの商店が軒を連ねていて、繁盛しているようだった。


共同墓地はいくつかの区画に別れている。父はその中でも奥の方に埋葬されているらしい。メモを頼りに足を進めていく。最初は聞こえていた人々の声もなくなり、だんだん寂しくなってくる。

20年も会っていなかった父は、なぜ亡くなったのか。どんな気持ちだったのか。もしかして、俺に会いたいと思っていたりしたのだろうか?それとも俺のことなんか忘れて、研究に没頭していた?

まったく想像できなくて、俺もどんな気持ちになったらいいのかわからなくて、モヤモヤする。

こんなことなら、もっと会っておけば良かった…。


角を曲がった所に人影があり、俺は立ち止まった。

そこは、父の墓のはずだ。小さな墓標がある。その前に、…金髪の人が、立っていた。


「……え、」


俺は小さく声をもらした。

だって、金髪って、それは。

だがその人は、ここにいるはずがなくて。

なぜ……。


ゆっくりと、人影が振り向く。

その人は…間違いない。美しく光を反射させる金髪のエルフ、イーヴだった。


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