虚偽
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空が白み始めた頃に自身の部屋へと戻って来た英夢は、いつも通り――否、いつも異常に協力で厳重な魔法による防音と施錠の魔術を行使する。
そうして準備を整えたところで、緊張から縮こまるレイラを自身のベッドへと押し倒す。エリカを始めとした、様々な女性と交わったベッドへ。
『さあ、レイラ……じっくり楽しもうじゃないか』
『その前に、一つ約束してほしいことがあります』
『約束? 何かな?』
『私は、貴方と寝ます。私の……純潔もあげます。だから、その代わりリュートを開放してください。彼に掛けた呪いを、解いてください』
『……何だって?』
『貴方の目的は、私を自分の女にすること。それが叶えば、リュートはもう用済みのハズ。彼に、呪いを掛け続ける意味は無いハズです。だから、どうか……』
上目遣いで懇願するレイラ。
その言葉を聞いた英夢は、『ふむ……』と逡巡し。
『……まあ、いいか。約束してあげる』
『ありがとう、ございます』
『さてと、それじゃあ……』
スケベ心丸出しの品のない顔で、レイラの制服に手を掛ける。勿体付けたような丁寧さで上着のボタンを一つずつ外し、次いで下に来ていたシャツのボタンも外していく。
『おぉ……』
僅かに朝日の差し込む些か薄暗いベッドの上で、その微かな光に照らされる上半身下着姿のレイラ。その姿は英夢の目に酷く幻想的に映り、同時にこれまで幾日も待ち焦がれた少女の初めての男になれることへの期待と興奮から胸と下腹部を熱くする。
湧き上がる劣情に理性のブレーキなど軽く崩壊して、最早下半身の奴隷と化した英夢。これまでのゆっくりとした丁寧な脱衣を続けられるほどの精神的余裕などとうに消え失せ、そこからは衣類が破れかねないほどに乱暴で強引な脱衣へと移行。
ほんの数秒足らずでレイラは上半身だけでなく下半身まで服を奪われ、生まれたままの姿へ戻される。
『あぁ……待ち望んだ瞬間が遂に来た! 今日こそ、俺の主人公としての絶頂の日だ!』
一人そう叫ぶと、猛り狂う肉欲に任せてレイラの肢体を貪り始める。
初めてで床慣れていないレイラへの気遣いなど一切無い、完全に自分本位で勝手極まりない暴力任せの欲望の発散。そんな嵐のような欲望をぶつけられながら。
『――っ!』
レイラの円らな瞳からは、一筋の涙が零れ落ちる。
それは、絶えず襲い来る破瓜による肉体的な激痛故か。
或いは、愛した男のために貞淑を守り抜けなかった悲嘆故か。
その真意は、他ならぬレイラにしか分からない。
だが、いずれにしろ想像力も無ければ気遣いも出来ない傲岸不遜な男には、そんな涙など取るに足らない些事でしかない。
太陽が空高く上るまでの数時間もの間、英夢は待ち焦がれた少女の肉体を心行くまで堪能し続け、そして少女はずっと絶望に満たされた心のまま静かに涙を流し続けていた。
◇
『ふぅ……実に……実によかったよ、レイラ』
抱き続けた肉欲の絞り尽くすまで、ずっと自分本位でレイラを貪り続けた英夢。
肉欲の怪物と言っていい英夢の絶倫を、生来華奢で体力的に虚弱なレイラが受け止め切れる筈も無く。全てが終わった頃、レイラはすっかりぐったりとして気絶寸前となっていた。
しかし、気を失う訳にはいかない。ここで気を失ってしまえば、数時間も苦痛と絶望と屈辱に耐え続けた意味がなくなってしまう。だからこそレイラは気力だけで必死に意識を繋ぎ留め、徐に上体を起こすと英夢に凛とした視線を向ける。
『わ、私は……約束を守りました。だから早く、リュートを……開放してください』
全ては、愛する男の体を蝕む忌まわしい呪いを解かせるため。
呪いさえ解ければ、リュートが自由になれば、全て丸く収まる。
