一番外編 #質問コーナー……?
先日質問を募集したところ、ついに初質問が届きました。
内容は以下のとおりです
『寝落ちしているところに妹が来て甘える。
もしくは姉と妹が来てどっちが甘えるかけんかする。』
質問ではなく、リクエストが届きました。本当にありがとうございました。
それでは読書ください、三角形MGSで『在りし日のニアミス』
「うわああああ!!!!!!」
酷い夢を見た。
兄の葬式の夢だ。
兄は左手と両足が無く、顔の左半分が抉れた状態になっていて。
それを見て、兄に生き返ってと叫んだら兄が起き上がって。
生き返ったと喜んだ私に近づき、まるで憎み、苦しみ、殺気さえ感じてしまうような表情で言った。
——————。
記憶はそこまでだ。
そこでびっくりして起きてしまったからだと思う。
ふと、さっきまで頭を預けていた枕を見てみる。
そこには私の汗がビッショリとついていた。
布団にも水分がいっぱいついていた。
どうやら尋常じゃない汗が出るほどうなされていたのかもしれない。
「あっつい……」
季節的には今は冬で、それもここ最近は氷点下が続いているから暑いなんてことはないとは思うんだけどな。
身体を冷やす為に布団をずらす。
すると、隙間から冷ややかな空気が入ってきて身体が冷やされてきた。
「ああ〜……きもち」
ふと、どうしてあんな夢を見たのかを考える。
まあ理由なんて一つしかないけど……
「お兄め……」
私の兄は大馬鹿者だ。
それは、絶対で、間違いなくて、火を見るより明らかだ。
探索者なんていうやって欲しくない危険な仕事に就いているし、何より仕事中に二度も記憶を失っているのに、最強を目指すとか言って探索者を辞めていないのだ。
なんでもコユキ姉を、その場の人達を守るために戦って記憶を失ったみたいだ。
その度にコユキ姉には何度も謝られられた。
わたしの所為でごめんなさい、って。
それでも、コユキ姉が原因だとしても、私はコユキ姉を責めようとは思わなかった。
だって初めから私たち家族がクロが探索者になるのを止めておけばそうはならなかったんだがら。
一度記憶を失ったとき、本気で探索者を辞めろと説得したことがある。
これだけの辛い目に遭ったんだから探索者辞めろと説得を試みた。
兄は決して話は聞いちゃくれなかった。
俺は最強になるんだ、と言って聞かなかった。
一体何が兄をそこまで突き動かすのだろうか。
私には分からない。
二度目は病院で会った時、私たち家族の姿が見えた瞬間に、俺は探索者は辞めねえと叫んだ。
その時私は悟った。
死にでもしないと、この男は探索者を辞めないんだと。
その時は次記憶をまた無くしたら探索者を辞めること、と約束をさせた。
これがなんとか譲歩できたことだ。
本当に馬鹿だ。
大馬鹿者だ。
勢いだけの生き方していたらいつか取り返しのつかないことが起きてしまうのに。
酷い言い方だが、記憶を無くして欲しい。
そしたら約束通り探索者なんか辞めて平和に暮らせるからだ。
私だってお兄の夢を応援したい、けどそれ以上にボロボロになった姿を見たくないんだ。
わがままだなんて言わせない。
私はお兄が大切で、大事で、そばにいて欲しいんだ。
だからもう……怪我なんて……記憶も無くさないで……
まって、どうして考えつかなかったんだ。
次は記憶を無くすどころじゃない、もしかしたら死んで家に帰ってくるかもしれない。
それもボロボロで、手足が無くなっているかもしれない。
さっきの夢見たいに。
嫌だ、嫌だ、嫌だよ……
お兄……
私はこうやってたまに、いつか来るかもしれない想像をして何度泣いたんだろ……
これも全部お兄の所為だよ…………
今はすぐ近くに兄はいるが、もしかしたら遠くに行ってしまうかもなんだ。
そう考えると今すぐに兄に会いたくなった。
「…………」
私は自分に掛かっていた毛布を押しやり、部屋を出ると隣の兄の部屋に向かった。
ドアを開けると、自分のベットで大の字になって気持ち良さそうに兄が寝ていた。
なんなんだこいつ。
私はあんな思いをしていたというのに。
ぐーすかぐーすかねやがって。
それでも兄の顔を見ると安心した。
兄はまだ生きているのだ。
「おーい、お兄」
「ぐぁー、ごっ」
「あは、へんなイビキ」
あんまり気持ちよさそうに寝ているからほっぺを突いてみたが、全く起きる気配はない。
…………今なら何しても起きない、かな。
「ちょっとくらい……いいよね」
そこで私は毛布を少しめくり、兄の横に滑り込んだ。
べ、別にお兄と一緒に寝たいからそんなことをしたわけではない。
ただ、ちょっと……そう安心。安心したいからだ。
家族だしバレてもへーきへーき。
もっと何か……
そうだ、ちょっとくらい抱きついてもいいよね……
「んっ……」
私はお兄の左半身に抱きついた。
遠慮はしない、あんな思いをさせた兄が悪いのだ。
私は何にも悪くない。
えへへ、お兄の匂いが凄くする。
それにしてもすごく心地いいなこの兄の身体は。
こんなに身体を寄せ合うのは久しぶりだな。
いつもアホなくせに、身体は立派になっちゃって。
すごく、安心するよ。
「う〜ん……」
兄がうめき声をあげた。
あー起きちゃったかな。
でもだいぶ心は安らいだし、そろそろ自分の部屋に戻るかな。
ありがとう、お兄。
「ん!」
「ふにゃ!?」
起きたかと思えば兄は私の身体を引き寄せ抱きしめた
まってまって、抱きしめた!?
お兄からするのは聞いてないよ!
め、目の前にお兄のお腹が……ダイレクトに匂いがくるんだけど!
臭くないけどおかしくなるって!
「んー……」
「〜〜〜!!!」
く、苦しい。
締める力強めないでよ……
ちょっと私は抱き枕じゃないってば!!!
ここは起こすか……いやでも寝込みに来たの私だし申し訳がないな……
まあでも、解放されるまで待てばいっか。
私は別に嫌じゃないし……普段はこんなことしないし……もっとやってても……
「あっ……」
「zzz」
向かうが抱きしめてきたので、こっちも抱きしめ返しているとついに兄は寝返りを打って、私から離れてしまった。
そろそろ潮時かな。
まあでもいっぱいお兄を……ううんあんまりベタベタしても気持ち悪いか。
もう自分の部屋に戻って寝よう。
「おやすみ、お兄」
私は兄を起こさないようにそっとベットから抜け出し、自分の部屋へ帰った。
今日はいい夢が見れそうだ。
◇
「おやすみ、お兄」
唯がそう呟き、俺の部屋から完全に出て行ったことを確認して俺は独りごつ。
「あいつ何してんの…………」
俺は、妹の普段なら絶対しない行動に少し動揺をしていた。