純潔こそ失ってしまったけど、きっとリュートならもう一度自分を受け入れてくれる。
そして今度は、アカデミーすらもやめて二人でどこか辺境にでも……
そこまで考えての、捨て身の交渉であったのだ。
しかし――
『はぁ? 何言っているの? 約束は、まだ守られていないだろうが』
『――へっ?』
虚を突かれたような絶望の声音が、レイラから漏れた。
『そ、そんな……約束が違う! 私が貴方と寝て、純潔を捧げれば、リュートを呪いから解放してくれるって――』
『確かに言ったな。で、純潔は確かに貰った。けど、一回寝れば終わりだなんて、一言も言った覚えはないけど?』
『――っ!?』
瞠目するレイラ。その絶望に歪んだ表情に、英夢は嗜虐的な笑みを浮かべる。
『寝る回数は、制限を設けていないハズだけど? リュートの呪いを解くまでには、そうだなぁ……俺の気が済むまで寝て貰おうかな。そうすれば、解いてやるよ』
『そ、そんな……イヤ……そんなの絶対イヤ! 解いて! 今すぐ解いてよ!』
『うるせぇよ!』
レイラの頬を、英夢の裏拳が捉える。
すると『あうっ!』という悲鳴と共に、レイラはベッドへ倒れ込んだ。
そしてレイラへと追い打ちをかけるように、英夢はベッドへ倒れ伏したレイラを組み伏せて身動きを奪いに掛かる。必死の抵抗を見せるレイラだが、男女の体格体力差に加えて数時間に及んだ蹂躙によってすっかり体力を奪われた彼女に抵抗出来る筈も無く、敢え無く取り押さえられる。
『バカだねぇ……お前は俺のメインヒロインだぞ? 逃がすワケ無いだろうが。お前は、俺のモノなんだよ! 俺だけを見ていろ! 俺だけを求めろ!!』
『嫌……そんなの、冗談じゃない! 私は、アンタなんか大嫌いなのに!』
『――っ!? あれあれぇ? そんなことを言ってもいいのかな? もしかして、もう忘れたのか? お前が抵抗すれば、一人死ぬ奴がいるってことをさ』
レイラの両手を片手で軽々と押さえながら、残る片手に漆黒の靄を生み出す英夢。
数時間前、あの裏路地で嫌と言うほど目の当たりにさせられた漆黒の靄――それが意味するところを、レイラは瞬時に思い出す。
『あっ……あああ……』
『どうする? お望みならば、今すぐ殺してやってもいいんだけど?』
『や、やめてっ! やめて……ください……わかりました……わかりましたから……だからお願い……やめて』
涙ながらに弱弱しい声で懇願するレイラ。その表情から身の程を思い知らせられたと確信した英夢は、産み出した黒い靄を霧散させて消滅させる。
『分かればよろしい。引き続き、俺に尽くせよ。モブ野郎が、大事ならな』
『は、はい。分かり……ました』
『いい返事だ。それにしても……』
ふと、レイラを睨め回すようないやらしい視線を向ける英夢。
そして『ふひひ……』という喜色悪くて品のない笑い声を漏らす。
『良い眺めだなぁ……ちょっと興奮してきちゃった。じゃあ、第二ラウンドと行こうか』
『――えっ? そ、そんな……そんなの体力が……』
『おや、断るのか? それは残念。なら、仕方ないなぁ……』
再び黒い靄を出す英夢。それを見て、目に涙を浮かべながらブンブンと首を振るうレイラ。
『よろしい。それにこれは、お前への罰だ。さっきお前は、俺様に盾突いたからな。キッチリと、身の程をその身に教え込んでやるよ』
『は、はい……ごめんなさい』
すっかり大人しく縮こまって服従――いや、最早隷属と言っていいだろう――するレイラ。そんな彼女の振る舞いに独占欲をこれでもかと刺激された英夢は、そこから数時間ノンストップでレイラを蹂躙し続けた。
泣く事も、拒絶することも、疲労を理由に休憩することも許されず。
ただずっと、嬉しそうな笑顔を張り付けることを強要されての望まない交わり。
レイラの心は、たった一日で崩壊寸前にまで追い込まれた。
如何でしたでしょうか?